スズカ3/7マウンテン。

くそっ。
そうつぶやきながら二本松登山道を進み続ける。
いつもは寝ている時間なせいか、身体の調子が上がってこない。
朝方から降り出した雨は、木々の間を抜けて容赦なく降り注いでくる。
レインジャケットも着ているが、登りでかく汗のせいか外からの浸水なのかどうかすらも分からない。

せっかくの休日を狙うように天気予報は雨。
衛星画像を見るに、二回にわたって雨雲が来ることは分かっていた。
寝起きでぼんやりした頭のまま登山口へ向かう。
椿大社の奥、二本松登山口。入道ヶ岳へ。
徐々に斜度が増していく登りをのろのろと進む。
ジャケットの脱ぎ着を繰り返す。
木々によってトンネルのようになった美しいルート。
程なくして視界が広がり、鳥居が見えてきた。山頂だ。
たった1時間程度の登りなのにとてつもなく長い時間の感覚。
草原が広がる山頂から短い下りを楽しむ。
雨は徐々に止んできていたが、動きを止めるとさすがに寒さを感じる。
体温がまだ上がりきっていないせいもあるだろう。
ここから稜線伝いに北上をはじめる。
イワクラ尾根。
しばらくすると急な下り。ほとんどガケ。
次の目的地は今の地点より標高が高いはずなのに、下る。
下って登って、登って下って。
一筋縄では行かないというスズカの山の厳しさを垣間見たような気がした。
すこしずつ天気が良くなり始めてきた。
自分の視界が少しずつ狭くなっていることを不思議に感じよく考えてみると、ここまでほぼ無補給であることに気づいた。
手遅れになると復活までに時間がかかるため、小休止がてら補給をすることに。
コンビニエンスストアで購入したおにぎり。
鶏五目と和風ツナマヨ。
前者にもマヨネーズが入っているとは思わなかった。
口の中が脂でギトギトになり少々気分が悪くなる。
しかし思わぬところに敵が潜んでいるものである。
今までの下りを取り返すかのように急登が始まる。
自分の重心位置をしっかりと考えておかなければ、そのまま滑り落ちそうな斜面。
路面がザれていることも登りの厳しさに拍車をかける。
無駄な動きを省き、最低限の力で登るためにうまく身体を使う。
そんなことを考えていたら頭の中もすっきりしてきた。
それをあざ笑うかのように天気が悪くなり、雨脚も強くなる。
風も吹いてきた。
鎌尾根に入ると土砂降りになってきた。
トレイルは海になっている箇所がいくつもでてきている。
ここへきてとうとう靴下内にも濡れを感じるようになってきた。
DRYMAX MAXIMUM PROTECTION TRAIL RUN(⇒)は少々の濡れくらいではビクともしないソックスなのだが、ここまでの雨ではさすがに処理が間に合わなかったようだ。
しかし、濡れを感じてからはまったく機能しなくなるということはなく、濡れている状態であっても十分すぎるほどのコンディションを保ってくれていた。
横殴りの雨の中、いくつかのクライミングセクションをこなし鎌ヶ岳山頂。
素晴らしいコンディションとなってきていた。
ここまできてようやく楽しく走れる下りが現れる。
武平峠までの区間。
登山道が川となり始めている、そのちいさな流れと競争するように気持ちよく下る。
途中、呼びかけられたような気がして足を止め振り返ると、そこには一人の登山者が。
驚いた。
こんな日に登ってくる人がいるとは。
御在所中道から登ってきたようだ。
人と会話が出来たことに嬉しくなり、思わず下りのペースも速くなっていた。
武平峠。
ここから御在所方面へ。峠道。
むき出しの岩場を登り続ける少し高強度なルート。
ここもちょっとしたクライミングセクションがあり、面白い登山道である。
滝のようなトレイルと化し、さながら沢登りの気分。
なぜ直登コースばかりなんだと一人問答。
そうこうしているうちに人工的な路面が見えると、御在所山頂は目の前。
これまでに比べると単調なロードである。
物足りなささえ感じてしまうほどに。
山頂広場の東屋でまた一人の登山者と出会う。
作っていたラーメンらしきものが非常においしそうなものに見えて仕方ない。
ここまで約4時間。
体力は有り余っているが、天候を考えるとさらに足を伸ばす気にはなれない。
下山することに。
そこにいた登山者も下りるというので彼が行くルートにしようと決め聞いてみると、裏道を使うらしい。
心の中でルートを決定し、別れを告げて裏道方面へ歩を進める。
岩が露出している箇所が多く、雨でさらに滑りやすくなっているため、あまりとばせる状態ではなかった。
藤内小屋の方と会話。
このあたり夜走っているのは君たちか、と聞かれたが、自分ではない。
そのうち来そうではあるが。
最後の補給はメダリスト エナジージェル(⇒) Sorry,now Sold Out!
リンゴとはちみつの組み合わせと聞くと、某カレーしか思い浮かばない。
水分が多く半固形のジェルが詰まっていた。
甘さは控えめとのキャッチコピーだが、意外と濃いしっかりとした味。
よくありがちなのどに詰まる感じはなく、のどを通りやすい。
後味もすっきりしておりマヨネーズとは雲泥の差。
一つ難を言えば切り口が小さいことである。
暖かい今の時期はまだ平気だが、汗ですべってしまう。
寒い時期であれば、手がかじかんでしまって開けることが非常に難しくなるはず。
飲み口もジェルの大きさに対して絞られていることもあり、意外と押し出しにくいのもある。
切り口のゴミもなくしやすい。
エネルギーの持続性は良いと思う。
ずっと下りではあったが、これを摂ってから1.5時間程度は持っていた印象。
ロードのダウンヒルで湯の山温泉駅。
終わらないロードの下りでランニングフォームを確認しながらの締めに入る。
せっかくここまできて、そのまま帰るというのも素っ気ないのでアクア×イグニスへ。
ここは温泉複合施設で、レストランやカフェ、お土産屋等があり、夏休みの家族連れで賑わっている。
水風呂がなく火照った身体を更に火照らせるばかりだったが、気持ちよいひとときを過ごす。
お風呂上がりの青菜ジュース(ケール100%、甘みあり)でクーリングダウン。
天気はかなり回復してきてはいたが、山上はまだ雲に覆われていた。
今度は更に北まで足を伸ばそうと企むばかりである。 
about20km,6hour.
ascent 1933m.
Texted by 雨のオモシロさを再確認したキョヲヘイ

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