春らしくなる季節と共に、私の鼻はムズムズしてきています。今年も花粉と戦う時期がやってきました。ゴングが鳴る事もなく、気が付いたら花粉からめった打ちにされている私のお鼻、そして一度でも掻いたらもう終わり…エンドレスで掻き続けることになる目。春先の風物詩とも言える花粉症ですが、なぜか山へ入っている間は症状が治まります。不思議な現象ではあるのですが、快適に山を歩けてラッキーと思うのも束の間、この時期の山では汗処理と体温調整で苦戦する事が増えてくるのです。
冬であれば低い気温の中、行動ペースと重ね着で体温調整が出来ます。夏であれば、暑いので状況によっては極力薄着で如何に早く汗を蒸発させて体温を下げるかの勝負。
しかし、春先や晩秋は少し違います。日中の日光が当たる道を歩けば夏を彷彿とさせる暑さを感じて汗をかき、日陰の道に入って風に当たろうものなら一気に汗冷えをして冬が再来したかと思わんばかりの寒さを感じる。局面での体感温度の差があり過ぎて正解のレイヤリングが分からない。それが季節の変わり目の山なのです。そこで、本日のブログでは私的に季節の変わり目に重宝しているアイテムを3つご紹介させて頂きます!
一枚で汗冷え対策が出来る優秀なベースレイヤー!
THE NORTH FACE Dry Dot シリーズ ■
過去のブログ(コチラ■)で何度も機能性をご紹介させて頂いているので、ご存知の方も多いかもしれません。ノースフェイスの化繊ベースレイヤーの名品の一つと言っても過言ではない、超機能的ベースレイヤー、それがドライドットシリーズなのです。
二層構造になった生地の肌面には撥水加工が施されており、生地に見られるドット状の部分が水分の橋渡し役を担います。汗をかくとドット部分から水分を外側へと引っ張り出して表面で非常に広く拡散。衣服の乾くスピードは生地表面での拡散力がものを言います。如何に水分を沢山の空気と触れさせるかによって乾くスピードが変わるのです。そして、肌面の撥水加工生地が汗の濡れ戻りを防いでくれるので、今時期の日向で汗をかき、日陰で冷えるという状況にはうってつけ。既存のドライレイヤーでも汗冷えを予防する事も出来ますが、ドライレイヤーはベースレイヤーと合わせて二枚重ね着をするので、どうしても暑さを感じてしまう事があるのです。汗冷えを防ぐ目的で着用するドライレイヤーで暑さを感じ、不用意に発汗を促してしまっては本末転倒。
故に一着で完結するドライドットシリーズ■が時には暑さを時には寒さも感じてしまうこの時期にもおススメなのです。
個人的にロングスリーブモデルを発売当時から愛用しており、脇や袖下回りの立体裁断も優秀で腕をが得た際の裾上がりも非常に少なく、今時期の低山歩きやクライミングでも活躍してくれていますし、春のBCシーンでも愛用しています。
暑がりさん向けの半袖タイプも入荷しております。現在、オンラインショップページ準備中の為、今しばらくお待ちください!
