新しくなったTsurugi Lite Jacket

2022年春夏シーズンに発売されているTeton Bros.のTsurugi Lite Jacketが新しくなっている事は、既に多くの方が知っている事と思います。

moderateでも4月上旬頃から販売を開始させて頂き、約2ヶ月経った今でもその人気は衰えること無く、レインウェアーを悩まれている多くの方に候補に入れて頂いており、また、ご購入して頂いております。

発売されてから少し時間は経っていますが、もうしばらくするとやってくる「梅雨シーズン」や、その先に「ある夏のアルプス山行」に向けて、レインウェアーの買い替えや新たに買い揃えるという方の為に、今一度、本商品をご紹介させて頂ければと思います。

・本ブログは長文となります。
・途中の写真は、文章との関係性はなく、製品の使用やサイズ感の参考になれば幸いです。


防水透湿素材がTasmaになり生まれ変わったTsurugi Lite Jacket (

世の中には沢山のレインウェアー販売されており、その沢山の選択肢の中から自分にあった1枚を選ぼうとした場合、多くの方が「素材」を気にし、選ぶ基準の1つにされると思います。

レインウェアーにおける「素材」というのは、様々な所に着眼点はありますが、1番はなんと言っても着心地と快適性を大きく左右すると言っても過言ではない「メンブレン」なのではないでしょうか。


(179cm / 65kg / size:XL)

 


メンブレンって何?

レインウェアーを調べいくと、GORE-TEXやEVENT、NeoShellやH2NO等、様々な素材の名前を目(耳)にすると思います。

これら全て基本「メンブレン」と言い、一般的には「メンブレン=レインウェアーの特徴」とされる事が多く、その特徴をユーザーに知ってもらう為に、殆どのメーカーが製品紹介として、使用しているメンブレンが何かという事を提示し、製品の良さを伝えています。


(Tsurugi Lite Jacketの袖はゴム袖仕様)

結局、メンブレンって生地なの??

メンブレン=生地でほぼ正解なのですが、メンブレンは生地を構成する1つの素材。

イメージで言えば、コンビニ等で売られているお惣菜パン「ランチパック」をイメージして頂くと比較的に分かりやすいかもしれません。(いや、逆に分かりにくいかも・・・)
メンブレンは、ランチパックの中身であり、その中身を挟むパンがナイロン素材となり、全てが重なった状態がランチパックでありレインウェアーの生地となります。

GORE-TEXやEVENTというのは、ランチパックの中身(メンブレン)の事をさしており、その中身の味(特徴)によってランチパックの味が変わると同じように、レインウェアーも、メンブレン1つでその特徴が変わってきます。


(ワンアクションで調整可能な裾のドローコード)

メンブレンの役割とは?

メンブレンの主な役割は、外からの水や風の侵入を防ぎ、内側に溜まった湿気等を外に出す事。よって、素材メーカーによっては、汗や皮脂に比較的に強いメンブレンもあれば、防水数値が高いが為に少し蒸れやすかったり、逆に透湿性の高さを目指し防水性がちょっと低めという物があったりと本当に様々。

ただ、ここでご注意頂きたいのは、メンブレンだけでウェアーの性能が決まるわけではありません。ポイントとしては、そのメンブレンの挟むナイロン素材や裏地によって、同じメンブレンを使っていたとしても多種多様な仕上がりになるという事。

いうなれば、ランチパックの具材は一緒でも、安価なパンでサンドするか美味しいパンでサンドするかで味が変わるように、サンドするパンの表面をトーストしているのか、はたまた、極薄のパンなのかでも変わってきます。
(え!?ランチパックで例えられる方が分かりにくい???)

要するに、メンブレンは機能を大きく左右する大切な素材でありながらも、そのメンブレンだけが決定打になるわけではなく、それを保護する表地や裏地の性質であったり、また、夫々に施される加工によってウェア―の生地は変わるという事。

因みに、素材メーカーが作るメンブレン(GORE-TEXやNeoShell等)は、その素材を使用するにあたりある一定のルール(レギュレーション)が設定されています。


(キャップや素頭にフィットするフード)

これにより、例えば、異なるブランドが同じGORE-TEXのメンブレンを使って製品を作った際に、同じレギュレーションをクリアしている事になる為、生地や製品の特徴としては、ほぼ同じであり、その差はデザインによる機能面にあり、お客様が素材による機能面で一定の安心感を得ることが出来るメリットもあります。

