今季おススメのインサレーションウェア ~携行性重視編~

一気に真冬へ突入したかのような寒さ。本日の三重県四日市は強風も後押しして一段と寒く感じます。ここまで気温が下がると低山でも保温着(インサレーションウェア)が必須。今回のブログでは今季おススメのインサレーションウェアの中でも薄手で携行性に優れた物をご紹介させて頂きます。

携行性重視のインサレーションウェアの特徴として、封入されている中綿(ダウン又は化学繊維)の量が非常に多いわけではなく、その分コンパクトに収納出来ます。これからご紹介させて頂くモデルもそれぞれポケッタブル仕様になっていたり、付属のスタッフパックに収納出来たりと携帯する事を前提に作られているものばかり。ただ、インサレーションウェアの持ち歩き方の一つして、あえてポケッタブルやスタッフパックに入れずにパック内の隙間に直接ギュギュっと押し込んであげる方法もあります。そうする事で、パックの隙間が埋まり荷物のズレ等も改善され、パック自体が格好良く見えるんです。この方法はハイボリュームのインサレーションでは中々出来ない、携行性重視モデルの特徴の一つと言えます。

また、夏山等のグリーンシーズンでも使用出来る物が多いのも特徴で、一着のインサレーションで幅広いシーズンでバランスよく使いたい。そんな方におススメのアイテム達です。

 

patagonia  Nano Puff Jkt 

 

2010年の登場以来、非常に多くの方に愛されてきた化繊綿ジャケットのナノパフジャケット。その人気の理由の一つは、着用シーンの多さ。化繊綿でありながらも重量は約340g程度と軽量なので登山等のアウトドアアクティビティーは勿論のこと、日常で着用しても服の重みを感じることなく快適に過ごせます。

 

中綿に使用されているのは「プリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコ」で湿気をおびてもロフトが潰れにくく、保温力を維持してくれるのが最大の特徴。そして、素材名に「エコ」と入っているだけあって、リサイクルポリエステル素材になります。自然の中で遊ぶ為の衣服であるならば、自然の事を考えるのは当たり前。プリマロフトを開発した米国のあるアルバニー社もそこはしっかりと考えてくれており、プリマロフトにリサイクル素材を用いることで、少なくとも2020年時点で6億9200万ものペットボトルをリサイクル繊維として使用しています。

 


【着用モデル  身長:163cm  体重:54kg  Size:S  Color:SKA を着用】

リサイクル素材で作られた中綿を包み込んでいる表地と裏地は、これもまたリサイクル100%のシェル素材。フッ素を使用しないPFCフリーのDWR加工も施されているので、雪や小雨もしっかりと弾いてくれます。

個人的には、洗濯や取り扱いに気を使わなくて良いのが一番の魅力。普段からガシガシ着倒したい方におススメなアイテムです。

 

patagonia DAS Light Hoody

超軽量なビレイ用フーディ であるダスライトパーカー。先にご紹介しましたナノパフジャケット同様に化学繊維の中綿素材を使用しているのですが、その素材が異なります。ナノパフに使用されていたのはプリマロフト素材ですが、ダスライトに使用されているのはプルマフィルという化学繊維素材です。

 

プルマフィルは写真の様な形状をしており、見た目だけでなくその機能性もダウンに似ており、軽量で優れた保温性を備えています。そしてウェアの使用可能期限における酷使を想定するパタゴニアの洗浄テスト「キラーウォッシュ」では、プルマフィルはロフトの損失がほぼ皆無であるという驚きの結果も叩き出したのです。

 

この軽量な化繊中綿素材をジャケットの中に封入すれば、理想的なウェアの完成….と簡単にはいかないのです。インサレーションの撚糸1本1本を固定し、中綿の方よりを防ぎつつも、インサレーションの使用量を最小限に抑える。さらに、その重量に対して最高の保温性を維持し、極限までコールドスポットの発生を抑える構造も考える…という頭が痛くなるような複雑な工程に1年を費やし、編み出されたのがこの特徴的なキルティングパターンなのです。さらに表地にはパーテックス・クアンタム・プロ・リップストップ・ナイロンが使用されており、軽さに対しての引き裂き強度は折紙付き。そこへウレタンコーテイングを施す事で耐水性も上げています。

 


【着用モデル  身長:163cm  体重:54kg  Size:S  Color:WAX を着用】

着用した際にまず感じるのは、見た目のボリュームの割に非常に軽いということ。表側にもしっかりと生地が張られていながら約320gという驚きの重量で手に取った瞬間から見た目と重量のギャップにやられます。

 

