長距離のトレイルランニングや長時間のハイク。「長」という言葉付くだけで大変そうなイメージを持ちます。でも行動距離が長くなればなる程、移動時間が長くなればなる程、やり遂げた時の達成感がたまらなく嬉しいんですよね。そして完走・完歩する為には体力だけでなく故障やケガをしない事も非常に重要な要素であり、そんなシーンではマックスクッションの安心感が欲しいところ。本日のブログではアップデートされて生まれ変わったALTRAのOLIMUS4■をご紹介させて頂きます。
【写真左:OLIMPUS4 写真右:OLIMPUS3.5】
旧モデルのOLIMUS3.5と比べ、見た目から大きく変わったOLYMPUS4。スタックハイト は前モデル同様の33mと厚底仕様ですが細部は大きくアップデートされています。
【写真左:OLIMPUS4 写真右:OLIMPUS3.5】
アッパーは目が非常に細かいエンジニアードメッシュとなり、通気性と耐久性が強化されました。「長」が付くシチュエーションで使うからには耐久性のアップは非常に重要なポイントの一つ。
アウトソールは前モデルもVibramMegaGripが使用されていましたが、ソールパターンが大きく変更されました。OLYMPUS4は赤いソールがVibramMegaGripとなっており、この配置が非常に重要。
前足部は足の指の骨に沿う形で配置されており、この形状によりマックスクッションでありながらも足裏の感覚を感じられるようになっています。クッションがあるが故に足裏感覚が鈍くなってしまう。そんな弱点をカバーしてくれる形状となっているのです。
踵も同様に左右で別れる形にソールが配されています。凹凸した地面に足を置いた際、踵の右側だけがグリップしていたり逆に左側だけがグリップしている事もあります。そんな時に踵のソールが一枚状だと左右のどちらがグリップしているか分かりにくいんです。
また、踵の左右のソールが別れている事で写真の様に踵の左が上がっていて、右が下がっている様なシチュエーションで荷重した際、踵左のソールと右側のソールそれぞれが独立して地面をグリップする事が出来ます。ミッドソールがぶ厚くなると不安定になって足を挫いてしまうんじゃないか…とイメージされる方も見えますが、「厚い」から不安定になってしまうと言うよりは「厚い」が故に足裏感覚が鈍くなってしまい足の置き方が雑になってしまう事も原因の一つ。マックスクッションシューズを履いてもトレイルでの基本的な足使いは変わりません。一歩一歩を丁寧に。一歩の丁寧さを知る為にルナサンダルでトレイルを歩いてみるのも良いと思います。その後にOLIMPUS4を履いてみると、その安心感を非常に強く実感出来ますよ。
そしてミッドソール~アウトソールまでの形状も安定感を生み出しているポイント。写真はシューズを真上から見たもの。赤丸部分に注目して頂くとシューズ本体からソールがはみ出ています。
こちらはシューズの後ろ側、踵部分。黒色のミッドソールと赤色のアウトソールが上から下に向かって裾広がりで台形上になっています。この様に実際の足裏範囲よりもソールを広げる事で横方向の不安定感を解消しているのです。
【写真左:OLIMPUS3.5 写真右:OLIMPUS4】
前モデルと踵回りを比べてみるとOLIMPUS4の方がスッキリとした印象。過剰な保護はしていませんが、行動中に踵をしっかりと支え安定感を提供してくれます。
特徴的で丸みを帯びた踵の形状は人間の踵に近い形をしています。この形にする事で、下り等で踵から着地をしても爪先までの体重移動がナチュラルに行えるのです。
爪先のロッカー形状に関しては、OLIMPUS4の方が強く入っている印象。実際に履いてみると、重心移動に合わせてシューズがクルっと回転してくれるのでとてもスムーズに足運びが出来ます。体力的にも肉体的にも辛くなってきた時に、この機能が背中を押して一歩を進ませてくれるのです。
個人的に「お!」となったのがシューホールの変更点。白丸部分だけ他のシューホールとは少し異なる付き方をしており、この部分を軸にして爪先側の締め具合を調整出来るのです。爪先側をなるべくフリーにしたいけど、長い下りがあるからシューズの中での足ズレは極力防ぎたい。そんな時に白丸より爪先側はヒモを緩めに、そこから上はしっかりと締めて中足辺りで固定感を出す…といった具合の締め方が出来ます。
シュータンは薄めのタイプでゴワゴワ感もありません。吸い付くように甲にフィットしてくれるので前モデル以上のフィット感を得られます。
重量は26cmの実測値で約311gとめちゃくちゃ軽いわけではありません。ただ、履いて歩いたり走ったりしてみると重さは殆ど気にならない程の足運びのスムーズさと安定感があります。
衝撃を吸収する役割もするミッドソール(黒い部分)は反発が高めになっているので着地の衝撃を吸収しつつも足の力を地面に伝えてグリップを効かせてくれます。シューズの内側にはオーバープロネーション対策の為にガイドレールも配されています。
ちょっと攻めたカラーのレッド■も入荷しています。先にも少し触れましたが、「マックスクッションシューズは不安定」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、大切なのは「走り方」や「歩き方」です。ビーチサンダルやソールの薄いルナサンダル等で足を挫く事が無い様に、裸足に近い正しい足の使い方が出来ていればマックスクッションシューズでも不安定さは感じません。正しく履く事でOLYMPUS4の魅力と機能を最大に引き出す事が出来ます。
正しく走れていないと、正しく歩けていないと履いてはダメ。そうではありません。正しい足使いが出来ていれば故障やケガのリスクも断然低くなります。OLYMPUS4をキッカケにご自身の走り方、歩き方を見直してみるのも良いのではないでしょうか。
本日の投稿は秋にOLYMPUS4を履いて鈴鹿7サミットをファストパッキングしようと目論んでいる松下がお届けしました。
走るだけでなく、ロングハイクにもおススメですよ!!