この記事の概略として
milestone(マイルストーン)とは?
皆さんは、日本生まれのアウトドア用ヘッドランプメーカーのmilestone(マイルストーン)というブランドはご存知でしょうか。
100年以上に渡り「灯り」を扱ってきた冨士灯器株式会社。言うなれば「灯りマスター」とも言える歴史ある会社から2014年に誕生したのがマイルストーンというブランド。今ではヘッドランプ以外にキャップやランニングパンツや速乾Tシャツやソックスまで。そして、近日中に発売されるウィンドシェルをも手掛ける、ヘッドランプとアウトドアウェアーを中心とした日本のアウトドアブランド。
その中でも核となるヘッドランプは、発売当時から電球色の温かみのあるLEDライトを使いつつ、シンプルな操作でファンを着実に増やしてきた。
僕の記憶では、MS-G1(現在moderate完売中)やMS-G2(■)、そして、MS-F1(トレイルマスター)(■)の登場で、瞬く間に日本のアウトドアヘッドラップ市場の中心ブランドになったと思っている。
特にMS-G2は、内蔵バッテリーを採用し約28gという驚異的な軽さとコンパクト性を実現しつつも、マイルストーンの特徴でもある「電球色(暖色)」と「白色」、そしてその2つを同時に点灯する「ミックス色」、更には「赤色+赤色点滅」の4つのライトパターンをシンプルな操作性でモードチェンジが行える事で、ヘッドランプ初心者でも感覚ベースで使用が出来る優れもの。更には、最大400ルーメンという明るさを実現した事で照度に対する安心感、そして、照射角度120度というワイド照射という事もあり、ハイカーやキャンパー、ランナーの夜間トレーニング等幅広い層から支持を受け、moderateでもベストセラーとなったアイテム。
個人的にも、このMS-G2には本当にお世話になっている。特に、電球色は山の暗闇の中を歩く時やテン場では、その電球色がもたらす温かい灯りが本当に気持ち的に落ち着く事が出来、濃霧の時には、その電球色のお陰でライトの光が白飛しづらい分、視界が確保しやすいのがお気に入りのポイント。(ティップスとして、本当に霧が濃い時は、MS-G2も頭に付けるよりも、手などに持ち、下から照らす事で更に見やすくなります。)
これ、実はハイカーにとっても良いじゃないの!?milestone MS-i1
少し前談が長くなったが、そんなマイルストーンが新作として満を持してリリースしてきたのが、今回ご紹介する「MS-i1 (エムエス-アイ・ワン)エンデュランス(■)」
メーカーの商品ページにも記載されているように、その特徴は、「超軽量でハイパワー」であるという事。更には、モバイルバッテリーとして使える専用充電池で駆動するという点。
因みに、商品名の一部に「エンデュランス」と記載されているように、トレイルラニング等をはじめとした長時間行動の時に使いやすい製品として位置づけられており、実際に発売と共に多くのトレイルランナーにお買い上げを頂き高評価を頂いる。
ただ、これが個人的にはランナーだけには少し勿体ないという事で、製品の特徴と共にハイカーとしてもセレクトする意味がある事を少しお話出来ればと思う。
(8月に雷雨の中、MS-i1 (■)を使って京都の夜の山を走った時の様子)
ULTRA HIGHモード( 1,000ルーメン)で7.5時間
もう、このフレーズだけ聞けば驚異的な数字だと思います。因みに、MS-i1の各モードでの照度と電池(MS-LB3)寿命を記載しておきます。
LOWモード / 約65ルーメン / 約53時間
MIDモード / 約260ルーメン / 約11時間
HIGHモード / 約480ルーメン / 約8時間
ULTRA HIGHモード / 約1,000ルーメン / 約7.5時間
僕が昔にハセツネを走った時(確か2013年ぐらいかな?)は、BD社のicon等が出始めた時ぐらいで、その当時は200ルーメンあれば「夜のトレイルを走れる」と言われていたのに、それの5倍の明るさ!それが、7.5時間!!!
「ヤバ!!」
でも、この1,000ルーメン7.5時間には、少しだけ秘密があります。(これは、メーカーサイトでも公表されている内容です)
実は、ウルトラハイモードの1,000ルーメンに限らず、他のモードでもそのモードで照射してから「約2分後に徐々に照度が落ちていきます。」
そして、気がついたときには約20%程の明るさ(※モードによっても多少異なります)になっています。なので、ウルトラハイモードで1,000ルーメン照射していると、気がついたら約200ルーメン程になっています。
(ウルトラハイモード)
一見すると、「1,000ルーメンで7.5時間照射しっぱなしじゃないの?」「それってズルじゃん!」と、思われるかもしれませんが、コレが本当に気が付かないうちに照度が落ちており、自然とその落ちていく照度に目が慣れていきます。(※1)
逆を言うなれば、明るい部屋で急に消灯すると最初はその暗闇の中で全く何も見えない時間があると思いますが、しばらくすると、暗闇に目が慣れてある程度見えるようになっている。まさに、それの逆転の発想に近いかも。
(※1)部屋などで注視しながら照度を見ていると、落ちていくことは割りと気が付きますが、フィールドで行動中は注視している時ほど気が付きにくく、「あれ?!」と思う瞬間までは割りと気づかないと思います。その「あれ?!」を感じた時は、ボタンをクリックしていけば、また好みの明るさに再設定出来る。
このような、目の慣れと緩やかな照度コントロールを上手く使う事で、即座に必要な時に必要な照度で暗闇を照らし、穏やかに照度を落としながらバッテリーを駆動時間を伸ばす。これはマイルストーンだけがやっている手法(ズルじゃないよ!)だけではなく、正直、他ブランドでも用いられている手法。
照度コントロールをしながらバッテリー寿命を伸ばすこと(カタログ数値を実現する事)は、色々なメーカーが色々な方法でやっており、場合によっては、その設定等を専用アプリなどを使って難しい設定をし、結果フィールドで上手く機能せずにイライラや戸惑うよりも、シンプルにボタン一つで必要な時に必要な明るさを手に入れられる事は、今現在自分が使った感想としてはアリな機能(設定)だと思っている。
(約2分後のウルトラハイモード)
ヘッドランプは電池スタイルはどのタイプが良いの?
