鈴鹿山脈も山の頂の方は白く染まっている日が多くなりました。この季節の遊びと言えば雪山登山やスキー、スノーボードがメインとなりますが、忘れてはいけないのがハンモックとネイチャーストーブを使った低山遊び。
低温化では嫌な虫の事も気にする事無く、ハンモックに腰掛けながらノンビリとネイチャーストーブで火遊びが楽しめます。普段よりも雪が少ないという事は、普段よりもハンモックで遊べるフィールドが広いという事。遊びの幅を持っていれば、どんな状況でも楽しむ事が出来るのです。
とは言え…雪山が恋しい気持ちに変わりは無く…。鈴鹿山脈でBCクロカンを楽しめるタイミングを待ち望んでいる今日この頃。
そして、今時期になるとベースレイヤーにお悩みの方に多くご来店頂きます。正直なところ、「これを着れば間違いない!」という万能ベースレイヤーは存在しないので、ご自身の体質や遊び方、好みに合わせた一着を選ぶのが重要になるところ。暑さ寒さの感じ方は人によって大きく異なりますし、発汗量も違います。故に、ベースレイヤー選びのコツの第一歩は自分を知る事から始まります。
今回のブログでは、色々な体質の方に合わせた形で今時期におススメのベースレイヤーをご紹介させて頂きます。
この記事の概略として
暑がりで発汗量も多い方におススメ
THE NORTH FACE Expedition Dry Dotシリーズ ■
【写真はExpedition Dry Dot Crew ■】
冬専用という訳では無く、春秋シーズンでも着用出来る化学繊維100%のベースレイヤー。元々、行動時間や運動量が多い遠征や、気温や天候変化が激しい高所での着用を想定しており、発汗時の汗処理機能を重視して開発されたアイテムです。
一番の特徴は、生地の構造。表生地と裏地の特性が異なるダブルフェイス構造になっており、肌面に撥水加工を施したドライ層を用い、表面は汗を素早く拡散し乾燥させる吸水層を用いています。
肌面(撥水側)に水滴を落とすと、写真のようにプルンと撥水するのですが、生地のドット状になっている部分が水分の橋渡し役を担っているので、そこへ水滴がハマると….
スッと表側へ水分が引き出されます。
後に残る水分は極わずかで、撥水生地が肌へ触れるので濡れ戻りも少なく汗冷えを感じにくくしてくれます。
そして、外側の生地を見てみると吸い上げた面積の倍以上に水分を拡散しています。こうする事で水分を含んだ繊維が空気と触れる面積が広がるのでより乾きやすくなるのです。
【着用モデル 身長:163cm 体重:54kg Size:S Color:DPを着用】
私もテストさせて頂いているのですが、汗処理能力は非常に高く、肌当たりも柔らかいので気心地も問題ありません。ダクダクに汗を掻いて水分が飽和状態になると、さすがに濡れ戻りを防ぐ事は難しくなりますが、内側が撥水加工されている事により肌への張り付き感が少なく、動きにくさや不快感も感じません。
スタンダードなクルータイプに加え、マメな体温調整をしたい方向けのハーフジップタイプ■や残雪期等に首回りの日焼けを防げるフーディタイプ■等もございます。寒い時期のランニングシーンにもおススメなシリーズのベースレイヤーですよ。
寒がりで発汗量の多い方におススメ
patagonia M’s Capline Thermal Hoody ■
過去のブログ■でもご紹介させて頂いている、patagoniaの人気化繊べースレイヤーキャプリーンシリーズのアイテム。「冬のベースレイヤー=肉厚系」というイメージをひっくり返した、スカスカ系ベースレイヤーの代表格です。
ポーラテック・パワー・グリッド素材を使用した生地は、写真の様なグリッド構造になっており、凸凹の凹の部分が空気の通り道となることで、無駄な熱を放出し速乾力もアップする仕組み。寒い時には上から風を止める衣服を羽織れば凸凹の中に空気の層を作り出し保温してくれるので、レイヤリングによって体温調整が非常にしやすくなっています。
【着用モデル 身長:163cm 体重:54kg Size:XS Color:BLKを着用】
