トレイルランニングの魅力の一つはロードと違い、路面が走る山域や天候によって変化するところ。樹林帯の道は柔らかい腐葉土が多く、秋には落ち葉でさらにフカフカの道が楽しめたりもします。しかし、状況によってはドロドロにぬかるんだ道もあれば、地面が固い岩場の道もあったりするもの。今回ご紹介するのは、そんなハードコンディションのでの使用を想定したオフロードシューズ。
ALTRA KING MT1.5 ■
「KING」の名前に負けないガッチリした印象。グリーンとイエローの鮮やかな配色は限定モデルとなっています。スタックハイトは19mmとなっておりハードコンディションでの使用を想定しているならもう少し厚くてもいいんじゃないかな…と思ってしまいます。しかし、ミッドソールにはストーンガード(プレート)が入っおり、荒れた地面や石の突き上げから足底をカバーしてくれるのでこの厚さでも意外と大丈夫なんです。
前モデルからの変更点
moderateでは今季からの取り扱いとなるのですが、前モデルから「1.5」にアップデートしたことによりアッパー部分のベルクロストラップの配置が少し後方に下がりました。このストラップは元々、トレイルでの下りの際にシューズ内で足が遊んでしまうのを防ぐ為に備え付けられた物。前モデルの取り付け位置ではシューズの屈曲部分に干渉してしまい足の甲が痛くなってしまうことがあった為、取り付け位置が見直されました。ダートな路面を駆け降りる際にはしっかりとストラップを締めることで攻めのダウンヒルが楽しめます。
アッパーは砂や小石をブロックする仕様
LonePeak3.5■の様なメッシュ地では無く、SUPERIOR 3.5■の様なアッパー生地になっているので微細な異物の侵入を防いでくれます。荒れた路面を走る際には集中力を要する為、シューズ内の違和感には気を取られたくないところ。ゲーターアタッチメント用のマジックテープも踵に装備されているのでザレ場が多いルートや残雪の山を走る際にはゲーターの併用がお勧めです。■
そして、踵の作りこみにも注目です。ナチュラルランをより楽しむ為にKING MT1.5にはヒールカップが備え付けられていません。より裸足感覚に近くする為に敢えて取り付けていないと思うのですが、カップが付いていないと踵の安定感が落ちてスッポ抜ける感じになるんじゃないかと心配になるところ。しかしKING MT1.5の踵は特殊な仕様になっており、例えるなら鮫肌の様な一方向に摩擦力が働く作りになっています。シューズを履く際には何も感じないのですが、脱ぐ際に踵がやけに引っかかる感じがしたので指で触ってみると非常にザラザラした感触で踵がシューズから脱げる方向に動くと摩擦が働くようになっていたんです。この加工によりヒールカップを無くしても大きく安定感を損なわずに走ることが出来ます。
ソールはVibram MEGAGRIPを採用。店内でご試着されるとお分かり頂けるのですが、ファイブテンのステルスソールの様にシューズが床に吸い付く様な感覚を感じられます。ラグは深めに取ってあるので、ぬかるんだ柔らかい地面にもグリップ力を発揮し、MEGAGRIPの粘り強さが岩場でもしっかりと食いついてくれます。最後の最後までグリップを効かせられるようにつま先端部までラグが入っているのも特徴的です。
重量は実測値で25cm(270g)、26cm(279g)、26.5cm(288g)、27cm(300g)、27.5cm(309g)、28cm(321g)、28.5cm(322g)となりました。(若干個体差があります。)ガッチめの作りのため、やはり少々嵩が出てしまいますがプロテクション性やグリップ力を加味すれば妥当と言えます。
鈴鹿山域であれば御在所や鎌ヶ岳周のような地質にはピッタリだと思います。これから雪解けの時期に、残雪低山ランでも活躍してくれること間違いなしです。ガッチリ咬むグリップ力があれば普段よりも少し攻めた遊び方も出来ます。KING MT1.5 ■でトレイルの遊び方に幅を出してみては如何でしょうか。もちろん、安全第一はお忘れなく。
本日のブログは膝の調子を治す為にリハビリ中の松下がお届けしました。
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