お守りとして携帯する軽量ハードシェル。

梅雨真っ只中ですが、ここ三重県では時折晴れの日が続く事も。とは言え、あまり天気予報があてにならないこの季節。山へ出かける時は、ハードシェルの携帯が必須。でも、雨が降らなければ出番は無く、ただ荷物になってしまう事も。そんな時に便利なのが、軽量タイプのハードシェルウェア。フィールドで求められる必要な耐水性を確保しながらも非常に軽量に作られたアイテム達は、お守りとして携帯するのにはピッタリ。本日はそんなアイテム達をご紹介させて頂きます。

 

 

OMM Halo Smock

極限まで軽さに拘った防水ウェアHalo Smock。雨風にさらされる山岳マラソンでの使用を想定しているので耐水圧/10,000 mm、透湿性/10,000 gsm/24hrという数値を確保しながらもXSサイズで約91gという恐ろしい軽さを実現しています。

 

 

軽さのポイントは2レイヤー構造の防水透湿素材。裏地を付けず、縫製はテープで最小限に留める事でグラム単位の軽量化を図っています。裏地が無いと汗を掻いた際に肌へ張り付いてしまう事がありますが、裏地に付いた汗は拭き取ってあげれば直ぐに乾くというメリットもあるので、オーバーナイトシーンで二日目連続で使用したい時には2レイヤーの方が快適に着られる事もあります。

 

 

裾のドローコードは特殊な形状になっており腰の両サイドで止める仕様。ドローコードがグルっと一周入っていないのですがこれも軽量化を図る為のもの。袖口もベルクロ等は付けていないのですが、サムホールが付いています。このサムホールの付き方も非常にシンプルになっており、随所に軽くする為の工夫が凝らされています。

 

 


【着用モデル  身長:約163cm  体重:約55kg  Size:XS を着用】

フィットは細目で私の体格でXSサイズがジャスト。スモック形状にする事で脱ぎ着の手間は若干ありますが、ジッパーの使用量が少ない事で100gを下回る数値を叩き出しているのです。

 

 


【着用モデル  身長:約163cm  体重:約55kg  Size:XS を着用】

脱ぎ着が容易な方が良い。そんな方にはフルジップタイプ がおススメ。ジッパーがフルで入る分、重量は増しますがXSサイズで実測97gと十分に軽量と言えます。

 

 

 

両腕を交互に動かすウォーキングやランニングの動きをしても生地が張って動きにくさを感じる事はありません。生地自体がストレッチするタイプでは無いのですが、通常の可動域では十分に対応してくれます。

 

 

ただ、極端に腕を肘を曲げて腕を前に出したりすると肩回りの生地が張ってしまう事も。シチュエーションで言えばしゃがんだ状態で調理をしたり、靴紐を結んだりする時。この時ばかりは、少し動きづらさを感じてしまうかもしれませんが、収納力をご覧頂ければ一概にマイナス要因とは言えません。

 

Halo SmockとHalo Jacketにはスタッフバッグが付属していません。ウェアを、小さく効率的に収納するには、この様に一枚の帯状に畳み生地の間に含まれた空気を抜くようにクルクルと丸めていきます。

 

 

裾部分にドローコード2本を上手く使えばこの通り。非常にコンパクトに収納する事が可能です。雨が降るか分からないけど、山に入る時はハードシェルは必需品。トレランレースでも装備に加える事が必要な事も。そんな時にこの収納力と軽さ非常に有効的。とにかく軽くて、とにかくコンパクトになるハードシェルをお探しの方におススメです。

 

 

OMM Kamlite Smock

もちろん、軽さも欲しいけど着用した時の動きやすさも重要視したい。そんな我儘な要求に応えてくれるのがKamlite Smockです。一番の特徴は先にご紹介させて頂いたHaloの軽量生地とOMMのストレッチレインウェアKamreika Jacket に使用されている生地が両方使用されいるコト。

 