ヘッドランプを選ぶ際のポイントとして、乾電池式なのか、内蔵バッテリータイプなのか、専用受電地式なのか、専用充電池式+乾電池のハイブリット式なのかと、選択肢が沢山あり悩む方も多いと思う。
ここで、夫々のメリット・デメリットを簡単に書き出します。
《乾電池式》
メリット
→ 電池サイズによってはコンパクトタイプもある
→ 電池が入手しやすい
→ 電池が切れても電池を換えれば直ぐに点灯する
デメリット
→ 電池サイズによっては大きくなるし、小型サイズは電池の持ちが悪いのも
→ 使用頻度によってはラニングコストが高い
→ 使い捨て電池の場合は、常にフルバッテリーの状態で傾向しにくい。
→ モデルによって、ヘッドランプの本体部分に電池ある為が荷重バランスが悪くなる事も。
《内蔵バッテリー式》
メリット
→ コンパクトなタイプが多い
→ 軽量モデルが多い
→ 電源があれば常に事前にフル充電にする事が出来る
→ 使用頻度によってはランニングコストが良い
デメリット
→ フィールドで充電が切れた場合、復旧の為にモバイルバッテリーが必要
→ 復旧充電に時間を要する
《専用充電地式》
メリット
→ デザインによっては、ライト部分とバッテリー部分を離す事が出来る為、着用時のバランスが良い
→ 小型バッテリーで高照度や長時間照射出来る
→ 専用バッテリーが複数個あれば電池が切れた際でも使用可能
デメリット
→ 専用バッテリーを買う・傾向する必要がる
→ 専用バッテリーの汎用性が低い
《専用充電池式+乾電池のハイブリット》
メリット
→ 専用充電池が切れても乾電池で使用可能
デメリット
→ 乾電池での使用になりがち
(※)上記に上げたメリット・デメリットはごく一部であり、これらは表裏一体の部分でもあり、また、使用目的や価格等によっては、これらが当てはまらない事もあります。
上に書き出した、大まかメリット・デメリットを見た場合、「専用充電池式」は、一見するとメリットが少ないように感じるかもしれません。ただし、デメリットに上げた「専用バッテリーの汎用性が低い」。この部分が改善されば話は別。
MS-i1で採用している専用充電池(MS-LB3)は、モバイルバッテリーとしても使用が可能!
一般的なモバイルバッテリー程の高機能では無いものの、サイズ感からすれば十分に使えるアイテム。
要するにココがポイントで、ハイカーがMS-i1(■)のヘッドランプを持つ事は、同時にモバイルバッテリーも傾向しているという事。更に、MS-LB3(■)を本体分とは別に予備バッテリーとしてプラス持つことで、ヘッドランプが切れた際にも予備バッテリーとしては勿論の事あがら、コンパクトサイズなモバイルバッテリーを持つ事なる。
(付属の専用USB Cのケーブルをしっかりハメ込み、充電中は小さなLEDが赤色に光ります。)
価格と照度とモバイルバッテリー
ここで価格の話になります。
単純に、ヘッドランプで10,890円は少し高く感じる方も多いと思います。
ただ、照度と電池寿命を考えれば、かなりお手頃だと思います。プラス、MS-i1を1つ買うことで最初からMS-LB3充電池、ある意味小型のモバイルバッテリーが付いてくるとお得感が出てきます。
MS-i1の価格10,890円
①個人的にも大好きなヘッドランプ、MS-G2の価格が5,830円。
②MS-LB3の単体価格が4,180円
①+②=10,010円
MS-i1との差はたった880円
この880円は、先にも書いた照度と電池寿命とバッテリーの汎用性の高さで考えれば十分に補える金額。
重量で考えれば、MS-G2があまりにも驚異的な軽さ(約28g)の為、軍配は大きくMS-G2に上がりますが、MS-i1もストラップを外して、クリップでの使用に変えると約140gという重量。この約140gの中には約60gのMS-LB3が含まれており、約5gの専用USBケーブルを使うことでモバイルバッテリーとしても使用可能と考えると、約150g相当でヘッドランプとモバイルバッテリーを持っているというイメージ。
これはあくまでも、モバイルバッテリーはそれらを専門にしたバッテリーに比べれば性能として多少劣ってしまうが、そのスペックを理解し汎用性を考えると、割りとアリだと僕は思っています。
・超軽量でハイパワー
・シンプルな操作性で直感的に使える。
・白色LED+電球色LEDのミックスで、ガス(濃霧)の時でも白色LEDに比べて良好な視界
・汎用性のある専用充電池は、モバイルバッテリーとしても使用可能。
ほら、こう考えるとハイカーの方にとっても十分魅力に感じられると思います。
是非、秋の参考や災害時用もふくめ、実用性と汎用性の高いMS-i1をご検討してみては如何でしょうか。
投稿者:飯田
因みに・・・・
MS-F1に使用されているストラップの山のシルエット。
これ、UTMFのコースだと思うんですよね・・・。
いや絶対にそうだと思います!!
こんな、小ネタをさり気なく入れてくるmilestoneが粋すぎます!