韓国トリップのお話

日本から四季がなくなるのではと思えてしまうような日々が続く11月上旬。ようやく寒さが顔を出し始めたが、この寒さも3歩進んで2歩下がる状態だとか。

冬を感じられるのは、もうしばらく先になりそう。

 


韓国トリップのお話

さて、今回のBLOGでは、先月末に行ってきた韓国トリップのお話を書かせて頂きます。

modearteのインスタのストーリーズをご覧頂いていた方は、なんとなく、僕が韓国のレース?大会?に出ていた事を知っているかもしれませんが、今回のBLOGではその時の内容を、本来であれば「韓国へ行って来ました!イベント最高でした!」と書く方が絶対に「イイ!」のは分かっているし、もしかしたらそいう内容を期待している人も多いかもしないが、今回は、少し違った視点から話をしてみたい。

理由としては色々ある。

上手く言えないし誤解を招くような表現になるかもしれないけど、日本以外の国の事をあまり知らない僕にとって、日本以外の事を知るという事は、色々な感覚や価値観や考え方の差分に触れる事への好奇心以外に、情報だけで僕の中に構築された「良い部分」と「悪い部分」の両方の意味合いを持った偏見的なイメージを、実際に自身が五感で経験することでどう変わるったのか、それをBLOGを通じてお伝えする事が、もしかしたら、多くの方にとって今後の遊び方やブランドの捉え方等が変わると思ったのが、色々の中の1つだと思う。

今回のBLOGは少しセンシティブな部分もあるから、自分の気持ちや考え等をどの時点から話をする事が、僕の考えが正しく言語化されるのだろうか悩む所でもある。だから、おそらくBLOGは長くなると思う。

 

フラットなはずなのに気がついたら構築されていた高低差の感覚。

世界は僕が想像する以上に広く、そして、残りの人生でその広さを全部知る事は絶対に出来ないと思っている。

その地域には、僕と違った考え方や感覚を持った人、そして、その土地々々にある “普通”や”常識”が存在する。ただ、それらの感覚に優劣は一切ないはずなのに、何故か気がついた時に、自分の中で感覚的に「高低差」が生まれている事を感じた。正確にいうと、自分の中から生まれた感覚ではなく、気が付かないうちに大きな力によって勝手に擦り込まれたモノだと僕は思っているけれど・・・。

その高低差というのが、ざっくりとした言い方になるが、「欧米は先進的で日本を含めアジアは、常にその後ろから追いかけている。」ように点である。

 

ULTRA LIGHT HIKING

 

チャットGPTに「日本のULハイクの文化はいつ頃からですか?」と訪ねたら、こんな答えが返ってきた。

 

日本でのUL(ウルトラライト)ハイキング文化は、2000年代初頭にアメリカから影響を受けて徐々に広がり始めました。もともとULハイキングは、アメリカのロングトレイル(特にパシフィック・クレスト・トレイルやアパラチアントレイル)で流行し、ハイカーたちが長距離を軽量な装備で快適に歩くための方法として発展したスタイルです。この動きが日本に紹介され、山岳雑誌やインターネットを通じて関心が高まっていきました。

日本では、2005年頃からULハイキングに特化したギアや情報が増え始め、2010年代に入るとそのブームが本格化しました。国内でもULギアを専門とするブランドが登場し、軽量装備での快適な山歩きを求めるハイカーに向けた商品やイベントが増加。また、登山雑誌でも頻繁に取り上げられ、ULハイキングのメリットや装備についての情報が広まっていきました。

近年では、ULスタイルが一般のハイキングや登山にも取り入れられ、短い日帰りハイキングでもUL装備を活用するハイカーが増えています。このように、日本でのULハイク文化は徐々に浸透し、登山やアウトドアのライフスタイルの一部として定着していると言えます。

「なるほどね。」

実際に、アウトドア関連を生業としている身からすれば、「チャットGPTさん、よく知ってんじゃん!」と思う一方で、この文脈通りに僕達もULカルチャーを捉えているし、常にアメリカを中心に新しいモノが入ってきていると感じがあって、このスタイルを「進んだ文化」として捉えているし、実際にそういう側面もある。

 

韓国で得るモノって一体?