身頃のグレーの生地は軽量なHaloの生地、腕回りとフードの一部にはストレッチの効いたKamleikaの生地が使用されています。この構造により、軽量化を図りながらも着用中の動きにくさを極力減らしいるのです。

 

 

両腕をグイっと前に出してみてもストレスは無し。Kamleikaの生地はハードシェルと言うよりも「防水ソフトシェル」と表現した方がしっくりくるぐらいストレッチ性に富んでいます。フードの一部にもこの生地が配されているのでフード着用時の首回りの自由度も非常に高い仕上がりに。

 

 

フードのツバにはワイヤーフレームが入っているので、フード着用時の視界を広く取れるようになっています。このあたりは、お守りとして装備するだけでなく、積極的に使用するコトを想定しての作り込みと言えます。

 

 


【着用モデル  身長:約163cm  体重:約55kg  Size:S   Color:Black/Gray を着用】

いかにもOMMらしいデザインと特徴的な色使い。重量はSサイズで実測約161gとHaloシリーズと比べると増えてしまいますが、腕回りの優れた自由度を考慮すればこの程度の重量増はあまり気になりません。着用したまま長時間行動する事も想定するのであれば、確実にKamlite Smockに軍配が上がります。

 

 

収納サイズもよくあるガッチリ系のハードシェルと比較すれば十分にコンパクト。コンパクトに収納する際は、フードのワイヤーフレームの幅に合わせて丸めていくと簡単に纏める事が出来ます。

 

OMMよりHaloシリーズとKamlite Smockをご紹介させて頂きましたが、「軽さ」を重視するとどうしても犠牲になるのが「耐久性」です。一般的な山行での使用ではOMMのアイテムでも十分に対応出来ますが、アルパイン要素の入った山行となれば心配なところ。軽さを確保しつつも高い耐久性を持ったハードシェルは中々ありません。しかし、特殊な素材を使用する事で相反する二つの機能を持たせたウェアをノースフェイスが開発しております。

 

 

THE NORTH FACE Emergency Jacket

高強度で耐摩耗性に優れ、水面に浮くほどの軽さをもつダイニーマファブリックを使用したエマージェンシージャケット。ダイニーマは軽量にもかかわらず非常に強靭な ポリエチレン繊維で、重量ベースでの比較になりますが、鉄の15倍、アラミド繊維の40%以上の強さをもっている特殊な素材。その軽さと強靭さから防弾ベストにも使用される程なのです。

 

 

軽く強靭な生地の裏面に45,000mm/24hの高透湿性を持つePTFE膜を用いることで、突発的な雨天に対応する簡易的な防水透湿機能を持たせています。

 

 

急な天候の変化に対応する為にデザインされたウェアではあるのですが、プロテクション性能だけでなく快適性の事も考慮してベンチレーションも備えられています。

 

 


【着用モデル  身長:約163cm  体重:約55kg  Size:S  を着用】

生地にストレッチ性は無いのですが、元々クライミングでの使用を想定しているので立体裁断により動きやすさを確保しています。個人的なおススメが沢登り等の水に濡れるシーンでの使用。水場の遊びでは日陰に入るだけでも肌寒く感じてしまう事が多々あります。水に濡れながらも攀じ登るシーンが多々あるので、Emergency Jacketを装備に忍ばせておけば活躍してくれる事間違い無しです。ダイニーマ自体は疎水性を有しており水分を保持しないので、水に濡れた後の重量増が少ないのも特徴の一つ。

 

 

付属しているスタッフザックに収納すると、小さい折りたたみ傘程度のサイズになります。重量はSサイズで実測162g(スタッフザック込)となっており、ダイニーマを使用しているだけあって耐久性に対して重量はかなり軽量。お守りとして携帯しておけば、安心感がグッと増すアイテムと言えます。バリエーションルートに沢登り、クライミング等、様々な山遊びを楽しまれる方におススメです。

 

本日の投稿は松下がお届け致しました。

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