時々、「飯田さんって走れるの?」って言われたりする事がある。(笑)
確かに、走っているイメージってあまり無いのかもしれない・・・。
この一言って物凄く解釈が難しいと僕は思っていて、「走れるかどうかは分からないけど、ビールを美味しく飲む為に走っている」と答えるようにしている。
「走れるの?」本当に難し質問だし僕はあまり言いたくないワードかもしれない。
何故なら、僕の周りやお客様は、本当に凄い人が多いから尺度が一般的でなく、よって「走れる」の定義が明確化されておらず非常にグレーだと思っているから。
ロードもトレイルも全く走らない方からすれば、5キロでも10キロでも完走出来れば、それは「走れる」に価するし、ウルトラ(100キロ)や100マイルを完走しているような方からすれば、もしかしたら、50キロ程度では「走れる」に値しないかもしれないし、人によってはスピードも重要になってくるのかもしれない。
だから、僕は、その尺度は人それぞれで良いと思っている。
先日3キロを完走出来た人も、常に月間何百キロ走っている人も、キロ7分で走る人もフルマラソンをサブ3する人も、楽しく走れているのであれば、僕は「走れる」って言って良いと思う。兎に角、一番ダメなのは、自分価値観や尺度でマウントを取ったりする事。
理由はなんでも良い。
楽しいや頑張りたい。ビールの為でも食べ過ぎた自分の為でも、コンディショニングや瞑想の為、ちょっと早く朝起きれたからでも、夕方の気持ち良い時間にリフレッシュしたかったからでも良いし、目標とする大会に向けてでもなんでも良い。兎に角、身体が地面から一瞬でも離れて前に進めて楽しければそれで良いし、それで「走れる」って言って良いと思う。
なんとなく、皆さんも自分なりの「走る事」を楽しんでみませんか?
この記事の概略として
「本当に多くの人に使ってもらいやすい!」INOV8 PARKCLAW G 280(パーククロウ)
前作から気になっていたPARKCLAW が、この春夏にアップデートされて更に気になる存在になっていたのですが、気がつけば自分のサイズが完売し買うタイミングを逃してしまっていた。ただ、8月に入り秋冬モデルの入荷が始まり、このタイミングでマイ・サイズが復活したので、先日念願のPARKCLAW デビューしました。
でも、正直言うとギリギリまで買うか悩みました。
悩んだ理由は以下の3つ
- 中厚底?のスタックハイト(前足部12mm/踵部20mm)
- 8mmというドロップ
- 全体的に肉厚感のあるアッパー
この3つの理由は、おそらく一般的に気にする点では無いと思いますが、個人的に好んで履いているシューズが、ALTRAのSUPERIOR(■)やARC’TERYXのNorvan SL 2(■)のように、薄いソールかつドロップが無い(少ない)モデルを長年使っており、PARKCLAW はその好みには全く当てはまらず、ある意味、久々のスタンダードなシューズに対して少し不安であったと言うのが本音。
で、結果どうだったか?
まだ、トレイルでの使用は京都の山を中心にTOTAL約80キロ程しか使っていませんが、不安としていた要素は全く問題ナシ!むしろ、こういうシューズって「本当に多くの人に使ってもらいやすい!」と改めて感じましたので、不安だった部分にフォーカスして、改めてINOV8 PARKCLAW G 280(パーククロウ)をご紹介させて頂きます。
尚、商品の特徴について、過去のブログ(■)をご確認頂くと、今回のブログもより一層イメージしやすくなるのではと思います。
※今回のブログは、かなり個人的な主観が強い事を予めご了承下さい!
