ここ数週は天候が不安定で、せっかく立てた山の予定が崩れてしまったという声も耳にします。
しかし、そんな雨の日でも、頼りになるお気に入りのレインウェアがあれば、山を楽しむ気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
今のシーズン、どんなレインウェアを選べばいいのか悩んだり、長期の山に向けて買い替えを検討している方が増えています。難しいのが、どの様な基準を持って選べば良いのかというところです。
一言で「山の服」と言ってもファッション要素を重視して着用出来る物もあれば、レインウェアの様に機能面を重視しなければいけない物もあります。その機能も用途に見合ったものを選ぶ必要があるのではないでしょうか。
この記事の概略として
patagoniaの山岳用軽量レインウェア storm10 jacket
当店では様々なメーカー、モデルの軽量レインウェアを扱っています。
それらの中から用途に合うものを選ぶ際、重量がいったい何グラムで、耐水圧はどれくらいなのかを基準に選んでいただくこともあるのではないでしょうか。
特に、数値上のスペックでとにかく軽いレインウェアは、トレイルランニング用に開発されているものもあります。そういったモデルは、細身のシルエットになっており、腕を大きく振る際に、バタついたりして動きを妨げないような作りになっています。
ただ、登山で積極的に使うなら、レイヤリングの為にゆったりとしたフィット感が必要になってきます。そのため、このモデルは登山で使いやすいように、身幅の余裕をもってデザインされています。
袖も極端に細身でなく、すこしゆとりがある方が腕を捲ったり、脱ぎ着の際など便利なシーンも多いのではないでしょうか。
ヘルメットの上からフードを被ることは難しいですが、フードのフィット感には余裕があるため快適かつスピーディーな体温調節、換気が行えます。もちろん、フードを調節すればバタつきを抑えることができます。
逆に、フィット感が高いためフードを被ったその上からヘルメットを被ってしまっても、ゴワゴワしにくくなっています。
カタログスペックももちろん大切ですが、実際にフィールドで使うシーンをイメージしたうえで、用途にあった使いやすいモデルを選んでいただくことも重要だと思います。
春先から秋のシーズンまでの特に登山で使いやすく、その上で軽量なレインウェアをお探しならこのモデルがおすすめできます。
はじめてのレインウェアとして、二着目のレインウェアとして
(patagoniaの独自の防水透湿素材である「H2NO」を使用しています。)
定番アイテムと比較して
左:「torrentshell jacket」、右:「storm10 jacket」
画像左側にある、定番モデルであるpatagonia「torrentshell jacket」も、使いやすいレインウェアとしてご紹介することの多いアイテムです。
重量は約390gと、特に軽さに秀でているわけではありませんが、頑丈でガシガシ使っても平気なモデルです。
トレントシェルのレインウェアを既にお持ちの方には、画像右側の約230gと軽量な「storm10 jacket」をおすすめできる理由があります。
軽さだけでなく、動きやすさ、汗をかいてもべたつきにくい生地の肌触りなど、レインウェアとしての使い勝手の良さがバランスよくまとまっています。そのため、初めて登山で使うレインウェアをお探しの方に、一枚目としてお勧めすることもあります。
初めてのレインウェアでも、軽さや収納力が備わっていて、軽さに振り切ったレインウェアにはない安心感も欲しい、といった方にはぴったりかも知れません。
「軽さと、ギミック。欲張りなレインウェア。」 THE NORTH FACE Panmah Jacket ■
こちらでご紹介している、対抗馬になるようなモデルも是非チェックしていただければと思います。
また、この2つのようなタイプ違いのレインウェアを使い分けるのも非常におすすめです。シーズン、天候、行動計画によって使い分けができます。2着でローテーションすれば、どちらのレインウェアも長持ちさせることにもつながります。
軽量コンパクトなレインウェアをどう使うか
生地がしっかりして頑丈なレインウェアは、細かい事を気にせずにガシガシ使ってもへこたれないタフさがあります。
一方で、生地が厚くなれば重量も増し、収納サイズが大きくなります。そのため、ザックの外側にあるポケットに収まらないこともあります。ザックの一番大きいメイン収納から、レインウェアを脱ぎ着の度に出し入れすることになります。
ザックのメインの収納は、雨蓋式、ロールトップ式にしても外側のポケットよりもアクセスするのに時間がかかってしまいます。
そのため、レインウェアの脱ぎ着が少なければ大きな問題にはなりませんが、行動時間が長い場合や、天気がコロコロ変わって体温調節の為の脱ぎ着が増えれば、ちょっとの手間が積み重なって大きなタイムロスに繋がります。
storm10のようなモデルは、ザックのサイドポケットにそのまま収納できるような軽量コンパクトさがあります。
一つ上の画像のようなサイズに収まるので、サイドポケットの様な直ぐ手の届くトコロに入れておけば、天候や気温にあわせた脱ぎ着から収納までの流れががスピーディーに行えるため、行動中にレインウェアの着脱にとられる時間を短縮できます。
袖口、ポケットも使いやすく
袖口はベルクロでしっかりとフィットを調節できる仕組みです。ほどよいアームの太さがあるため、脱ぎ着の際に手を通すのが楽なのもポイントです。
中にあまり着こむことのないトレイルランニング用のレインウェアと違って、フリースや薄手のダウンなどのインサレーションを着こむことも想定しています。このモデルならレイヤリングをした時でも袖に手を通しやすくなります。
ポケットはジャケット前面に三つ備わっています。これもレインウェアとして使いやすいポイントです。
もし仮に、雨が降った際にポケットの備わっていないレインパンツを履き、ジャケットにポケットが少ない場合、
行動中に使うちょっとした小物をしまう場所に困ることもあります。
また、昼食などの停滞時に、レインウェアを羽織ることも多いと思います。そのシーンで使う、クッカーなどのスタッフサックを、ちょっとの間入れておけるのも便利なポケットの使い方です。
ほんの少しずづでも荷物を軽くすれば、体力に余裕が出来て山で遊ぶことがより一層楽しくなります。
軽さに加えて、使い勝手のいいポイントだけは抑えれば、より快適にアウトドアで過ごす時間を満喫できるのではないでしょうか。
投稿者:井戸田