僅か40グラムで手に入る温かさ。
山と道 Light Alpha Armsleeves ■
こちらも私の愛用アイテムの一つ。アームカバーです。実は、今まで色々なメーカーのアームカバーを使ってきているのですが、山と道のLight Alpha Armsleeveを使いだしてから、これしか使わなくなりました。
理由の一つは、ピタっとし過ぎない丁度良いフィット感。通常、アームカバーと言うと腕にピタピタにフィットするタイプが殆ど。それは使用目的がランニングやサイクリング等のスポーツシーンでの着用をメインに想定しているから。そういったアクティブなシーンでは風の影響を受けにくく、腕振り時に摩擦を生まないピッタリフィットの方が良いのですが、ノンビリ歩く時にはちょいユルフィットが非常に便利。見た目と気分的なものもありますが、ちょいユルであるが故に少し捲って使う時に圧迫感が無いんです。
日陰道に入って肌寒さを感じたら、アームカバーを取り出して装着。風が吹いているならウィンドシェルも一緒に羽織る。身体が温まってきたならばシェルを脱いで写真の様にアームカバーを肘下まで降ろします。この時にピタッと系だと生地が重なった部分に圧迫感を感じてしまうんです。
さらに身体が温まってきたけれど、手や手首はまだ寒さを感じる。そんな時はさらにアームカバーを下げて手首回りで生地を上手く被せて処理していきます。
こうしてあげれば即席ハンドウォーマーの出来上がり。手首や掌、甲だけを温めて末端の冷えを防ぐことが出来るのです。手の先だけモコモコになるので、気分はモクズガニです。笑
アルファの生地はモフモフで通気性にも優れているので、沢山の空気を含んで層を作ってくれるし、汗ばんだ時の抜けも良い。その反面、通気性が高いので風が強い時はウィンドシェルや防水系ウェアとの組み合わせが大切です。
そして、Mサイズで39~40g(若干の個体差アリ)という軽さ。左右両方合わせての重量ですから、片腕分で20g程度です。この軽さならパンツのポケットに入れておいても邪魔にならず、使いたい時だけサッと出して、しまいたい時にも直ぐに収納出来ます。携帯していても邪魔にならず、局面に合わせて付け外しが簡単に出来る。体感温度が上下に振れがちなこの季節にビタビタにハマるアイテムなのです。
丁度良い薄さで首元をカバー!
Axio Neck Gaiter ■
日本の生地メーカー、ニッケによって開発されたメリノウールと化学繊維(クールマックス)の混紡生地AXIO。その特徴は、乾きのスピードがあまり早くないメリノウールに化繊を混ぜる事によって、ウール100%の生地よりも格段に乾きを速くしたことにあります。
ただ単純に混ぜただけでなく、糸の構造から拘っているのが凄いところ。写真のように糸の内部に化学繊維(クールマックス)のフィラメントを入れた状態にしているので、糸の表面は全てメリノウール。つまりは、ウールの肌あたりの良さや汗が乾いた後のベタツキの少なさ、抗菌防臭機能を損なう事なく、糸内部の化繊が吸い上げた汗を拡散する事で乾きを速くしています。両者の得意とする機能を損なう事なく高いレベルで両立させているのがAXIOという生地なのです。
そして、そのAXIOを写真の様に絶妙な薄さでネックウォーマーにしたのがAxio Neck Gaiter ■であり、この薄さが今時期(季節の端境期)の行動中にとても重宝します。早朝からの動き出しは寒くて、首元に何かつけておきたい。でも冬用のネックウォーマーじゃ直ぐに暑くなってしまう。丁度良い何かがあれば…と思っていたところに登場してきてくれたアイテムなのです。
逆に薄すぎて温かさが足りないんじゃないの?という声も聞こえてきそうですが、長さがあるので首元でたわませて生地が重なれば見た目以上に温かさを感じられるんです。
フェイスカバーとしても使えるので、簡易的なマスクとしても使えますし、ヘッドバンドとしても着用可能。
このように簡易的なバラクラバにする事も出来るので、予想だにしない寒さを感じた時にも首から上を温める事が出来ます。
そして、ひとつあたりの重量は約30g程度なので、こちらもパンツのポケットに忍ばせておいても良いぐらいのアイテム。低山域であれば冬~端境期に、高山域であれば夏の早朝に、ランニングされる方であれば真冬にも、と意外と長いシーズン使えるネックゲーターです。首や顔回りの快適度を上げたい方は是非試してみてください!
体温調整や発汗コントロールが難しい季節ですが、春特有の花や風景を楽しめる気持ちの良い時期でもあります。上手く装備を調整して快適に春の山を楽しみましょう!
本日のブログは松下がお届けいたしました。