2024年秋冬新作 ALTRA OLYMPUS6本音レビュー

8月も終わり、いよいよ秋冬に開催されるトレイルランニングレースがより鮮明に見えてきていると思います。 

また、シルバーウィークを使って、秋の始まりを感じに山を歩こうと計画されている方も多いのではないでしょうか。
今回のBLOGでは、その楽しい山行を足元で支えてくれるシューズをご紹介させて頂きます。

 

2024年秋冬新作 ALTRA OLYMPUS6本音レビュー

タイトルでお分かり頂けると思いますが、2024年の秋冬シーズンからALTRAのOLYMPUSがバージョン6(→■)になって登場しています。

そもそもOLYMPUSとは?

高いクッション性と驚きの安定性

ALTRAのトレイルシューズの中で、最もクッション性の高い(スタックハイトがある)シューズ。一見すると、ハイクッションであるが故に不安定感があるのではと思われる事もありますが、一般的なシューズに比べて底面がかなり広く作られた末広がり(台形)のカタチを採用。これにより、ハイクッションの見た目とは裏腹な安定感を実現。

※一般的なシューズとOLYMPUS 6 のソール幅の違い↓

(上段:SALOMON SENSE RIDE 5  / 下段:ALTRA OLYMPUS 6  )

また、細かい点になりますが、踵側のソールパターンは、内側と外側で独立したような形に近いソールパターンを採用している為、片側に過度な体重や地面から突き上げがあったとしても、片方だけが独立してソールとミッドソールを凹むので、より安定感を増す履き心地となっています。


(↑写真のように、片側だけに体重や突き返しがあっても独立してソールが凹みます)

さらに、足の内側部には「GUIDE RAIL(ガイドレイル)」という機能を搭載。

ガイドレイルってなに?

走る・歩く等、人の足が着地等の動作を行う際、色々な箇所でその衝撃を吸収する動作が働きます。その1つに、足が内側に倒れる内転(プロネーション)の動作があります。ただ、人によっては様々な理由から、この内転動作が過度に倒れ込んでしまう場合があり、それをオーバープロネーションといい、運動するにあたり良くない症状を引き起こす原因とも言われております。また、普段は適正範囲内で内転している方でも、長時間の運動等により、内転を支える筋肉の疲労などから、適正範囲内で内転を支えることが出来なくなり、オーバープロネーションになる方もみえます。

実は、多くのシューズブランドが、オーバープロネーションの方向けに「スタビリティシューズ」としてシューズをラインナップしています。

勿論、ブランドの考え方によって、そのスタビリティの強さも様々ですが、ALTRAは過度に支えない範囲となっており、ブランドとしてはスタビリティシューズとは言わずに、あくまでも、内側に動きすぎた時にサポートする役割としています。

僕自身、扁平足ではないものの、足首の硬さやX脚気味など色々な要因で少しプロネーションが入りすぎる事がある為、ガイドレイルが搭載さえたシューズを、特に長い時間動くときには意図的に選ぶようにしています。

結果、OLYMPUSは、圧縮成型EVAフォームで作られたミッドソールの柔らかすぎないクッション性と、末広がりの形状、そして、ガイドレイルが相まって高いクッション性と驚きの安定性を持つシューズなのです。

魔法のシューズではありません。

ここまで書くと、脚力に自信が無い方(特にエントリーの方)にとっては、不安要素をカバーしてくれる魔法のシューズのように聞こえるかもしれませんが、個人的には万人向けとは少し言いにくいと思っています。

もう少し具体的に言うと、トレイルシューズとしのファーストシューズとしては、あまりお勧め出来ません。

これから山登りやトレイルランニングを始める方にとっては、ハイクッショや安定性は非常に魅力的に見えると思いますが、このシューズを履いたからと言って、急に自分の体力以上の運動が出来る訳ではありません。むしろ、慣れない高さやクッション性、そして、足裏感覚が鈍る事による違った疲れを受ける事になります。

特に、トレイルを歩き慣れていない方にとって、厚底になる事で足裏感覚(接地感)が鈍くなり、足裏からの情報を覚える事が出来ません。「?」と思われる方も多いと思いますが、我々は視覚以外に足裏からの感覚でトレイルの状況等を含めた、足元の情報を瞬時に判断しています。トレイル(不整地)を歩き慣れていない人程、まずは、ソールが厚すぎず、かと言って過度に薄すぎない、ALTRAで言えば「SUPERIOR 」や「LONE PEAK」等がお勧め!

