子供の頃に見た親父や母親の大きな手は、その頃の自分の手に比べればシワも深いし、ゴツゴツしてるしカサカサもしていた。正直、見た目には綺麗とは言えない手だけど、僕より力も強ければ、美味しい料理も作れる手だった。
気がつけば、大きかったその手は自分よりも小さくシワシワになり、いつの頃からか握る事が少し恥ずかしくなっていたが、とある日から母が僕の手を頼るようになった時の事を今でも覚えている。
人の手には、言葉以上に伝える力があると思うし、そして、その人の歴史を感じる事も出来るもの。
いつか大切な人の手は握れなくなる。
恥ずかしい時は無理して握る必要はないけれど、それでも、手を差し伸べる事をもう少ししてもよかったと今は思ってる。
自分の遊びの歴史が刻まれる。 HESTRAのグローブ
僕は小学校に上がる前からスキーをさせてもらっていた。
子供の頃、冬休みになり年末にるとスキーウェア―やスキー板の準備をするのがメチャクチャ好きだった。
ただ、一番年下の僕は姉のお下がりが多くて、ちょっと古びれたモノばかり。
もっと男の子らしく、そして、大人が身につけるようなカッコイイ物を自分も使いたかったが、実際に使っているは、少しダサイとっくりのベースレイヤーに、いけてないスノーウェアー。そして、オイルでしっとりとしたレザーのグローブ。
それでも、親が毎年のようにスキーへ連れて行ってくれたお陰で、滑る道具は違えども、今でも雪の上を滑る事が好きな事には変わりがないし、本当にありがたく思っている。
月日が流れて、自分で収入を得ることが出来、100%自分の好きなウェアーやギアを買った。
限りある収入から買えるモノは知れていて、それでいて、機能よりも見た目優先のデザインで買った事で、数シーズンで潰れるウェア―やギアも多かった、
特に、スノーボーダーにとってグローブは消耗品だったし、HESTRAのグローブと出会うまでは、その概念は変わらぬままだった。
とは言え、初めてHESTRAのグローブを買う時は、「カッコイイし少し流行ってきているけど、消耗品にこの値段かぁ~」と、思った事を今でも覚えている。
でも、結果的に、これまでのグローブのような消耗品感は全く無く、むしろ、シーズンを超えるたびに愛着が湧いていくる。
気がつけば、自分の手のような柔らかさが生まれ、板を持ちターンで雪面に手を着く度に味が出てくる。
オイルを入れる事をサボったシーズンもあって少しカサカサしているけど、まだまだ現役。
あっ!因みに今年でおそらく10シーズン目となる僕のHESTRA。
ここ数年は、「今年で最後かな・・」と、思いながシーズンインをするが、結局、シーズンアウトする時にグローブを見れば、まだまだ使えるし、自分の遊びが刻まれたそのグローブを変える勇気が出ない。
他人から見たら、使い古されて深く刻まれたシワのようなグローブ。メンテナンスをサボってオイルが抜けたカサカサしたレザーの質感も僕は嫌いではないし、自分の遊びの歴史が詰まっていると思っている。
流石にインナーがヘタってきたから、来シーズンそろそろインナーだけは変えようと思っているが、それ以外は、もうしばらく僕の遊びに付き合ってもらおうと思う。
スキーヤー・スノーボーダーは勿論ですがハイカーの方にも、是非、自分の遊びの歴史が刻めるHESTRAのグローブを強くお勧めします。
買いやすい価格のナイロン系のグローブを、目の前の損得感情だけで買うのではなく、5年後10年後の楽しみを託すつもりで、是非、ご検討頂ければと思います。
投稿者:飯田