Local to Localから生まれた藍染手ぬぐい。

鈴鹿山脈をモチーフにした手ぬぐいを作りたい。漠然としたそんな想いが僕の頭に思い浮かんだのが数年前。以前から自社の取り組みの一つとしてmimieプロダクトで手ぬぐいは作らせて頂いてきました(詳しくはコチラ■)

しかし、今回作ろうと思っていた鈴鹿山脈柄の手ぬぐいは、漠然としたイメージだけが頭の中でフワフワと浮かんだまま時が過ぎてしまい、中々実現する事が出来ず。
どうしたものか…と悩んでいたのですが、とある方の力を借りて自分の理想以上の形に仕上げる事が出来ました。

その完成形がこちら!

 

知多木綿の手ぬぐい Suzuka Seven Mountains ※オンラインショップ準備中

 

 

手前から奥に向かって連なる山々。色の濃淡だけで表現された立体的な山脈の形。この柄、実は全て職人さんによる手染めなんです。藍染によって山模様が作り出されており、今回私が手ぬぐいを完成させる為に頼らせて頂いたのがその職人さんなのです。

 

 

藍染職人 紺屋のナミホ

愛知県は知多半島常滑市に工房を構える女性藍染職人。彼女との出会いはかれこれ十数年前。同じアパレル関係のお仕事をしており、一緒に御在所岳にも登ったりもしていたのですが、そこから月日が流れて藍染職人を目指して単身、郡上市石徹白へと修行に出向き、藍染の原料となる蓼藍を育てるところから染色までを一貫して学んだという筋金入りの職人さん。

 

彼女が「染め」に興味を持ったきっかけは、アパレル会社で染め物に関わったことによります。その際、出身地の知多半島で江戸から明治時代に染めが盛んだったことを知り、「地元に染めの文化を復活させたい」と思うように。藍染めを選んだのは、有松で天然藍染めを営む人が少なくなっていることを知り、この技術を残したいと思ったから。そして、家族の中に職人が多く、小さいころから職人への憧れがあったこともあり、自身で工房を立ち上げ創業の道へと進んだのです。

彼女の凄いところが、原料となる藍を育てるところから染めまでを一貫して行っているところ。通常、藍染は藍を育てる農家・染料である蒅(すくも)を作る藍師・藍染めをする染め師の分業で行います。しかし、染料を作る職人の高齢化と減少により、今では日本で数軒しか残っていないのが実情なのです。

 

畑に種をまき、蓼藍を育てて収穫。葉っぱの山に水をかけてきりかえし、3か月の発酵期間を経て藍の土(すくも)の完成。

 

そこから大きなかめに移して灰汁や貝灰、少しのお酒を入れて…と様々な行程を踏んで染液が完成します。途中で発酵が止まらないように管理する必要がある為、生物の世話をしているのと全く同じ。正直、この行程を知るまで天然藍による衣服の染色がここまで大変なものだとは思っていませんでした。とても大変で多忙なお仕事の中、「鈴鹿山脈をモチーフにした手ぬぐいを作りたくて、藍染で作ることって出来ないかな?」という僕の相談を快く受けて頂き感謝しか御座いません。デザインも何もかも丸投げ状態で、綺麗な濃淡で山を表現してくれました。

 

 

 

現在、彼女は母となりながらも職人として精力的に活動しています。藍色に染まった手が凄く印象的で、働き者の格好良い手です。その姿は子どもから見てもきっと素敵で格好良く見えると思います。

 

紺屋ナミホでは「すくすくすくも」というプロダクトを立ち上げており、親子の為の藍染製品も手掛けています。化学染料を一切使用しておらず、染料にアレルギーのあるお子さんにも着ていただける為、お肌にも環境にも優しいアイテム達です。紺屋ナミホの事が気になる方は是非コチラ■からチェックしてみて下さい。

 

常滑にある工房は、事前予約をすれば見学や藍染のワークショップを受ける事が出来ます。

 

 

蔵を綺麗にリノベーションした空間は訪れるだけでもワクワクしますし、藍染製品を手に取ってご覧頂く事も出来ます。

 

ご興味のある方はコチラ■をチェックしてみてください。

 

今回、三重県の山である「鈴鹿山脈」を知多の地場産である知多木綿に「知多藍」で表現する。まさにローカルとローカルが繋がり生まれた製品と言えます。手ぬぐいとしてガシガシ使うのは勿論ですが、お家の壁に飾っておいても絵になるんです。

 

山がお好きな方へのプレゼントにもおススメなので、この色目の美しさを是非店頭でご覧ください。一点一点を手で染め上げている為、大量生産が出来ない製品です。一度の入荷量が限られてしまうため、完売の際は再入荷にお時間を頂いてしまう場合がございますので、ご理解の程、よろしくお願いいたします。

 

本日のブログは、松下がお届けいたしました。

 

 

 

 

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