中厚底(ミドル・クッション)のスタックハイト
中厚底(ミドル・クッション)という表現を自分でも初めてしており、かなりオリジナルの言い方な感じもしますが、正しく言えば一般的な厚みのミッドソールをもったシューズとご理解頂ければ良いと思います。
そもそも、厚底(ハイ・クッション)と言われる定義も様々ですし、ミニマルやロークションもそれと同じ。夫々、明確化はされていないのですが、なんとなく、皆さんの中でコレはハイクッション、コレはロークションとジャンルを分ける感覚ってありますよね。PARKCLAWは、前足部分のソール厚が約12mm、踵部のソール厚が約20mmとなっていますので、その感覚で言えば、ハイクッション程のクッション高はないけど、間違いなくロークションでもないから、中厚底(ミドル・クッション)という位置づけ。
前述の通り、薄めソールのシューズを好む僕にとって、この中厚底は少し抵抗はあったものの、実際に履いて走ると程よい硬さをもったミッドソールが想像以上に的確に地面を捉えられるし、足裏からもしっかりとサーフェスの感覚が伝わってくるので、このクション高は感覚面で問題ナシ!
むしろ、林道のような硬めのサーフェスが多いトレイルや、ロード区間もあるようなコースでは、適度に足をケアしてくれている感があり、非常に使いやすい印象。
8mmドロップというアクセル
ALTRAを中心に前足部と踵部分のクッション高低差がゼロの、ゼロドロップやバランスド・クッションと言われるシューズに履き慣れると、ドロップ差が8mmもあるシューズを履くと違和感満点。
この違和感がある事でドロップ差があるシューズを、ついつい敬遠している方もいらっしゃると思います。
確かに、シューズを履いて直立しただけでなんとなくヒールアップな感じに不安も感じるし、その状態で走り出せば、いつも同じ位置に足を着こうとすると、これまた違和感がある。
ただし、そのドロップ差を理解した上で、いつも通りに足を接地させる為に、身体の傾きやストライドや着地位置を考えて走る。個人的な意見だと、身体の傾きがポイントになると思っていて、ドロップに対して身体が垂直になる意識で少し前傾をしてあげると、接地もしやすくなり、更に推進力が生まるように感じられる。
個人的な考えだが、走るうえで身体の前方向への傾きは車でいうアクセルの役割の一つだと思っている。イメージしやすい例えをすれば、ダッシュで走るときは身体を思いっきり前に倒し込むし、軽いジョグなら身体を立てるあの感覚がアクセル的な意味になる。
8mmドロップは、まさに、そのアクセルをナチュラルに入れてくれる。
おそらく、走る事、特に接地やフォームに関しては、このイメージが出来上がるまでに、ALTRA等のドロップがゼロというシューズを履いて、意識してきた事のタマモノなのだと思っている。
INOV8 PARKCLAW G 280を履きながら、そのアクセルとなる8mmドロップを意識しながらランニングをコントロールする。
特に、少し疲れてきた時ほど、ドロップの角度から身体が伸びるように意識して身体を少し前に倒してあげるだけで、足運びが出来ているように感じる。まさに、8mmのアクセルだ!
全体的に肉厚感のあるアッパー
ARC’TERYXのNorvan SL 2(■)等に比べれば、しっかりとした肉厚をもったアッパーとなるPARKCLAW G 280。特に、タンの部分は厚みのあるタンを採用しており、ペラペラのタンに慣れた足は、履いたと時のフィット感に違和感を感じた。
ただ、実際に走ってみると肉厚のアッパーは、しっかりとしたホールド力を生むため、不整地でもしっかりとサイドステップが踏みやすいと感じた。
また、つま先の部分もしっかりと保護がされるような作りになっているので、岩等で不意につま先を当ててしまっても、痛みを和らげてくれる感じとなっている。
安心のソール素材とグリップ力
元々グリップ力の評判が高いINOV8。そこに、いろいろな地形にも対応しやすい、4mmの深さを持った細かめのパターンのラグが採用されている。
正直、しっかりと噛みます。少しヌメリ感のある石は流石に厳しいですが、平均的にしっかりと噛む印象は流石です。
ここからは個人的な感想になりますが、グラフェンが採用されたソールは、新品の状態からしばらくの間は、サーフェスの状況によっては少し滑るような感覚があります。コレは本当に僕の主観ですが、おそらく、ソールのラバーが新しいうちは、なんか少し膜のような感じがあるようなイメージ。ただし、ある程度走っているうちに、めちゃくちゃ調子が上がります。イメージで言えば、その薄皮が剥がれたような。
本当に昔に、ほんの少しだけBMXを噛じっていた事があります。その時に教えられたのが、「新品のタイヤは薄皮が剥がれるまでは少し滑るよ」と。なんとなくなんですが、グラフェンはそんな感じに似ています。
なので、もしかすると、トレイルでいきなり投入するよりも、本当に少しでも良いのでロードを走っておくとより良いかもしれませんね。
グラフェンの凄さを体感出来るのはこれから!!
