前回の私(飯田)がダラダラと書いたブログ「Teton Bros. Off Site Meeting 最高でした。 (→■)」もうお読み頂きましたでしょうか。実際のTeton Bros. Off Site Meetingは非常に濃い内容だったにも関わらず、文才の無さでブログの内容が非常に薄っぺらモノとなっていますが、 お時間があれば、ご一読頂ければと思います。
さて、そのTeton Bros. Off Site Meetingでは、基本的にTeton Bros. の来冬に発売される新商品を中心にフィールドテスト。その中で、このタイミングを利用させて頂き、Teton Bros.以外の商品も一部テストしてきました。
そのヒトツが、今回BLOGでご紹介させて頂く、新鋭テント・ブランド「Samaya(サマヤ)」になります。
先に、お話をさせて頂くと、このテント・ブランドのSamayaは、順調に行けば今年の3月から日本で販売予定となっております。
と、言うことで、発売前に少しでもSamayaの良さを知って頂きたく、商品レビューを書かせて頂くのですが、もしかすると、ディストリビューターさん以外では、全国で一番?!の商品レビューになるのでは・・・?!と思うと、プレッシュアーしかありません。。。。 たった一泊だけのテストではございますが、その時の様子を中心にSamayaのテントについてご紹介させて頂きます。
この記事の概略として
2020 年 ISPO Winner を受賞した新進気鋭のテント・ブランド「Samaya」
ドイツのミュンヘンで行われる国際スポーツ用品・ファッション総合展示会「ISPO MUNICH(イスポ ミュンヘン) 通称:イスポ」。約120カ国、2,700社以上の企業が出店する大展示会。アウトドア用品に限らず、スポーツ業界の最新アイテムが発表されるとあって、日本からも多くのバイヤーや関係者が足を運ぶビックイベント。(私もいつか行ってみたい!)
そのISPOでは毎回、商品のコンセプト、デザイン、技術、環境への配慮などの項目で厳選に審査され、優れた製品だけに授与されるISPOアワードという名誉ある賞があります。
スポーツのカテゴリー等により大きく5つの部門に分けら、夫々のカテゴリー毎に優秀賞に「ISPOアワード(WINNER)」が贈られ、更にその上に最優秀賞「ISPOアワード金賞(GOLD WINNER)」という賞があります。
今回ご紹介するSamayaは、2019年にISPO ニ ュ ー ブ ラ ン ド 賞 を受 賞し、2020年1月に遂に優秀賞のISPO(WINNER)を受賞(■)した、今、乗りに乗っているブランド。
Samayaとは?
若きフランス人クライマーであるギランとアーサーがフランス・Annecy で立ち上げたブランド。
2018 年にテントプロジェクトを立ち上げ、その目的は「超軽量」「室内空間が広い」「機能的」なシングルウォール」テントを開発することでした。10 バージョン以上もプロトタイプを制作し、地元であるシャモニー周辺山群、アコンカグア、パタゴニア、エルブルース遠征などにて、自ら、また時にはアンバサダーによる数多くのフィールドテストを繰り返し、改良を重ねました。「Samaya」はオーナーであるギランの祖先でもるネパール語で「時」を意味します。共同経営者のアーサーもネパール地震後のボランティア参加を含め数多くの時間をネパールで過ごしており、2 人にとってネパールやその山並みは身近な存在です。
ディストリビューター プレスリリース内容引用
Samayaからリリースされたテント「Samaya2.5」
≪スペック≫
SAMAYA2.5は、軽量性、快適性、機能性を妥協なく完璧なバランスで形にしています。その軽量性、収納性は画期的で、厳しいアルパインアクティビティでもかつてない快適な住居を提供。
・収容人数:2~3人
・重量:1,500g(本体、ポール)
・サイズ: 高さ110cm / 床 210cm×220cm
・耐水性:本体耐水圧 20,000 ㎜、フロア耐水圧 20.000 ㎜
・サイドベンチレーションx2
・トップベンチレーション
・天井メッシュストレージ
・サイドメッシュストレージx2
・3ポール
・リペアキット
本体価格: 140,000円(税別)
左:袋が本体を収納したサイズ(実際はもっと小さくする事が可能)
中:ポール3本
右:ナルゲン1L(比較対象用)
2~3人用のシングルウォールテントとしては驚異的な軽さの1,500gで、今まで発売されている同等クラスのテントの約半分の軽さを実現。そして、驚くのはその軽さにに加えて室内空間の広さではないでしょうか!。
そう!スペックの数字で頭に思い描くよりも、設営し外から見る感じるよりも、実際に入るとその広さに本当に驚くはず。あと、ミーハーな事を付け加えても良ければ、佇まいがカッコイイ!
(余裕のあるヘッド クリアランス)
キューベンのフロアが安心感を与えてくれる。
繊維レベルで見た場合、鉄の8倍ほどの強度を持ちながら軽量であり、かつ、高い防水性を持つのがキューベン・ファイバーの特徴。今やアウトドア用品では、無くてはならない存在で、あの透け感とシャリシャシ感に安心を覚えている人も多いと思います。
Samaya2.5は、そのキュベーベン生地をテントのフロア部分に採用する事で耐水圧20,000mmという高い防水性を実現。これは、マーケットでもトップクラス。実際に、世の中で販売されているシングルウォール・テントでここまで耐水圧が高いフロアを持った物は珍しく、結果的に雨による浸水、長期滞在でも安心して使うことが可能。
実際に今回の雪上でのテント泊では、そのフロアのお陰で濡れに対しての心配をする必要が無く、フットプリントを使用せずにテストしました。(寒さ対策としてフットプリントを使用するかは実際悩みましたが・・・。)
シングルウォールの代名詞「結露」とサヨナラ!
