前回記事に引き続き、エマージェンシー用途のシェルターのご紹介です。
今回はソロシェルター。
知っている方はよく知っている、ヘリテイジのモデルです。
ストックシェルター(⇒■)
110cm~120cmのトレッキングポール2本とペグ2本で簡単・素早く設営する事ができる軽量シェルターです。
TJAR(トランスジャパンアルプスレース)でも使用選手が多かったモデルで、実測280g(付属ペグ、スタッフサック込)という
床ありのシェルターとしてはダントツの軽さを誇ります。
張り姿や細かな仕様はメーカーサイトをご参照ください。(⇒■)
使われている素材は15Dという非常に薄い、防水透湿のポリウレタンコーティングが施された生地。
ウインドシェルとほぼ同じ程度の厚さしかないため強度はそれなりとなってしまいますが、非常に軽量な点は大きな魅力。
天頂部にはポールのグリップを束ねるくぼみ。
外側からドローコードとストラップで絞ることが可能です。
166cmの男性が入り口に座るとこんなイメージ。高さはそれほどですが、対角線の長辺が256cmという設定となっているため、
寝てみると意外と広く感じます。
入り口は下部と上部でジッパーが別になっており、少しだけ開けた状態で寝転がりながら小型ストーブで湯沸かしなどが出来たりします。
イメージとしては背の高いビビィですかね。
ストックの先は貫通する仕様に。
これにより、ペグなしでもある程度は地面に対してグリップします。
もちろん風の強いときや、しっかりと安定させたいときはここもペグダウンするのがベター。
緊急用のシェルターとしての使用ははもちろんのこと、ファストパッキングをはじめ、超ミニマル志向の泊まり山行にも活躍してくれるはずです。
エマージェンシーソロシェルター(⇒■)(メーカーサイト⇒■)
こちらのほうがよりビビィに近い形。
個人的にオモシロイアイテムだと思っているシェルターです。
こちらはストックシェルターよりもさらに高さが低く、設営して中で寝る姿勢をとることや、シェルター自体をかぶって使うことを目的としています。
底面は台形、頭から足にかけて高さが低くなる、ツェルトの派生版といっても良いと思います。
もっとしっかりとテンションをかけることで内部空間も広がり、快適になります。
入り口側上部と足下側上部にはループがあり、ここにラインをとる、もしくはポールを支えとして使うことで設営。
底面は4箇所のペグダウン用ループ。
入り口はジッパーとスナップボタン。
上部にはベンチレーション。
地面と接する辺はスナップボタンによる固定となります。
底面の入り口側は地面が開けられるようになっています。
緊急時に靴を履いたまま使うことも考えられています。
実測180gのため、ストックシェルターや一般的なツェルトよりもさらに軽く、個人装備として持っておいても損はないレベルです。
雪山でビバークをする場合に、最低限これらのアイテムがあるとぐっと安心感が増します。
あくまでエマージェンシー用途を目的としているために居住性は犠牲になっていますが、軽量コンパクト性は目を見張るものがあります。
真ん中)ストックシェルター
右)エマージェンシーソロシェルター
この大きさであればザックの片隅に忍ばせておいても全く気になりません。
また、こういったアイテムを普段から積極的に使うことでいざというときの備えにもなります。
昨シーズンは天候の良い雪山にばかり当たり、それほど緊急時の備えは持っていませんでしたが、もしこれが吹雪いて天候が悪かったり、視界がなくなったと想定した場合には、どうすることもできなかったと思います。
最低限夜を越せるような装備があると安心ですが、出来るだけコンパクトに収めたいのも事実です。
そんな場合の一つの選択肢として十分に使えるものの一つではないでしょうか。
BCスキー、BCスノーボードのお供にもアリだと思います。
もちろん冬だけではなく、春から秋にかけては超軽量シェルターとしても活躍してくれます。
一度緊急用の装備を考えてみてはいかがでしょうか?
これはものすごく活躍の幅が広いと思います。(⇒■)