一方で、ブランドオリジナルのメンブレンの場合、レギュレーションはブランドが設定出来るため、ユーザーからすると製品の特徴が他と比べにくいという点がありますが、逆を言えば、素材メーカーではNGとされている事が出来る為、特色の強いアイテムを作ることが出来るというメリットもあります。

まぁ、一言で言えば「一長一短」というとこですかね。

 


Tasmaの誕生の裏側にあるティートンの思い

Teton Bros.は、ハードシェルに求める機能として、「防水性」・「撥水性」・「通気性」・「耐摩擦性」・「引き裂き強度」・「総合的な耐久性」の6つがあります。

そんなティートンが、前回の秋冬シーズン(F21シーズン)より、ハードシェルのメンブレンをTasmaに変更。

元々、Teton Bros.はポーラテック社が作る「NeoShell」とうメンブレンをメイン素材にハードシェルを展開していましたが、そのポーラッテック社がF21シーズンよりNeoShellを使用した際の表生地側に施す撥水加工素材を、より自然環境に影響の少ないモノに変更。


(左 179cm / 65kg / size:L | 右 179cm / 65kg / size:XL)

自然をフィールドとする我々にとって、それは非常に喜ばしい事でしたが、実際に日本の高温多湿の環境下でテストした所、Teton Bros.が考える撥水効果が得られず、着用者の身を守るギア(道具)として考えた場合、Teton Bros.の基準値ではない為NeoShellの使用を断念。(←注)

そこに、ちょうど3年ほど前から東レと共同開発していたメンブレンの完成が間に合い、それをTasmaとして世に送り出すことになったわけです。

十分な防水性と高い通気性に耐久撥水性をプラス

「防水と通気」という言葉。もっと違う言い方をすれば、「濡れないけど蒸れもない」

正直言って、この2つは相反するモノであり、一般的な防水透湿素材のメンブレンで、互いに高い数値で共存することは非常に難しいと思います。

なぜなら、一般的な防水透湿素材のメンブレンは、あくまでも透湿性(湿気が浸透していく性質)であり通気でありません。通気というのは、空気が行き交うイメージであり、Tasmaで作られたウェア―は、そのウェアを着用した瞬間から通気がはじまり、ウェア内をドライに保ち、汗冷えや低体温症のリスクを軽減してくれます。

そして、そのような相反する性質(防水性と高通気)を高いレベルで実現したヒトツとして、Täsmäのメンブレンの構造に秘密があります。


(左 179cm / 65kg / size:L | 右 179cm / 65kg / size:XL)

蜘蛛の巣状の膜を幾重にも重ね作られたメンブレンは、物理的に空気を通気させる構造を持ち内側で蒸れを常に外に出しつつも、外から侵入しようとする水や風をシャットアウトする構造となっています。

この性質により、Teton Bros.は、ハードシェルに求める機能の「防水性」と「通気性」実現。また、そのTasmaに使われている撥水加工は、現状使用可能な撥水加工で最高の「耐久撥水性」を備えています。

正直、この撥水加工に関しては、今現在では非常に難しい選択が作り手(メーカー)に委ねられています。

自然環境へのダメージを最優先した場合、ウェアーの表面に施される撥水加工は実は十分なモノが少なく、結果的に厳しい環境下ではウェアーを着る人を危険目にあわせてしまうリスクがあるとも言われています。

ここに関しては、非常に難しいポイントであり、環境に優しく最高の撥水性をもつ加工が出来れば多くのメーカーが使用するのですが、今は、夫々のメーカーがどの点に優位性をもたせるかによって、その選択をしているように感じ、今回のTeton Bros.は、ユーザーの安全面を最優先にした選択となっていると思います。

これらにより、前回使用していたNeoShellと同等(同等以上とも言われてる)通気性を持ちながらも、耐水圧が更に5,000mmも高さを実現。


(上 179cm / 65kg / size:L | 下 179cm / 65kg / size:XL)

文字や言葉にしてしまえば、非常に簡単なモノのように見えますが、防水性と通気性を同時に上げていくことは非常に難しいとの事。

(注)NeoShellは日本の気候ではダメという訳ではありません。使用者が何処に重きを置くかで製品の良し悪しは変わるという面もあるという事。

少し長くなりましたが、メンブレンの特性とそれを活かす為の生地素材や加工の大切さと難しさを知って頂きつつ、Tasmaの良さとTeton Bros.の思いが、少しでも本ブログで伝わればと思っています。

「斜めジップがオシャレでカッコイイよね」

もちろん、大切な気持ちですが、そのデザインとそれを構成する生地の素晴らしさも是非ご理解頂き、製品をセレクトして頂ければと思います。

投稿者:飯田

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