そして、Samayaのテントで一番のポイントは、本体に使用している生地が日本企画の最先端防水透湿生地を使用しているというところ。もう少し分かりやすく言うと、3レイヤーの超軽量レインウェアーの生地で、テントの本体が作られているという事。
多くのテントは、防水性が高い生地を使用してはいるものの、透湿性に関してはあまり高いモノはあまりなく、結果的にテント内に“結露”が発生してしまう為、多くのブランドが、ベンチレーションやダブルウォールにする事で、その問題をクリアにしようとしてきました。(ダブルウォールのテントは、結露問題を解決する為だけに作られたモノではありません。)
ただ、実際にところはどうでしょうか。結局、結露問題はなかなか解決されません。
とは言え、正直、「レインウェアーにも使用されている生地でテントを作りました!」「透湿性が高いです!」と、言われてもあんまりピンと来ないと思います。実際に私もそうでした。
ただ、下にインスタにアップした写真と、2枚目にある動画をご覧頂ければ、Samayaのテントの透湿性の高さが非常にわかると思います。
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この写真と動画を撮影した状況として、朝イチにベースキャンプにテントを設営。天気の良い中、約4.5時間ほどBCを楽しみ、晩ごはんを食べて19時過ぎにテントに戻った時の様子。
20dのリップスストップナイロン素材で作られた全室部分の内側は、結露が発生し既に凍りついています。一方、本体部分は、同じ環境下でありながら、凍りつくこと無く結露もみられません。
その後、男性二人が朝までこのテントの中で寝ましたが、寝ている最中に結露等に悩まされる事無く快適に睡眠!
おそらく、本体の透湿性の高さに、ボトムの防水性が相まった結果なのではと思ってます。ただし、今回は前室を含みテント内では、調理や温かい飲み物を飲むなどの、湿度が高まる作業は一切しておりません。おそらく、これらの事を実際にテント本体の部分や前室で行えば、多少の結露は出ると思いますが、それでも、透湿性が低いテントに比べれば、確実に大きな差が出ることは間違い無いと思います。
前室使用で更に居住性アップ!
別売りの前室は、必要に応じてご用意して頂くと良いと思いますが、色々な環境下でテント泊を快適にするのであれば、あるにこした事はないアイテム。
その前室は、日本で販売されるのは20dのリップスストップナイロン性のモノ。6角形のカタチの本体に対して2辺の壁面に前室が取り付けられる仕様となっています。実は、この2辺に取り付けられる所がポイント。
前室を外から見た場合は、左側からジッパーが開き前室部分が開放されます。それに対し、本体部分の入り口は、開けた前室に対して正面にはこず、必ず左側or右側にずれるようなカタチとなります。
これに対しては最初は違和感しかありません。
赤色のライン:テント本体( ① or ②が本体の入口)
青色のライン:前室のカタチ(前室の入口は正面から見た場合左開きになります。)
ただ、これにも理由があって、例えばストーム(雨や雪)の中でテントでの停滞を余儀なくされた場合、前室と本体の入り口がずらしてある事によって、本体の入り口を開けたままにしておいても、前室を開けた時に本体に雪等が降り込むことを軽減してくれます。
また、前室から本体への入り口の導線の横に、土間のようなスペースが出来る為、そこにBAG勿論、調理器具等を置いておく事も可能となります。
設営も非常に簡単
本体は、合計3本のダック社製のポールで設営。3本のうち1本のみオレンジ色となっており、テント本体のポールスリーブの入り口に赤色のテープが印されている所に、そのオレンジ色のポールを入れていきます。
(オレンジ色のポールを赤いテープの付いたスリーブから入れる)
(青色のポールは、グレー色のテープのスリーブから入れる)
基本的にポールを入れるスリーブは一方通行。入り口が必ず決まっており、ポールを奥までしっかり滑り込ませた後に、テント本体のグロメットに対してポールの先端を差し込んで立ち上げれば完成。故に、ポール自体に入れる方向が決まっているので、その点だけ注意!
テント内のポケットも充実
天井部分やサイド部分にメッシュポケットがあるので、テント内で迷子になりがちのアイテムを収納しておくのに非常に便利!
まとめとして
今までにないぐらいに機能素材を盛り込んで作られたシングルウォール・テント。それだけに、お値段は決して安いとは言えませんが、防水透湿性・軽量性・携帯性・居住性・そして、それらから生まれる驚くほどの快適性は、実際に見ていただいたり使用して頂ければ、その価値はお分かり頂けると思います。
一人ようの軽量テントは既にお持ちの方でも、複数人で使用出来るテントをお持ちでない方も多いと思います。また、ブランドのコンセプトとは意に反するかもしれませんが、大人であれば二人ぐらいのキャンプや、お子様が小さい方のファミリーキャンプ等のシーンでも活躍する思います。
たった、一度だけの使用で私自身その良さに魅了されております。ただ、まだ一度しか使っていないので、見えていない長所短所もあるでしょう。予定では、3月の発売にあわせて、moderateでも展示即売会を行います。日程は未定ではございますが、楽しみにお待ち下さい。
投稿者:飯田