刃物で有名な地域と言えば、まず頭に浮かぶのが岐阜県関市。鎌倉時代から室町時代初期にかけて、関鍛冶の刀祖とさせる「元重」と「金重」が関に移住したことによって、関の刃物800年の歴史が始まったと言われています。現在では「世界三大刃物産地」と呼ばれる程、関の刃物は有名になっており今でも進化を続けています。
本日のブログは、そんな関の刃物メーカーからナイフを2本ご紹介させて頂きます。
Moki Knife Berg コンベックス ブラウン ■
1907年創業のMOKI。「人の手に握られる道具は、人の手から生み出されなければいけない。」という創業者の意思を受け継ぎ、精度の高い技術と、こだわりのあるデザインで高品質のナイフを作り続けているメーカーです。そんなMOKIの技術力が注ぎ込まれたブッシュクラフトナイフがこちらのBergなのです。
刃長110mmで切る、削る、穿つ等、幅広い用途で使いやすいよう設定されており、コンベックスグラインド(蛤刃)にする事でバトニングもしやすくなっています。使用されている鋼材「VG-10ステンレス」は厳選された純度の高い原料鉄を用い、最高の製鋼技術で作られ、靭り強く、加工性、鍛造性に優れているという特徴を持っています。また、耐腐食性、耐摩耗性に優れている点も最大の特徴。
そして、優れた鋼材に施されているのが100年以上の間、常に磨かれてきたMOKIの技術力。通常なら見えるはずの刃の段差が見当たりません。MOKI独自の技術による、研きり刃(ゼロベベル)仕様となっている為、対象物に対して滑らかに刃が入り込みます。この切れ味は、Bergだからこそ味わえるものと言えます。
持ち手には堅牢性、耐水性に優れたマイカルタが使用されており、握りやすいように形状が整えられています。この手へのフィット感もMOKIの拘りポイント。人類が初めて手にした道具であろうナイフを手の延長線上であるように扱える。その操作性を実現する為、握り心地も重視して作られているのです。
刃厚は4.5mmとハードな使用にも耐えれる作りになっており、全体の重量バランスも考慮されているので手に取った時の収まりの良さは抜群です。
専用のレザーシースが付属しており、差し込むだけでぴったりフィットしてくれます。繊細な仕上げと緻密なフィット感は、カスタムナイフと見紛う程ハイクオリティーな製品だと言われ、海外でも高い人気を誇っているMOKIのナイフ。最高の一本をお探しの方におススメです。
続いてご紹介させて頂くのは、見た目が非常に特徴的なコチラのナイフ。
兼常作 遊 ASOBI ■
岐阜県関市の刃物メーカー兼常(カネツネ)のナイフ。「遊」と名付けられている通り、遊び心に富んだユニークな形状はトップヘビーの小型マチェット風で、ククリのミニサイズのような独特のシルエットをしています。
美しい波目模様の刃は、15層ダマスカス鋼によるもの。心材に使用されているのは、日立金属が開発した安来鋼で摩耗しにくく永切れする青紙2号。見た目の美しさだけでなく、優れた切れ味も持っている実力派ナイフです。
持ち手に巻かれているパラコードは、アメリカ製で耐荷重250kg。必要とあらば解いて使用する事もできます。また、握った際の指止めも付いているおり、安全面にも配慮されています。
シースは鉈の様な木製のもの。レザーシースと違い、ピッタリハマらず若干のガタつきがあります。このガタつきがポイントで腰に下げて山中を行動していると「カタカタ」と音が鳴ります。この音には動物避けの効果もあるのです。「遊び道具」でありがながらも「山の道具」としての実践的な面も持ち合わせている、日本ならではのナイフと言えます。
海外メーカーの無骨でミリタリーチックなナイフも格好良いですが、日本の細やかな「美」や「技術」に拘ったナイフも負けていません。お気に入りの一本をお探しの方は、候補に入れてみては如何でしょうか。
本日のブログは松下がお届けしました。