パタゴニアの人気アイテムと言えばフリース。その中でもアウトドアフィールドで遊ぶリアルユーザーから最も支持されているのがR1シリーズではないでしょうか。
特にこれからの秋冬シーズンには登山だけでなく、スキーやスノーボード、フィッシングにクライミング等々、様々なアクティビティーで重宝するウェアです。そんなR1シリーズから今季、ニューモデルが登場しました。その名もR1史上、最も暖かい「R1 Thermal !!」なのですが、「ちょっと待ってよ。今ってR1シリーズで結構種類出てるし、どれがどう違うか今一フワっとしてて分からないんですけど…。」という方も少なくないはず。
そこで、今回のブログでは現在ラインナップされているR1シリーズをおさらいのうえ、NEWモデルのR1 Thermal をご紹介させて頂きます!
この記事の概略として
そもそもR1の「R」って何?
先ほどから何度も出てきている「R1」という言葉、ご存知の方も多いかもしれませんが、パタゴニアのテクニカルフリースは頭文字に「R」が付いています。このRはRegulatorの事を指しており直訳すると「調整役」という表現になります。つまりは体温を調整する役割をしているフリースという意味です。そしてRの後ろにつく数字が保温力の高さを表しており、今はR1のみの展開となっておりますが、昔は長毛フリースのR2や、さらにハイロフトのR3等もありました。
つまりは、R1シリーズは行動中に体温を調整する為のウェアであり、Regulatorシリーズの中では生地厚が薄めのカテゴリーに分類されている物という訳です。そして、今はR1シリーズの中でもさらに細分化が進み、多くの方の好みに合わせた選び方が出来るようになってきています。
不動の定番!! スタンダードなR1 P/O M’s ■ W’s ■
これぞ、元祖R1。冬山を楽しむ人が最もお世話になってきたフリースと言っても過言では無いアイテム。世の中にグリッドフリースという概念を浸透させた代表的なウェアでもあり、登場からマイナーチェンジを繰り返しながらも今だに根強い人気がある定番フリース。
これからご紹介させて頂く他モデルと比べるとバランス型と言えるポジションで、RPGのキャラで言えば勇者。(より分かりにくくなったらすいません。)
【写真左側/裏地 写真右側/表地】
裏側は適度に保温しながらも汗抜けが良いように作られた四角型のグリッド構造で、表側は滑らかに織られた生地にする事でレイヤリング時の摩擦を減らしています。
生地を光に当ててみると綺麗に並んだ角型グリッドがハッキリと現れます。この光が通っている部分から汗蒸れを発散して黒い部分が保温をする。一枚の生地上で場所により役割を変える事で保温と通気という相反する機能のバランスを上手に取っているのです。
現行のモデルはプルオーバーのみの展開となっており、フロントファスナーを深く付ける事で体温上昇時のベンチレーションとして機能するように作られています。スノーシーンやアイスクライミングシーンでビブパンツを穿く場合、プルオーバーであればフロントファスナーがビブと干渉する事が防げますし、カヌーやカヤック等の座った状態で行うアクティビティーでもお腹から下のジッパーが減る事でゴワゴワ感を減らせるので、コアなアウトドアユーザーから大きな支持を得ているアイテムです。
雪や小雨もバンバンはじく! R1 Tech Face Jacket ■
R1シリーズの中でも外的影響からの防御力が高いTech Face Jacket。その名の通り、生地の表面がハード加工されているのでフリースと言うよりソフトシェルの様な外見をしています。また、フルジップ&両サイドポケット搭載の形なので、アウトドアシーンだけでなく日常着やサイクリング等でも使いやすくなっています。
【写真左側/裏地 写真右側/表地】
R1 P/O同様に裏地が四角いグリッド構造になっていますが、フリースの嵩が低くなっているので純粋に作り出す空気層の厚みで言えばR1 P/Oが勝ります。しかし、表生地がテックフェイスになっている事で、フリース特有のスースーに風を通す通気性を抑え、アウターとしても使いやすくなっているのです。また、フリースの弱点でもある「雪が付着しやすい」という点を完全に克服しており、岩場等での擦れも対して気にする事もありません。勿論、伸縮性も備えているのでミドラーとして使用した時の着心地も問題なし。フリースという概念で着るよりは、ソフトシェルジャケットとして考えた方が使い勝手が良いアイテムです。
生地に光を当ててみるとR1 P/Oと比べて明らかに光の透過量が少ない事が分かります。この見た目はそのまま生地の通気性に影響を及ぼすので、耐風性を上げている事が分かります。ただ、ガッチリ風を止める訳では無いので行動中の蒸れにくさもしっかり考慮しての仕様です。一枚で幅広いシチュエーションや遊びをこなしたい方に人気のあるウェアで、汎用性の高さと悪天候と摩耗に耐えるという点を考慮するとRPGのキャラで言えば騎士ですね。(さらに分かりにくくなったらすいません。最後まで続けますのでお付き合い願います。)
抜群の通気性で汗蒸れを排出する R1 Air
M’s Crew■ M’s Hoody■ K’s(W’s)Jacket ■ K’s(W’s)Hoody ■
世の中でアクティブインサレーションが人気になりだした頃、「フリースとしてそのポジションは譲れない!」と言わんばかりに登場した高通気フリースがR1Airシリーズ。フリースという大きなジャンルの中でも生地構造によってその特性が大きく変わるという事を体現したようなモデル。