前置きが少し長くなりましたが、OLYMPUS6の変更点等を含めながら、本音レビューをさせて頂きます。

前作のOLYMPUS5から今回のOLYMPUS6で主なアップデート(変更点)は以下の通り

前作からのアップデートしたポイント

①ソールのラグパターンの変更

ラグパターンの形状を再度見直す事で5に比べて耐久性がアップしています

 

②トゥーガードの変更

5に比べてトゥーガードの範囲を広げながらも、全体的には少し「しなやなさ」を出すことによって、つま先が当たりすぎて痛くなることを軽減しています。

 

③アッパーの通気性アップ

これまでよりもメッシュ部分を増やしより早く乾き、足のムレ感等を軽減してくれます。

 

④中足部のフィット感の向上

シューズの紐を以前のモノより幅広にする事と、甲部分のタンを少し肉厚にした事で、中足部をしなやかに面で抑えてくれるような感じに。


(上段:OLYMPUS 6  / 下段:TIMP 5 )

 

⑤踵のフィット感向上

シューズの踵にあたる内側部分に「プレミアムアキレスピロー」を搭載。これにより、前作まで少し踵が浅いと感じたにとって、最高のフィット感を味わうことが出来ます。

個人的な本音

サイズ感

シューズのフィット感等を左右する、足型(フットシェイプ)は、最もALTRAでらしくトゥーボックスが広く作られた、LONE PEAKと同じオリジナル フットシェイプを採用。
ただ、そのLONE PEAKと比べると若干つま先が狭く(圧迫感)を感じる。これは、おそらくトゥーガードが影響しているのではと思っている。
最初に山で履いた時は、通常サイズよりもハーフサイズアップのが正解だったかもと思っていましが、モノの数キロで違和感が無くなってきたので、最初フィッティングした際に窮屈に感じる方も、割と通常のサイズで選んで良いのではと感じてるが、試し履きされる方は、この点を少し意識しても良いと思う。

接地感と安定感

ロードシューズではスタックハイト33mmのVIA OLYMPUSを履いているにも関わらず、同じスタックハイトの高さを持つトレイシューズを履くと、やはり慣れた高さとは言え、整地されたロードと不整地のトレイルではその感じ方に大きな差がある。特に、末広がりのソール形状は、ガレの多いトレイルでは最初は違和感しかなかったが、これもある程度、少しだけ足の置く位置など気にしてあげる事で、割とスムーズに修正が出来る。むしろ、慣れてくると、その安定感に安心を覚えてくる。

踵のフィット感

ここは、個人的に一番嬉しいアップデートポイントだった。

前作までは、僕の踵に対して少し浅い印象があったので、選ぶのに躊躇していたが、今回のアップデートを聞いた時は非常に嬉しかった。ただ、左足はスーパー絶好調になのに対して、右足は、その踵の所で靴擦れがおきた。

とは言え、これに関してはあまりネガティブに考えていなくて、靴擦れは事前対策と早めの処置で乗り切れる事であり、履く時間を重ねていくことで、より踵にフィットしてきているので、スーパー絶好調になるのも時間の問題だと思っている。

こんな人にお勧め

おそらく、どのサイトでも書かれていると思うが、長時間・長距離を走られるトレイルランナーや、ちょっと重めの荷物を背負う事の多いハイカーにお勧め。また、僕同様に、少し足が内側に倒れやすいオーバープロネーション気味の方には、是非、試していただきたい一足!

同ブランドであれば、おそらく多くの方がTIMP5と悩むと思う。これに関しては、TIMP5も良いシューズだけに、明確に答えを持ち合わせていないのが本音。むしろ、お客様自信の足の形状や好みフィット感を最優先事項にして、お選び頂ければと思います。

投稿者:飯田

 

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