少し暖かくなってきたと思ったら、また気温が下がる。先日は、鈴鹿山脈にまた雪がチラチラしていたようです。初春特有の気候の中、出勤前に多度山をノンビリ走ってきました。
走っている最中はメリノウールの薄手ベースレイヤー1枚で丁度良く、寒いながらもランニングには程よい気温域。気持ちよく12km程走った後、そろそろいけるかな…と全身ドボンは我慢して足だけ浸けてみました。多度峡の水温はまだまだ冷たい。足を浸けてから5秒経てば、冷たさが痛みに変わります。全身でいかなくて良かった…と思ったとある日の土曜日でした。
低山域では雪山シーズンから少しずつ残雪期へと移行するこの季節。そして低山の雪が解けきる頃になれば、アルプス等の高山域が残雪期に入ります。雪が残っているけど、気候は春に近い。勿論、天候が安定していて暖かい日があれば、冷え込む日もある。寒暖差が大きいが故にレイヤリングで悩むシーズンでもあるのですが、この残雪期にも使いやすいアクティブインサレーションが存在するのをご存知でしょうか。
THE NORTH FACE Ventrix Hybrid Hoodie ■
ノースフェイスの定番アクティブインサレーション「ベントリックスシリーズ」から登場している、こちらのハイブリッドベントリックスフーディー。真冬の雪山ハイシーズン向けで登場しているFL Hybrid Ventrix Hoodie ■とは異なり、防水素材等は使用されておらずメイン素材には軽量で耐久性に優れた12D PERTEX Quantumが使用されています。生地を触った感触は、ウィンドシェル素材そのもの。
そして、その中に封入されているのが化学繊維綿のベントリックスなのです。私のブログで何度も紹介させて頂いているので、ご存知の方も多いかもしれませんが、シート状の化学繊維綿にスリットが入っており行動中はスリットが開く事で通気。停滞中はスリットが閉じて保温する、という便利素材。
そして、このベントリックスの配置がまた絶妙。上の写真で白線で囲んだ部分。身頃とフード、袖は七分丈あたりまで。ここまでにベントリックスが入っています。脇下やサイド部、前腕部は配置を無くす事でオーバーヒートを抑え、動きやすさも確保しているのです。
ちなみにポケットの中にはレーザーホールで穴が開いているのでベンチレーションとしても機能します。背中の一部にも同様に穴が開いており、行動中に掻いた汗を少しでも早く乾かせるよう工夫が凝らされています。
ここでふと思うのが商品名に付いている「Hybrid」の文字。一体何がハイブリッドなのか?その答えはこの背面に隠れています。先程、メインの生地は12D PERTEX Quantumとお伝えさせて頂きましたが、背面とサイド部分には10D×15D Nyron Stretchの生地が採用されており、これによって複雑な動きにも対応出来る運動追従性が備わっています。
ヘルメットの上からフードを被って、首回りや肩回りの生地が最も張るシチュエーションを再現してみましたが、窮屈感を感じる事も無く、長時間の着用によるストレスの心配もありません。
【Size:S iPhone13Pro と比較】
そして何よりも、着用し続ける事を前提に作られているアクティブインサレーションでありながら非常に優れた収納力も兼ね備えているトコロがポイントなのです。内ポケットに収納すればザックの隙間に押し込めるサイズになり、重量も実測でS:約181g、M:約190g、L:約198gと申し分無し。過去のブログ■でもご紹介させて頂いておりますARC’TERYX Atom SL Hoodyのライバルとなり得るアイテムと言えます。
【身長:163cm 体重:55kg Size:S Color:K を着用】
私の体格ではSサイズがジャスト。アクティブインサレーションという点を考慮すると、ユッタリよりもジャストめの方がおススメです。ジャストに着ても背面、脇下のストレッチ性で動きにくさを感じる事も特段無いですし、衣服内に空間が空くと保温力が落ちてウィンドシェルを着ているのと大差無くなってしまいます。中綿が入っているとは言え、重量から読み取れる通り薄くしか入っていません。故にこれから少しずつ暖かくなるシーズンに活躍してくれるんです。個人的には低山の夏に携帯しておくのも良いと思います。しっかりしたインサレーションまでは必要なくても、保温がある物は持参した方が良いので薄手のこういったアイテムを一つザックに忍ばせておくと何かと便利です。
一言で「アクティブインサレーション」と言っても細分化されて沢山の種類が登場しています。是非、ご自身の遊びやライフスタイルを振り返って、何がベストかを考えてみて下さい。大切なのは「自分で考える」という事です。情報だけに頼るのでは無く、自信のスタイルを客観視して考える。悩みぬいた末に出てきた選択がバシっとはまる瞬間の喜びも外遊びの魅力の一つです。
本日のブログは松下がお届け致しました。