THE NORTH FACE HYPERAIR GTX Hoodie

ジャパン企画ノースフェイスの商品開発の重要な施設GOLDWIN TECHLAB.をご存知でしょうか。

モーションキャプチャによる動作測定をはじめ、運動力学や生理学等の科学に基づいた情報を収集したり、三次元計測装置や三次元CAD等を用いてより動きやすい形を設計。素材・製品の品質試験も行える、まさに研究施設。より良いアイテムを開発する為に、物作りのプロ達が集まる場所それがGOLDWIN TECHLAB.なのです。

そして、忘れていけないのは製品開発のプロフェッショナルが作るアイテムにはトップアスリートの方々からのフィードバックが欠かせません。今回ご紹介させて頂くアイテムもテックラボにてトップアスリートと共に作り上げられたウェア。

 

THE NORTH FACE  HYPERAIR GTX Hoodie

分かる人が見たら、一目で分かるこの素材感。そうです、アレです。ゴアテックスシェイクドライが使用されたトレイルランニング用ハードシェル。ご存知ではな無い方も見えるかもしれませんので、簡単にゴアテックスシェイクドライに関してご説明させて頂きます。通常、「ゴアテックス」と呼ばれる防水透湿素材は生地の表生地と裏生地の間に挟まれています(パックライトシェルは裏地を無くしてコーティング加工)。ここで問題なのが、表生地の撥水力。生地の表面に水が付いた際、玉のようにコロコロ転がって生地から落ちていく。これが理想的な撥水力ですが、使用するにつれて撥水力は低下してしまいます。表生地の撥水力が無くなり水分を含んでしまうと、重くなるのは勿論のこと透湿性が大きく低下してしまうのです。

 

 

そこで考え出されたのが「疎水性(水分を含まない)素材のゴアテックス自体を表側に出してしまおう。」という案。ゴアテックス自体が水分を含まないので、半永久的に撥水し続ける。これなら重量も増えず、透湿性も落ちない。使用する生地もゴアテックスと裏地のみなので、結果的に軽量化にも繋がる。一石二鳥な生地なのです。ただ、難点もあります。表地を無くしている分、耐久性が落ちてしまいます。故にジャケットの上から大きなパックを担いだりする事は出来ません。軽量な装備で済むトレイルランニングなら十分対応出来るのですが、そこにもう一工夫加えたのがHYPERLITE GTX HOODIEなのです。

 

 


【着用モデル 身長:約163cm  体重:約55kg  Size:S  を着用】

私の体格ですとジャパン企画のモデルはSサイズがジャスト。トレラン系のアイテムですと全体的に細身に作られている事が多いのでピッタリめのフィットになるところ。しかし、HYPERLITE GTX HOODIEの場合は袖丈や着丈は丁度良いのですが、胸回りや身幅にユトリがありMサイズ程度のフィット感に見えます。

 

 

 

その理由は、胸元に付いている2つのジッパーに隠されています。ゴアテックスのウェアは防水性を高める為に、風雨の影響を受けやすい衣服の前面にベンチレーションが付く事は殆どありません。敢えて2つのジッパーを前面に配しているのは何故か…

 

 

 

それは、ジャケットをトレランパックの上から羽織れるようにする為。前面のジッパーを開ければトレランパックのショルダー部分にアクセスが出来るので物の出し入れが容易に出来ます。

 

 

この様にソフトフラスクも出せるので、走りながらの操作性もバッチリ。同ブランドにトレランパックTRシリーズとの相性は抜群に良く、少し顔を傾けるだけでフラスクに口が届くのでいちいち引っ張り出す必要もありません。必要な時だけジッパーを開けて水分補給が出来るので、開けている時の雨水の侵入も最小限に抑えられます。

 

 

ジャケットの下にTR10を背負った状態でこのボリューム感。さすがに横から見ると胸回りと背中が膨らんで非常にボリューミーに見えます。生地自体にフューチャーライト程のストレッチ性は無い為、ここまでパンパンになると動きにくさが心配になるところ。

 

 

でも、ご安心下さい。ランニングの際、上半身で最も多くなる動き腕振りをしてみても脇下や背中が突っ張る事は無く、ストレスは感じません。

 

 

これではどうか、と靴紐を結ぶ動き。さすがに背中の生地が張って前傾姿勢が取り辛いだろう…と思っていたのですが、こちらもノーストレス。ただ単純にジャケットの下にパックを背負うだけならサイズアップすればいいだけなのですが、トレランではフィットが緩すぎると風で生地がバタついたり重量増に繋がってしまいます。だからこそ、必要最小限だけど動きにくさは生まない。「ジャスト」の生地使用量とカッティングが必要なのです。ここまで計算し尽されたウェアを完成させるまでに、どれ程の研究を重ねたのか。相当なデータとテストを基にこの形が生み出されていると思うと自分の中でアイテムの魅力がグッと増していきます。

 

 

雨天の中での使用を想定しているからには、フードも手を抜いていません。ツバの部分がしっかりした作りになっているので着用時の視界が広く感じ、立体裁断の形状は首回りの動きも妨げません。

 

 

この様におでこの上辺りでツバがラウンドしてくれるので水の滴りが顔に流れてくるのを抑えてくれます。こういった細かいポイントへの拘りは現場からの意見が反映されているからこそ。

 

 

収納力も申し分なく、実測でSサイズ:約197g、Mサイズ:約209g、Lサイズ:約212gと機能面を加味してもかなり軽量と言えます。お守りの為の一着と言うより、雨天のレースを走り切る為の一着と言えるアイテム。

現在の状況下では中々走るモチベーションを見つけるのが難しい事もあったりしますが、NEWアイテムを手に入れるとワクワクして動きたくなってしまうんですよね。私は初めてゴアテックスのレインウェアを買った時は、試してみたくて雨の御在所岳へ出かけたりしました。その時に登っていたのは私と同行してくれた友人、あとは訓練に来ていた自衛隊員の方達のみでしたが…。笑

ラン用のレインウェアをお探しの方や買い替えを検討中の方。HYPERLITE GTX HOODIEを起爆剤にしてみては如何でしょうか。雨の中でテストしたくなる事間違い無しですよ。

本日のブログは松下がお届けしました。

 

 

 

 

 

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