もともとビレイヤーパーカーなのでジッパーはダブルファスナー仕様。フードもヘルメット対応でハードシェルの上からガバっと着る事ができます。私の体格でハードシェルの上から着る想定でSサイズ。普通に着用するのであればXSサイズが妥当なサイズ感です。

ボリュームの割に軽いのでBCスキーやスノーボード等のバックアップにもおススメな一着です。

 

 

patagonia Down Sweater

過去のブログ(コチラ■)でもご紹介させて頂いているALLIDE DOWNを使用したダウンジャケット。中綿のダウンは800フィルパワーのボリュームがあるので、少ない綿量でもしっかりと膨らみをキープしてくれます。生地素材は、漁網をリサイクルしたナイロン素材が使用されているのですが、リサイクル素材とは思えない程に滑らかでシルキーな肌当たり。

 

ジャケットの内側に記された「WEAR IT , REPAIR IT , HAND IT ALONG !」の文字。一つのウェアに愛着を持って永く着て欲しいというpatagoniaの想いが刻まれています。また、セルフリペアアイテムとして、サーモンシルエットと丸形のリペアパッチが付属しています。不注意で生地に穴を開けてしまった際、パッチで応急処置をして下さい。冬のシーズンオフの季節になったらpatagoniaへ修理に出しましょう。きっと良い感じに直してくれますよ。

 


【着用モデル  身長:163cm  体重:54kg  Size:S  Color:BLK を着用】

私の体格ではSサイズで少しゆったりめに見えます。と言うのも、800FPの羽毛の膨らみでジャケットの形がしっかり出るから。ジャストで着るならXSサイズで、普段着等で下にトレーナーやパーカー等の肉厚は服を挟むならSサイズと言ったところ。サイズに迷われた際は、山でのレイヤリングは勿論の事、街着で着る時のシチュエーションも想定して選んであげて下さい。

ちなみに、個人的に服選びで大切にしているのがサイズ感だけなく気心地。同じブランドでもモデルによって微妙に異なりますし、ブランドが変われば身幅や袖丈等も異なります。そういった細かい部分のデティールも重要視して、お気に入りの一着をいつも探しています。ちなみにDown Sweaterは袖通し抜群、肌当たりgoodという中々の気心地の良さですよ。

 

 

THE NORTH FACE  Aglow DW Light Jacket 

ハードシェルの上からガバっと着る事も、ハードシェルの内側に着ることも、両方の使い方が出来る化繊綿ジャケット。まず特徴となるのが、中綿素材。プリマロフトゴールドインサレーションクロスコアが使用されており、この素材にはエアロゲルが用いられています。

エアロゲルとは宇宙服にも用いられている優れた断熱性を備えた素材。どれ程の断熱性を備えているかは、下の動画をご覧頂ければ一目瞭然です。

 

これほどの優れた断熱性を備えた中綿を使用していながらも、Aglow DW Light Jacketは表地と裏地にも拘りが詰まっています。

 

表裏、両面にゴアウィンドストッパーを用いる事で優れた防風性を備えると共に「着て直ぐに温かい」と感じられる作りになっています。また、完全防水では無いにしても、湿雪等のシチュエーションでもさほど気にする必要はありません。

 

両面ゴアを使用していると収納時に空気が抜けづらそうですが、フードの内側に小さく一部メッシュを用いているので、ここへ向かって服を丸めていけば大した抵抗もなくコンパクトに纏められます。

 


【着用モデル  身長:163cm  体重:54kg  Size:S  Color:CS を着用】

両面にゴアを用いたインサレーションとなると、中々の際物ですが個人的には防水通気系のハードシェルと相性が良いと思っています。最近は雪山でも防水通気系のハードシェルを着用する方が増えているのですが、強風に吹かれたりした時に若干寒く感じる…という声も頂きます。私自身も愛用しており、その優れた透湿性の恩恵を感じる一方で、高通気であるが故の不安感がある事も事実なのです。やはり、もしもの時に頼りになるのはゴアテックスのプロテクション。その不安感を拭ってくれるのが、このウェアなのです。雪山での停滞時にはハードシェルの上からガバっと着れば両面ゴア×エアロゲルの断熱性でしっかりと体温を守れますし、裏地もゴアなのでハードシェルに雪が付着していても気にする事無く着る事ができます。

元々は、ガッツリ雪山用のアイテムではありますがULスタイルで冬山を遊んでいる方のお守り代わりにもおススメな一着ですよ。

 

今回のブログも中々の長文となってしまい申し訳ありません。まだまだ紹介したい商品が山ほどございますので、年内もう少しお付き合い願います!

本日のブログは松下がお届けいたし

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