そんな感覚だった僕は、今回の韓国トリップに誘われた時に、ULに限らずアウトドアの色々な感覚をブラッシュアップするには、心のどこかでアメリカやヨーロッパへ行くことの方が良いのではと考えていた。もちろん、お誘いしてくれた方も、欧米で得られる事の大切さも知っているけど、僕の色々な事情を知ったうえで、スケジュール的にも先ずは韓国へ行くことで、広げられる価値観があると感じていたに違いない。また、この秋冬から始まるHIKER WORK SHOP(以下:HWS)の事を深く知るには、現地へ行ってHWSスタッフと交流し、そして、韓国のULカルチャーを見ることがとても大切だと知っていたのだと思う。

結果的に、僕の感覚は確実にアップデートされる事になったのは言うまでも無い。

 

韓国のお誘いを受けてから、気持ちの中にある高低差に気が付き深く考えるようになり、ある1つの事に気がついた。

そもそも、お店でお客様とお話している時や自分達の考え方として、ULが全てでは無い事をお話する。あくまでも、山やロングトレイルを歩く時の1つのスタイルや楽しみ方であるという事。だから、軽いスタイルが先進的でもないし、従来のスタイルが劣っている訳でもない。その全てが、いちスタイルであり、そこに優劣なんて無いという事をお話するし、事実そうだと思っている。

この考え方(構造?関係性?)がとても大切なのは分かっているのに、何故か国やカルチャーになると、いつの間にか植え付けられた感覚によって、欧米諸国とアジアの高低差を勝手に自分の中で生み出していた。

確かにULTRA LIGHT HIKINGというカルチャーはアメリカが発祥かもしれないが、今はそれぞれの国で其々のスタイルとしてカルチャーが育っているし、それらの感覚と視点でフラットに現状を見る事がとても大切なフェーズに来ていると考えた。

少し周りくどいから、ここまでの事をオブラートに包まず、少し差別的な発言に聞こえるかもしれないけどストレートに書くと、この考えに至るまでは、韓国のULカルチャーを見て自分がアップデートされる事が無いのではと思っていたし、事実、このように思っている人も多いのではと思っていた。

ただ、たった1回しか韓国へ行った事が無いし、他の国を全く知らない、薄っぺらい僕が言うのも説得力が無いかもしれないけど、ハッキリ言って、絶対に行ったほうが良いし、韓国のULカルチャーも、アメリカのULカルチャーも日本のULのカルチャーも全て同じ目線で見たほうが良いし、その捉え方をする事で自分の価値観は間違いなくアップデートされると思う。

僕は、韓国へ行くことを決めた事で、既に色々な気付きを得ることが出来た。

 

韓国トリップの3つの目的(得た物)

1つ目は、ここまで書いた自分の感覚のアップデート

2つ目は、HWSチームとのコミュニケーション

3つ目は、ULハイカーが集う人気イベントOtt(ON THE TRAIL)に参加

 

HWSチームとのコミュニケーション

僕達moderateのブランドセレクトの本質の1つに、単純に売れている・売れそうなブランドをセレクトするといったチープな考えは1mmも無く、必ず、作り手やディストリビューターの方の思いや考え方を大切にし、その思いがこもったブランドをセレクトし、そして、モノと一緒にその気持ちをお客様に伝えるようにしています。

そういった意味でいくと、HWSは、海外ブランドでありながら立地的にお隣の国という事で、他の海外ブランドと違って比較的にコミュニケーションが取りやすという事もあり、実際にお取り扱いがスタートする前に、HWSチームとコミュニケーションを取ることで、よりブランドの事や製品の事が分かるのではと思っていた。

実際に、JUNOさん率いるHWSチーム(マークさん・サイモンさん)や関係者さんは滅茶苦茶良い人ばかり。言葉の壁があるけれど、ULカルチャーに対する熱量はなんとなく伝わってきた。言葉が分からないのに?って思われるかもしれないが、なんとなくの英語と翻訳アプリでなんとなくコミュニケーションはとれるし、サッカーで言うボールがあればコミュニケーションがとれるみたいな感じで、カルチャーが好きという感覚で通じるモノがあったと思っている。

 

因みに、HWSの製品については、また、後日ご紹介させて頂きますが、取り急ぎ、下記の日程でPOP-UPイベントが開催されますので、気になる方は、是非、ご来店頂ければと思います。

 

「HIKER WORK SHOP」 POP-UP

日程:11月23日(土)~24日(日)


(写真の中には、一部のテスト品があり、この全てがPOP-UPでご覧頂くことは出来ません。)

 

