先日、宮城県南三陸町で開催されたpatagoniaのディーラーズMTGに参加させて頂きました。なぜ、南三陸町なのか。それは、当店にて3月4日に開催しました“Run to” フィルムツアーと深い繋がりがあります。
かつてこの地に生息していた町のシンボルバード “イヌワシ” を呼び戻すためにプロトレイルランナー石川弘樹氏は8年前から南三陸に通い続けています。草地や伐採地など開けた山を狩り場としてきたイヌワシの生息環境を復活させるため、「南三陸イヌワシ火防線プロジェクト」を立ち上げた鈴木卓也氏や地元の林業家・佐藤太一氏らとともに、全長60kmに及ぶ火防線跡をトレイルとして整備しているのです。
そして、今回のディーラーズMTGでは、実際に火防線トレイルの整備に参加させて頂きました。
前回のディーラーズMTGが2019年。コロナの影響で開催出来ない期間があったので実に4年ぶり。今回は、どんなトレイルを整備するのだろう、とワクワクしながら石川弘樹氏や鈴木卓也氏、paragoniaスタッフ様、また他店スタッフやオーナー様と共に火防線トレイルへ。
トレイルに入ると大まかな道は分かるけど、若くて細い木々が沢山生えてきており、中にはトゲを持った植物も混ざっています。この道も5年前に大きく整備したそうですが、その後に小さな木々が生えてきてしまいこの様な状況に。適度に人が通ったり手を加えていかないとトレイルは失われてしまうんです。自分たちが普段使わせてもらっているトレイルも同様で、見えないところで整備をしてくている人達がいます。道があって当たり前、歩きやすくて当たり前ではないのです。
ノコギリを手に持ち、トレイルに生えてきている木々を根本付近から切り取ります。かつてこの火防線トレイルは、地面を掘り起こして綺麗に整備がされていたとの事。その時は、山と人との生活がもっと密接に関わっていたから、整備する事が当たり前だったのだと思います。良くも悪くも、文明や技術の発達で自然と生活を通した関わりが薄くなってしまうと、そこへの関心も薄れてしまうもの。「しょうがない。」で済ますのではなく、「やるべきことをやろう。」と行動に移せるのはとても凄い事だと思います。
大きな倒木もノコギリでカット。男子が沢山集まっているので交代でギコギコやっていきます。「ガンバ!」と声をかけあってノコギリを引く様は、高校時代の部活動そのもの。外遊びを楽しんでいる人達が集まると、作業も遊びに変わって楽しめてしまう。本気で遊ぶ大人達の真髄が垣間見えた瞬間でした。
気が付けば、細い木々で歩きにくかったトレイルがこんなに綺麗に。この達成感は山の頂を踏んだ時のそれに似ているかもしれません。外遊び好きな方なら、この感覚は絶対ハマりますよ。
トレイル整備だけではなく、鈴木卓也氏からイヌワシの話や火防線のお話し、南三陸町の山の様相の変化を伺ったり、参加者の皆でディスカッションをしました。それぞれの地域のフィールドが抱える問題やその解決策について意見交換する良い機会となり、改めて山で遊ぶ道具を販売している自分達が自然に対して何が出来るのか、何をすべきなのか深く考える事が出来ました。
今回の2日間、沢山の方とお話しもさせて頂き、人としても非常に勉強になりました。毎回そうなのですが、参加させて頂いて本当に良かった。そう思えるディーラーズMTGでした。メーカースタッフ様、各ディーラーの皆様、南三陸で活動されている皆様、ありがとうございました。
本ブログをお読み頂いている皆様、「南三陸の話聞かせて!」と言って頂ければ、今回の活動から得た色々な事をお話しさせて頂きますので、気になる方は是非。
本日のブログは松下がお