【着用モデル 身長:163cm 体重:54kg Size:S Color:BLKを着用】
ベースレイヤーでありながらも、サイズ感によってはミドラーとしても使えるのがCapline Thermal Hoodyの良いトコロ。私の体格ではXSでジャスト(ベースレイヤーフィット)、Sサイズでゆるめ(ミドラーフィット)となりました。アウトドアフィールドだけでなく、普段も色々と着回したいという方はゆるっとフィットで選んで頂ければと思います。
フーディーの他にもキャプリーンサーマルシリーズは、クルータイプのメンズや■、レディース■、タイツ■も取り揃えていますので、気になる方はチェックしてみて下さい。
そして、同じくキャプリーンシリーズでもう少し薄手が欲しい方へおススメなのがコチラ
patagonia Cap MW Crew ■
【着用モデル 身長:163cm 体重:54kg Size:XS Color:SMDBを着用】
保温力に優れたサーマルシリーズに対してミッドウェイトシリーズは万能型のベースレイヤー。地方にもよるのですが、ここ東海エリアぐらいの気温の低山域であれば晩秋、冬、初春に適しており、アクティブインサレーション等を上手くレイヤリングすれば雪山でも十分対応してくれるタイプ。
ソフトで滑らかな表面はレイヤリングした衣服との摩擦を生みにくく、中空糸とダイアモンド型のグリッド・パターンを備えた裏面は保温性、吸湿発散性、速乾性のバランスが非常に良く、肌離れも良いので滝汗の時にも不快感を抑えてくれます。
こちらも、テクニカルなスタイル向けのハーフジップタイプ■とクルータイプ■、タイツ■の取り扱いがございます。真冬向けのベースレイヤーだと暑くなりそうだけど、さすがに夏用のだと寒そうだな…という迷ってしまうような気温の時にはキャプリーンミッドウェイトが活躍してくれます!
寒いのは苦手で発汗量は人並みぐらいという方におススメ
Teton Bros. MOB Wool L/S ■
商品名のMOBは「Masters of BISHU」の略であり、世界的に有名なウール生地の名産地、日本の尾州地域(愛知県一宮市~岐阜県羽島市エリア)の名を冠しているベースレイヤー。素材に使用されているのはメリノウール89%とポリプロピレン11%で、メリノウールの持つ機能性は多くの方がご存知だとは思いますが、優れた抗菌防臭機能や汗冷えの感じにくさ、汗が乾いた後のベタつきの少なさがあります。そして、ポリプロピレンの特徴は水分を含まない疎水性。この二つ異なる機能を上手く併せ持たせたのがMOBシリーズなのです。
こちらは、生地の肌面の写真。黒い糸がポリプロピレンで肌面へ使用されています。そしてグレーの糸がメリノウールで表側に多く使用されており、この二つの糸で編み上げられているのがMOBシリーズの形なのです。
【着用モデル 身長:163cm 体重:54kg Size:S Color:Gray Heather を着用】
では、この生地の機能性はどんなものなのか。凄く簡単に言うとドライレイヤーとメリノウールのベースレイヤーを重ね着した状態を一枚で済ませる事が出来るんです。今まで二枚だったのが一枚で済む、しかも生地は編み物。編んであるが故に通気性が非常に良く、また空気も溜めこみやすい性質を持っています。つまりは、レイヤリングによって体温調整が非常にしやすいベースレイヤーであるということ。ただ、メリノウールが主となっている為、暑がり汗っかきの方だと状況によっては汗がオーバーフローしてしまうかもしれません。そこは、生地の特性をしっかり理解したうえでお選びください。尚、お洗濯すると少し縮みが生じるので着丈や袖丈は長めに作られています。
そしてMOBシリーズにもフーディータイプ■やタイツ■もございますので、ガッツリ雪山で遊ばれる方はチェックしてみてください!
ちなみに、写真撮影等で寒い中じっとしているので、とにかく暖かいベースレイヤーが欲しい!という方にはコチラ■がおススメですよ。
本日のブログは松下がお届けいたしました。