鉄の200倍の強度がありながら曲げ伸ばし・折り畳みが可能かつ原子一層分の薄さと軽量性をもつグラフェン 。
めちゃくちゃ簡単に言えば、「軽くて強い」。
よく、このお話を店頭ですると、「軽くて強い」って結果的に何に対して良いの?と、尋ねられます。
一番は耐久性です。
車のタイヤと同じで、グリップ力を上げる為に柔らかいコンパウンドを使ったタイヤを使えば、結果、狙い通りにグリップ力は得られるものの、そのトレードオフに耐久性が落ちる。簡単に言えば、すり減りが早いからグリップする状態。
逆に、耐久性を高めるために擦り減りにくいコンパウンドを使えば、グリップ力は落ちるし、場合によっては重たくなる。
グラフェンは、耐久性が非常に高いにも関わらず兎に角軽い。そして、しっかいとしたグリップ力も兼ね備えている。
更に、PARKCLAWは、ミッドソールにまでそのグラフェンを搭載。
擦り減りの心配のないミッドソールになぜグラフェン?と思われる方も多いと思います。
シューズのクッション性の大きな役割を担っているミッドソール。実は、僕たちが履く多くのシューズは、ミッドソールが知らない間にヘタっていっており、履き始めた頃と履き潰した頃を比べると、そのクッション性は一目瞭然の差が生まれます。
ミッドソールってヘタるの?って思われる方もいらっしゃると思いますが、特に、クッショニングがフカフカ系のタイプはそのヘタリがしっかりと分かります。一番、わかりやすいのが、昔に流行ったワニのマークのクロックス等のEVA系のサンダル。もう、酷いとペラペラになってしまった方もいらっしゃるのでは。
アレと同じように、必ずミッドソールもへたります。
ただし、グラフェンをミッドソールに入れる事で、それは大きく改善されて、常にフレッシュに近い状態で保たれます。
因みに、ミッドソールにグラフェンが入ったモデルは、ロングレース向けのハイクションタイプのシューズ「FLYULTRA G 300 MAX(■)」には一足先に搭載されおりましたが、多くの方に履いて頂きやすい中厚底で搭載されているのがPARKCLAWとなります。
ここで書いた、ソールの耐摩耗性やミッドソールの耐久性というのは、僕自身も体感しようと思うと、もっと使い込まなければなりませんので、今お伝えするには少しリアリティーに欠けますが、既にFLYULTRA G 300 MAXを履かれている方からは高い評価でフィードバックを頂いておりますので、十分に期待しても良いと思っています。
「本当に多くの人に使ってもらいやすい!」
軽さの中に程よいクッショニングを持ったミッドソール。
グリップ力と耐摩耗性を兼ね備えたソール。
山のトレイルをガッツリ走るトレイルランナーから、ロードと公園等のトレイルを組み合わせて走るのが好きなランナーさん。なによりも、岩稜帯も含めて色々な山を歩きたいハイカーの方まで、本当に多くの方に使ってもらいやすい1足だと思います。
(BLACKをメインにしたカラーもあります!)
ALTRAのようなドロップゼロのシューズを履きつつ、薄々のシューズで足裏感覚や機能もしっかり鍛えつつも、時に、このような機能満点のシューズを履くことも非常に大切。
用法用量・シーンや状況に応じて、自身にあったシューズをセレクト出来るように、お手持ちのシューズのラインナップにPARKCLAWを加えてみては如何でしょうか!?
投稿者:飯田