今年も残すところ、あと10日。光陰矢の如しとはまさにこの事。あっという間に一年が過ぎ去ってしまいます。年初めに掲げた目標が心の中でホコリを被ってしまっている事に猛省をしつつ、残り10日で出来る事を全てやりきろうと、ギリギリになってギアをさらに上げにかかっております。
そんな私の本日のブログはシリーズ最終回。ノースフェイスのサミットシリーズから、インサレーションウェアをご紹介させて頂きます。
THE NORTH FACE Aglow Doublewall Jacket ■
ビレイヤーパーカーのジャンルに位置付けられるアイテムで、雪山等でハードシェルの上からガバっと羽織って使用すウェア。その為、サイズ感はユッタリめで特に首元から肩回りは余裕を持たせた作りとなっています。中わたには、耐久性と復元性に優れるプリマロフトブラックインサレーションライズを使用しており、環境に配慮したペットボトルリサイクル素材(約80%)。自然の中で遊ぶからには、環境への配慮は忘れない。アウトドア業界ではごく当然の事になりつつあります。
表生地に7デニールの極薄ナイロンに、70デニールリップストップを使用ているので、非常にしなやかなになっています。また、GORE-TEX INFINIUMを使用しているので防水(完全防水ではありません)となっており、雪や氷が付着しても気にする必要はなし。
さらに裏地も13デニールの薄手ナイロンを使用することで、着心地を損なわず、軽量性と携行性に貢献しています。そして、驚きなのがこの裏地にもGORE-TEX INFINIUMを使用しているということ。表地に使用する事が当たり前となっている防水生地を裏地にも配する。まさに逆転の発想といえる構造。
【モデル身長:163cm 体重:55kg Size:M Color:KP を着用】
なぜ、裏表両方にゴアを用いるのか。その理由は2つ。1つは、ハードシェルに付いた雪や氷を気にする事無くガバっと着られるように。2つめは着て直ぐに「暖かみ」を感じられるように。2つめに関しては、どの様な生地の組み合わせがベストであるかを導き出す為に開発スタッフ様がマイナス数十度の室内で長時間運動を行い、ある程度の心拍数や発汗がある状態でハードシェルの上から着て最も速く暖かみを感じるかをテストしているのです。そのテストの結果、両面ゴアの組み合わせが生まれたというわけです。奇をてらっているわけでは無く、客観的事実に基づいて開発されているので、現場で役に立たないわけがありません。
薄手でしなやかな生地は立体裁断で形作られているので、肩回りや腕回りの可動域がとても広く、ハードシェルの上から着てもさほど動きにくさは感じません。もちろん、フードはヘルメット対応の大きめタイプで口元までしっかりとカバーしてくれます。暖かみは申し分なく、アルパインシーンだけでなく雪中キャンプや雪山登山の時のお守りとしても使いたいウェアです。
気になる収納力ですが、化学繊維だからと侮ることなかれ。ボリュームの割に意外と小さくなります。単純に同じボリュームのダウンジャケットと比較すると負けてしまうかもしれませんが、極寒の雪山で湿雪や汗の湿気を帯びてもロフトが減らない安心感は非常に心強いものと言えます。
ゴアを使っていると中わたの空気が抜けづらいから圧縮しにくいでしょ?と思われたかた。そうなんです。私もそう思っていたのですが、そこもちゃんと考慮されています。ウェアの上下部(フード末端と裾部)にレーザーホールが開けられているので、ちゃんと空気が抜けてくれるんです。ここでのポイントが上下両方に開けられているところ。上から収納しても下から収納してもどちらからでもOK。正直、山で疲れてくるとあれこれ考えるのも面倒くさくなって雑にグイグイ押し込んで収納したいですから。(もしかしたら、私だけかもしれませんが…。)
私自身、今までハードシェルの下にフリースや薄手のダウンジャケット、化学繊維の中わたジャケットを着こむのが当たり前でした。しかし、熱効率を考えるとハードシェルの上から着ちゃうのも非常に有効的なんですよね。雪山であれば、雨の様に直接的にベタベタになる事も少ないので尚更活用できます。特に最近人気の「防水通気」と呼ばれる高透湿素材を用いたウェアは爆風に吹かれるとウェア内の空気が動いているのを感じる事がある為、ビレイヤージャケット系のウェアを重ねることでカバー出来るのです。
今季、雪山をエンジョイされる皆様。上からガバっと系のインサレーションウェアが一つあると休憩中やテント泊の時にヌクヌク過ごせますよ。気になる方は、是非店頭でご試着してみて下さい。他メーカーからも同様のジャケットが入荷していますので、ぜひ。本日のブログは松下がお届け致しました。