2014年の第1回大会に引き続きハードなコンディションとなりました。
OMM Race Japan 2015。
今年の開催地は群馬県嬬恋村。
スキー場が点在する山岳エリアです。
東海地方からも車で6時間ほどかかるので、正直言って遠い!
ですが、その分楽しめるエリアには間違いなく、ワクワクしながら現地へ。
前回はストレートカテゴリに参加。
今回はそれぞれのカテゴリが細分化されており、スコアカテゴリのロングを選択。
バディは顧客様で、ファストパッキングやナビゲーションなど山の経験はまだ浅い方です。
OMMに出てみたいとの事で、自分もこのレースや遊びの楽しみを伝えるため、
装備の選択などから相談に乗らせて頂き、共に出場することになりました。
走力・経験共にかなり必要となるストレートの部となると、
かなり負担が大きくなってしまうこともスコアカテゴリ選択の理由となっています。
結果的にこれは正解の選択で、OMMレースの楽しさを実際に肌で感じるにはとてもいい場となりました。
実際、ストレートクラス、特にロングは相当きつかったようです。
スタート後、地図とコンパス、地形を見比べながら、
この日の作戦会議を兼ねて、改めてナビゲーションの方法やポイント等をおさらいします。
はじめは慣れないことに戸惑う様子を見せていましたが、
一つ目のコントロール(各所のチェックポイントのこと)を取る頃には要領を得てきたようでした。
前日から降り続く雨によりグラウンドコンディションは最悪。
標高を少し上げるだけで風は強まり、手元の温度計は0℃に近い値までみるみるうちに下降していきました。
序盤はスキー場が舞台であるため、風をさえぎるものがなくいきなり洗礼を受けます。
まずは標高2,000m付近のコントロールを取りに行く予定でしたが、変更し中腹付近のコントロールを目指しました。
スコアの場合はルートが決められているストレートとは異なりコントロールを回る順番は決まっていないため、
レーサーにすべての判断がゆだねられています。
そのため、効率よく高得点を狙うためにはすばやく正確な判断が求められます。
最も難しいところですが、最も面白いところでもあるのです。
一日目はコントロール獲得もそこそこにキャンプ地へと到着。
ちょうど雨も止んでいるタイミングでシェルターの設営を完了。
その後降り出した雨は朝まで止むことはありませんでした。
雨の弱まるタイミングを見計らって水汲み、トイレ等を済ませる以外はずっとシェルター内で過ごしていました。
"安全のため、常にバディの様子を伺えるように2人で1幕"という今年導入されたルールにのっとり、
2人使用を前提に作られたフロアレスシェルター(Locus Gear Hapi Sil;中央 青いシェルター)を導入し、快適。
フロアレス・非自立式の割合は昨年よりも増加してはいたものの、まだ少数派。
参加者の多くは自立式のドームテントを使用しているのが見受けられました。
しかし、濡れたときの重量増、グラウンドシートをひく部分の調節による前室的なフロア部分の使用、
圧倒的に軽量である点、設営・撤収の容易さ、収納サイズなどから、
こういった軽量化やコンパクト化が求められるレースや山行には非常に適していると思います。
普段から使いなれておけばレースでも十分有効に使えます。
特に今回の新ルールであれば装備の共用化をすることで大幅に荷物の軽量化を図ることが出来るので、
ぜひ振り分けた方がいいと思います。
またドームテントを選択するのであれば、キャンプ地ではほとんど見かけませんでしたが
今年のNEMOの新作テント、半自立式のBlaze(ブレイズ)2P(⇒■)はかなりいい選択肢だったのではないでしょうか。
フロア面積、重量、コンパクト性ともに非常に優れていると思います。
もしこの先軽量テントを考えているのであれば、ぜひ選択肢に入れて欲しいテントです。
シューズはALTRA PARADIGM1.0を選択。(現在は1.5にバージョンアップ⇒■)
ぬかるんだ泥の上ではさすがにグリップしませんが、ヤブこぎや急登、
7kg近いザック重量でも安定した足運び、クッション性が優秀でした。
シューズ内の水はけがよいのも、今回のような雨が降り続き、常にウェットなコンディションを
強いられる状況下でも優位に働きました。
レース出発直前のブログ(⇒■)でも記載していますが、冬用のシュラフとマットをパッキングしていたため、
寒さはまったく感じず熟睡できました。
結果的に雨により気温はそれほど下がらず、シェルター内で約10℃。
薄いシュラフでも十分に対応できる気温でしたが、寒さ以上に濡れ対策のほうが重要だったように思います。
十分な睡眠により2日目はパワフルに活動することが可能となりました。
しっかり眠るって大事ですね。
2日目は小雨の降る中スタート。
1日目の山の割合が少なかったこともあり、どうも山エリアに行きたくて仕方なくなっていました。
そのため序盤からコンパス直進によるショートカットルートを選択し、ヤブこぎを。
冬山のラッセルのような気分。
アグレッシブに攻めることでテンションも上がり、それに伴いナビゲーションの調子も良好に。
コース選択、コントロール発見もバディと協力の下、面白いくらいに的中!
山の中すべてが活動フィールドとなるとここまで自由なのかという楽しさをしっかりと味わいました。
直答、渡渉、背丈以上のササヤブこぎ、ふかふか落ち葉のダウンヒル…
天候も回復し晴れ間も見えてきたため、さらにテンションは上がります。
狙っていたエリアのコントロールはねこそぎかっさらうことが出来たので、満足してゴールへ。
2日目の巻き返しがかなり効き、思っていた以上にスピーディにゴールにたどり着きました。
順位で見ると100番近く追い上げる結果に。
似たようなコントロールを回ったチームのタイムと比較しても、かなりのハイペースでした。
今回もすべての経験を通して多くのことを学びました。
普段から感覚を磨いておき、こういった場で出し切ることが大事なのだと実感。
このレースに出るにあたって、多くの状況を想定しギアの選択、山行テスト、
地図の感覚等を身体に覚えさせるなどしてきました。
遊びについてこれほどまでに真剣に考える。
なかなか味わえないことかと思います。
前回よりも厳しいコンディションとなったにも関わらず、
ケガやどうしようもない状況に陥るような事例がなかったと聞いています。
参加者の身なりや装備等を見ていても、悪い意味で注目してしまうようなものはなかったように思いますし、
昨年の内容を踏まえて準備をしている方も多いようで、自分たちアンバサダーショップをはじめ、
主催者・参加者が出す情報に関しても、よい伝え方が出来ているのかと感じています。
これからもレースの厳しさ、辛さはもちろん、醍醐味や楽しさを伝えられればと思います。
運営の方々、過酷な環境の中でのレース運営、本当にお疲れ様でした。
皆様のおかげで安心してレースに打ち込むことが出来ました。
ありがとうございました!
次回を楽しみに…また山遊びをしつつスキルアップを図りたいと思います。
Face Your Challenge – OMM Race Japan 2015 レースレポート
texted by 装備を削り直したくなったキョヲヘイ