ULハイカーが500人集う人気イベントOtt(ON THE TRAIL)に参加

完全に予想を超えた楽しいイベントだった。

詳細に関しては、たまたま会場で一緒になりイベントに参加していたPaago Worksチームが分かりやすくBLOGを書かれているので、是非、そちらをお読み頂いた方が良いと思う。ここでは、僕の感じたことを少し簡単に書かせて頂ければと思う。

このイベントは、2015年ごろから開催されており、ULカルチャーの歴史からみれば、割と昔からあるイベント。

今回韓国トリップをお誘い頂いた時から、イベントのHPやインスタをチェックしていたが、Google先生が翻訳してくれる内容が日本語なのにイマイチ頭に入ってこなくて、結局、現地でイベントに参加するまで順位を争うレースだとばかり思っていた。だから、moderateのインスタのストーリーやライブ配信では、「Ottに出場します」といった発言をしていたが、実際は、今回のOttのイベント内容としては、「45kmの距離を1泊2日間で歩くハイキングイベント。」よって、どちらかというと「出場」というよりかは「参加」という表現が近い感じ。


(イベント中にマッコリを飲む韓国のハイカー)

因みに、あらためてHPをチェックすると実際に、ハイクイベントという内容が書かれているんですが、日本でこのような順位を競わないハイクイベントが無い(少ない)だけに、純粋に歩く事を楽しむ事が主に置かれているイベントに対して理解が追いついていなかった感じだったのだと思う。だから、出場と表現していたのだと思う。(もしかしたら、日本で言えば、山道祭がもしかしたら近いのかも・・・)

しかし、この順位を競い合わないハイクイベントが実にピースフルで楽しかった。

とは言え、1泊2日で45キロで累積で約3,000mとなる今回のコース。鈴鹿セブンの縦走(約45.6k/4,500mD+)と比較すると、なんとなく工程のイメージ出来るのではと思う。

今回のルートは、1日目(31k)の前半は鈴鹿を思わすような急登が続く。もちろん、登った分だけ絶景ポイントも沢山あり、雲海・山を繋ぐ大きな吊橋、そして、最高地点でも1018mでありながらも、山深さを感じられる非常に良い山だった。

 

ルート後半部分からは、直訳すると「鎮安高原の道」と言われるルートを歩く。

お隣の国という事もあってか、植生が似ており山の雰囲気や麓の風景が、どっか自分が良く遊ぶエリアの雰囲気山に近く、海外なのに懐かしさを感じてしまうトレイルで、途中から日本を歩いているのではと思える程だった。

非常にメリハリの効いたルートで、登山とハイキングをミックスさせた非常に良いルートを、1日目の途中ではクレープやコーヒー等が提供されるチェックポイント等もあり、本当に最高のホスピタリティだった。

基本的にハイクを楽しむイベントの為、1日目の幕営地点の近くにコンビニや飲食店があったが、もちろん、そこを利用する事もOK!なんか、この感覚が、あくまでも自分達がこのルートをプライベートで歩けば、絶対に利用すると思うし、このルールが緩めな感じが楽しさを倍増させた。

 

因みに、今回の参加したイベントは、韓国のアウトドアWEBメディア「Better Weekend」が主催となり、また、韓国のULシーンを支えるブランドやコーヒーショップ等が1つのチームになって運営をされていた。しかし、あのスタッフの人数で500人規模のイベントを回しているから本当に凄い!

自分自身も、moderateを運営しながら色々なカルチャーが育ち、また、お客様に楽しんで頂ければと小さいながらにもイベントを企画したりお手伝いをしているからこそ、この規模の内容をする大変さが分かるが、それを、本当に楽しそうにされている姿に物凄く共感が出来た。そして、国という境界線はあるものの、カルチャーやその楽しむと言った感覚には、全くもってシームレスである事とその大切さを知った。

 

エアチケットも平日でLCCであれば往復で3万円弱。名古屋からでも約2時間ぐらいのフライト時間。こうやって考えると、国内で人気のエリアに行く事とそんなに変わらないコストで海外のトレイルを遊ぶことが出来るし、近い将来1つのカルチャーを通じて、もっと交流が深まるのではと思っている。

 

もちろん、言葉や文化の違いはあるけれど、ULTRA LIGHT HIKINGという1つのカルチャーが国という概念を取っ払い、人と人とを国境を超えて交わる1つツールのようなモノになっていくと確信している。そして、其々の国のカルチャーをフラットに見て楽しむ事が、更にその面白さを倍増させていく事になる思っている。

 

是非、機会があれば韓国のULシーンをチェックしたり、足を運んでみると良いと思いますよ。

 

投稿者:飯田

 

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