【写真左側/裏地 写真右側/表地】
先にご紹介させて頂いた2モデルとの大きな違いは、グリッド形状とその配し方。R1 Airはグリッドを表側にも出す事で他モデルよりも高い通気性を確保しています。また、独自のジグザグ構造で仕上げる事で独特のデザイン性を出しながら広い面積にグリッドを走らせる事が出来るのです、特殊な形状の生地は、パッと見はそこそこボリュームがあるように見えるのですが光を当てるとこのジグザグ構造の凄さが分かります。
他モデルと比較して圧倒的に多い光の透過量。この通気度の高さによって発汗時の汗抜けの良さが確保されているのですが、中空糸を使った生地なので上からハードシェル等をレイヤリングすると見た目以上に温かさを感じるのも特徴の一つ。
私も登場時から愛用させて頂いているのですが、雪山登山やスキーウェアのレイヤリングで使用するのは勿論の事、普段着で使用している時にも高通気の恩恵を受ける事が多々あります。冬場にバスや電車で移動している時、ショッピングモールに入った時等に予想以上に暖房が効いている事ってありませんか?冬でもちょっと汗ばんでしまって、そのまま外へ出ると確実に汗冷えをしてしまう…そんな時に通気性が高いR1 Airを着ていると、ちょっと服をパタパタするだけで衣服内の空気を大きく動かす事が出来、汗抜けを速める事が出来るので重宝しています。
個人的には、汗っかきだけど寒がりという方におススメしたいフリースウェア。RPGのキャラで言うと…シーフ…でしょうか。(若干キャラ付けに自信が無くなってきました。)
R1史上最も優れた保温力のあるR1 Thermal
M’sCrew■ M’sJacket■ M’sZipHoody■ W’sP/O Hoody■
最も保温力があると謳っているからには、どれほどの生地厚なのか気になっていたのですが、そこは「R1」の枠を越える事はなく厚みだけで言えばR1 P/Oより、ほんの少しだけ厚い?と感じる程度。しかし、ここまでのご説明で感づいた方もみえるかもしれませんが、このR1シリーズのそれぞれの特徴は、生地の厚みと言うより構造によるものなのです。故にこのR1 Thermalも他モデルと比べると生地構造が大きく異なります。
【写真左側/裏地 写真右側/表地】
表地はフラットフェイスになっており、丈夫で滑らかな仕上がり。これにより小雪程度なら弾いてくれます。裏地は非常に細かいマイクログリッド構造になっているので、ほぼ全面が起毛している状態に近く、これにより高い保温力が発揮されるのです。
光を当てると他モデルと比べて透過する具合が細かく、光量も少ないのが分かります。ここから分かるのが、R1 ThermalもTechFace同様に風をスースーに通すタイプではなく若干止めるタイプになります。正直、通気と防風のバランスがどれほどのものなのか、まだ私自身がフィールドでテスト出来ていない為ハッキリとは名言出来ないのですが、実際に使用した感覚を得てから名言させて頂ければと思います。
ちなみにマイクログリッドの細かさは、R1 P/Oのグリッドと比較するとハッキリと分かります。こんなに細かくする必要あるの!?と思ってしまう程の細かさですが、この裏地故に肌あたりが抜群に気持ち良いんです。以前販売されていたR1Dailyに近く、人をダメにするフリースのそれに負けないぐらいの気持ち良さ。そこに敢えて超細かいグリッドを入れるのは、汗抜けを良くする為であり、着心地を取りつつも機能性も両立させようとするメーカーサイドの意思が感じられます。
今季、R1Thermalは形がメンズで3タイプ出ており、ウィメンズだけで展開されているプルオーバーフーディー■もあわせると4種類のトップスが展開されています。
M’sCrew■
M’sJacket■
M’sZipHoody■
それぞれでポケットの付き方や袖の仕様等、細かな部分が異なります。全てお伝えさせて頂きたいのですがブログがとんでもなく長くなってしまう為、その辺りはパタゴニアの製品動画をご覧頂ければと思います。
・M’s R1 Thermal Crew 製品動画■
・M’s R1 Thermal Jacket 製品動画■
・M’s R1 Thermal Zip Hoody 製品動画■
・W’s R1 Thermal P/O Hoody 製品動画■
そして、個人的におススメなのがR1 Thermalのパンツ。
M’s R1 Thermal Bottoms ■
これは、是非一度穿いてみて頂きたい。ストレッチも効いていて動きやすく、温かくて肌あたりも良い。それでいて癖の無いシルエット。この3拍子が揃っていたら穿き心地が良いに決まっています。これからの寒い季節、山への行き帰りに穿いたや、お家でノンビリ過ごす時にも。リラックスしたい時にクルーとセットアップで着れば最高のゴロゴロタイムを過ごせます。スノーバムの方であれば車中泊ウェアにもおススメです!
新しく登場したR1 Thermal…風や小雪に対するプロテクションに優れた保温力のマイクログリッドフリース。また、クルーやジャケット、フーディーという色々な形で幅広い守備範囲を持つっこのアイテムをRPGのキャラで言うならば、遠近両方の攻撃が出来る魔法剣士と言ったところ…。(何の意味も無い個人的キャラ付けにお付き合い頂きありがとうございます。)
今年は、寒くなったり暖かくなったりとハッキリしない気温が続いていますが冬は必ずやってきます。毎度のことながら寒くなるとあっという間に売り切れてしまうアイテム達なので、気になる方は今のうちに店頭でご試着ください!本日のブログは松下がお届けいたしました。