山を10km~20km程走るのであればパックの容量は7リットル程度で対応出来ますが、これからの季節により長い距離を行動しようとするともう少し容量が欲しいところ。気温が低くなればインサレーションも携行しなくちゃいけないし、距離が伸びれば水分の確保も重要。レースの様にエイドが無いと担ぐ荷物も増えてきます。そんな時にオススメのパックがノースフェイスのTR Rocket。
THE NORTH FACE TR Rocket ■
ノースフェイスが展開するトレランパックTRシリーズ。トップランナー達からの要望や実践的な利便性を追求したパックには無駄が無く、常に進化し続けています。そんなTRシリーズから容量が大きめのタイプとして登場しているのがTR Rocket。実質的な容量はMサイズで15リットル、Lサイズで16.5リットルとスピードハイク等の日帰り山遊びにも丁度良いサイズ感。
元々がランニング向けパックなので、フロントポケットは4つと充実しており①と②はソフトフラスクを入れるのに、③と④は行動食やグローブ等の小物類の収納に使いやすいサイズ。
ソフトフラスクは比較的高いポジションにきます。顔を少し斜めに傾ければフラスクの飲み口に届くのでわざわざポケットからフラスクを引っ張り出す必要もありません。走っている時にフラスクが飛び出さないように止めるコードも付いています。
そして、よりフラスクの固定力を増す為の工夫が。写真の白いラインの部分でポケットの生地が切り替わっています。白いラインより右側の生地はストレッチ性が弱く、左側はストレッチ性が強い仕様。この生地配置によりフラスクを入れる時のストレスを無くしつつ、固定感も確保しているのです。
そして、③と④は同じポケットに見えるのですが③の内側にはジッパーポケットが配されています。落としたら困るけど使用頻度の高い物はここに入れておきましょう。ジッパープルはホイッスルになっており、少しだけ荷物が減らせる嬉しい仕様。
チェストストラップは全部で3本。ラン系のパックは2本が定番となっていますが、よりしっかりとした背負い心地と安定感を出す為にノースは3本が定番。3本にする事で女性のボディラインが目立ちにくくもなります。
パック本体にもポケットが沢山。全てがストレッチ性の生地で作られており①のポケットは大型でメインの気室に入りきらなかった物をポイポイ詰め込んでおくのに便利。③と②のポケットは左右対称に付いているように見えるのですが良く見ると微妙に違います。
こちらは②のポケット。2本描いてある白いラインの長さが微妙に違うのにお気づきでしょうか。右がポケットの取り出し口で左がポケット奥側。取り出し口は小さめで、奥に向かうにつれて大きくなっています。
この形状だと中の物が飛び出しにくく、ウィンドシェルの様な薄い衣服を専用のスタッフサックに詰め込まなくてもグイグイと押し込むだけで収納&固定が出来るので非常に便利なのです。
ポケットの底には小さな穴が開いているので、雨除けにサッと羽織った後に押し込んで入れておいても水が溜まって重くなってしまう事もありません。
反対側にある③のポケットはポケットの取り口が補強されており、トレランポール等を差し込むのに向いています。同じ様に見えてもそれぞれ考えて作られている。こういった小さな部分への拘りがさすがです。
底面に配されている④のポケットも荷物の出し入れがし易い様にコードが付いているので、立ち止まってゴソゴソしたり誰かに後ろから出し入れしてもらう必要もありません。行動しながらスマートにササっと荷物の出し入れが出来ます。
メインの気室はロールトップ式となっており大きく開く作り。中に走る赤いジッパーは財布や車のカギ等の貴重品を入れる為の物。
ソフトフラスク向けのポケットが付いていますが、ちゃんとハイドレーションにも対応しています。水場が少ない場所で長時間の行動をする際にはハイドレーションとフラスクのダブルで積載する事も可能です。
そして、TR Rocketの一番の特徴となるのが写真の白丸の部分。ポケットにトグルが付いており、そこから2又にコードが伸びています。
コードの行く先を追っていくと、パックの上部を通って….
パック全面のベスト部分へと繋がります。そして向かって左側の白丸部分のドローコードを引くとパックに上部から圧をかけてコンプレッションする事が出来るのです。また、大型パックに付いているヘッドスタビライザーの様な役割もしてくれるので荷物の揺れを防ぐと共にパックの上部が体にしっかりと寄ってくれます。
さらに凄いのが、荷物の量に合わせてコンプレッションするポジションを変えられるというところ。荷物が少ない時にはトグルを「1」の場所に多いとき期には「2」の場所に。そうする事で状況に適した背負い心地が得られます。
さらに荷物が多い時にはこんな感じで使って下さい。肌感覚になってしまいますが、プラス1リットル程度は荷物が追加できます。それでもしっかりとコードを引いてあげれば荷物は安定してくれるのでご安心を。荷物の揺れや背負い心地はストレスへと繋がります。そしてストレスは疲労へと変わり徐々に体力を消耗してしまう。長距離、長時間の行動となれば尚更。コード一本でそれが軽減出来るのは凄いと思います。
背負った時の重心位置は肩甲骨の裏あたりに来るので体が振られにくく良い感じ。これからの寒い季節のロングランや縦走ラン、日帰りハイクに通勤ランニング。意外と使い道が多い容量かもしれません。ありそうであまり無かった、しっかり走れるベスト型15~16リットルモデル。今季の相棒に如何でしょうか。
本日のブログは冬に向けて太腿回りの強化に励んでいる松下がお届けしました。