patagonia が50周年を迎えました。

今年で50周年を迎えるpatagonia。ちょっと気になって調べてみたら、株式会社が50年存続する確率は何と0.7%程度という恐ろしく低い数値。その少ない存続企業の中に入る理由は一体何だろう。一体どの様な企業が残っていくのか。その答えは、個人的には非常にシンプルだと思っています。

世の為、人の為に役立つ企業

本質的に考えると、これに尽きるのではないでしょうか。
しかし、言葉で表現するのは簡単ですが、ことビジネスになると非常に難しい事でもあります。営利団体であるからには、利益も出さなければいけませんし、雇用している従業員に給料も支払わなければいけません。そのうえで世の中に役立つ企業であり続ける….本当に難しく大変な事ですが、やりがいはもの凄くあると思います。

私自身も商売人として働かせて頂いており、利益を追求しなければいけない事は百も承知です。でも、利益ばかりを追求するのは、私たちがやりたい事、進みたい道とはズレるんです。
卵が先か鶏が先かの様な話になってしまいますが、ブレない信念を持って世の中の役に立つ事をしていれば、自ずと利益はついて来る。そう思っています。

2019年にpatagoniaが新たに掲げた経営理念「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」という言葉には衝撃を受けたと同時に共感する部分が非常に強くありました。一つの企業が50年もの間、アウトドアシーンで第一線を走り続けているのは、ブレない信念があるからこそだと思います。

 

昨年、2022年9月14日にパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナードとその家族は、会社の所有権を非営利団体らに譲渡し、パタゴニアの将来の利益を気候変動対策に充てると宣言しました。ニューヨーク・タイムズによると、株式は30億ドル(約4300億円)に相当する金額になるそうです。

とんでもない金額を地球の為に手放した事にも驚きましたが、この選択の裏側には次世代の事を深く、深く考えている責任感を感じました。それと同時に「私たち小売り店は、そういったブランドの気持ち、作り手の気持ちをお客様へしっかりとお伝え出来ているだろうか。」という気持ちが沸き上がってきました。お店に来て頂いた方には接客させて頂いている限られた時間の中で、我々のブログをお読み頂いている方には、この拙い文章の中で。もっと良い伝え方があるのではないか、もっと良い表現方法があるのではないか、と考えながら過去の自身が書いたブログを読み直して猛省しております。

まだまだ伝える力が不足している為、皆様の読解力や聴く力に頼らせて頂く形になるとは思いますが、本日のブログでは50周年を迎えたpatagoniaの記念アイテムをいくつかご紹介させて頂きます。

 

 

Natural Blend Retro Cardigan

50周年記念アイテムの一つのポイントは天然素材への回帰。patagoniaのアイコンと呼べるいくつかのアイテムを農業に変革をもたらす可能性を秘める天然素材で再実現しています。そして、このNatural Blend Retro Cardiganの柄にビビッときた方。中々のpatagonia好きですね。今となってはビンテージ扱いになっている昔のグリセードジャケットで使われていたサンダー柄を復刻させたものになります。

 

胸元のロゴも復刻版となっているのですが、着目して頂きたいのはそこだけではなく先述の素材の部分。無地の部分はリサイクル・ポリエステルとリサイクル・ウールを使用しており、柄の部分はリサイクルされたペットボトルとリサイクル・ウールを含む混紡素材となっています。今でこそ、ペットボトルを再利用して作られて衣類が一般的になってきましたが、patagoniaがペットボトルを再利用したフリースを販売したのは1993年の事。今から30年も前に既に取り組みだしていたのです。このサンダー柄が登場したのも同じく1990年代なので、地球を守る為に既に動いていた当時のチャレンジングな想いを伝える為の柄でもあります。

 

 

Natural Blend Snap-T

patagoniaが世界に誇る銘品の一つであるシンチラスナップT。そのDNAを活かしてポリエステル、ウール、コットン、ナイロン・シンチラ・フリースを混紡した、温かくて着心地の良いクラシックなプルオーバーに仕上げています。

 

元をたどるとパタゴニアは1970年代から繊維メーカーのモールデンミルズ社とポリエステルを使ったフリース生地を開発していました。開発当初は強度や耐摩耗性の問題等、数多くの課題がありましたが、それらを克服し完成したフリースを「シンチラ」と名付けました。テクニカルな生地でありながらもポップなデザインで登場時から非常に人気となり、今やpatagoniaを代表するアイテムの一つとなっています。

 

アイコンである胸元のスナップボタンにプラスして両サイドのポケットやお腹あたりのジッパーポケット等、新たなデザインを施す事で50周年を迎えて「後ろでは無く、前を見る」というキャッチコピーが感じられるものになっています。

 

 

Recycled Wool-Blend Rugby Sweater

1970年代、クライマーの間では頑丈で長持ちする服が求めらていました。patagoniaの創業者イヴォン・シュイナードは、当時、イギリスのアンブロ社のラグビーシャツをクライミング時に着用しており、ラグビーでの酷使に耐える頑丈な縫製で、襟は重いギアスリングが首に食い込むのを防いでくれる優れものでした。そして、自身のショップ「シュイナード・エキップメント」で取り寄せても直ぐに売り切れてしまう程、クライマーの間では非常に人気のあったウェアだったのです。

 

そんなラグビーシャツをセーターで表現。リサイクル・ウール70%/リサイクル・ナイロン26%混紡素材の生地は温かくてこれからの季節にピッタリなアイテムです。イヴォンがpatagoniaとしてウェアを開発する以前に取り扱っていらウェアであるラグビーシャツ。ある意味、数あるpatagoniaウェアの原点と呼べるものでもあります。

 

他にもご紹介させて頂きたい50周年記念アイテムがあるのですが、あまりにも長くなってしまいそうなので、今回のブログはここまでとさせて頂きます。

次回のブログにて他のアイテムもご紹介させて頂きますので、お楽しみに!

本日のブログは松下がお届けいたしました。

 

 

 

 

先頭に戻る