岩稜帯でも安心して使える軽量レインシステム

少し前のお休みの日。同世代の子どもがいる外遊び好きのファミリーが集まり、三重県民の森公園でピクニックをしてきました。

少し風がありましたが、良い天気に恵まれて終始笑い声が聞こえる素敵な会となりました。わざわざ三重までお集まり頂きました皆様、ありがとうございました。次回は、しっかり登山をしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

しかし、小さな子どもの成長は早いもので、ついこの間までヨチヨチ歩きで後ろから心配して着いて回っていたのに、いつの間にか軽快にトレイルを歩く程になっている。ほんの1年も経たない間にこの成長率。大人の自分は去年よりも何か際立って成長した部分はあるのだろうか…と自然の中で若干焦りを感じました。この大人特有の停滞感。これを払拭する方法はただ一つ。

 

「童心に帰って本気で遊ぶ」これしかありません。服が汚れるとか濡れるとか、そんな事はどうでもいい。今を全力で楽しむのです。そうすれば、気にしていた停滞感はどこへやら。今回の遊びからも、この時期の水溜まりって意外と冷たくない事が知れましたし、歩き慣れたトレイルでも、少し屈んでわざと目線を低くし、子ども視点で歩いてみると普段気付かない発見があったりするので意外とおススメです。

仕事の時は大人らしくしているんだから、遊ぶ時ぐらいは大人らしくなくてもいいじゃないですか。
子ども達の姿を見ていると自分の遊びへの本気度がまだまが足りていないように感じるので、もっともっと極めていきたいと思います!!

 


 

さて、本日のブログは私的「あったらいいな」が製品化されたアイテムをご紹介させて頂きます。

 

THE NORTH FACE  FL PARABOLA JACKET & PANT

トレイルランニング用に設計された防水のジャケット&パンツ。よくあるラン系の防水シェルとの違いは岩稜帯での使用も想定しているところ。軽さのみに特化しているわけではなく、雨風に対してのプロテクション性と強度の両方を高いレベルで両立させる事を目的に作られたウェアなのです。そして使用されている防水素材は非常に高い透湿機能を備えたFUTURELIGHT。

では、どの様にして軽さと耐久性を両立させているかを見ていきましょう。

 

ポイントで使用されているポリエチレン素材

パンツ、ジャケット共に強度が求められる部分は、ポリエチレン素材のリップストップ構造の生地が使われています。簡単に言うとダイニーマと同等の強度を持った繊維の素材でリップストップ加工が施されているということ。ジャケットは前身頃・肩・袖、パンツはお尻回りと前側の膝下といった具合に擦れやすい場所に配置されています。

 

もちろん、軽さと強度だけでは無く、それぞれの使い勝手もしっかりと考えられています。

 

ジャケットの特徴

スタッフバッグが付属しており、重量は約165g(Lサイズ)という軽さ。真っ白な色味は奇をてらっているわけではなく染加工を行っていない生地を使用しているから。敢えてアンダイド(染めていない)生地を使用するのは、衣服を染色する過程で大量の水を消費する事へのメッセージも含まれていると思います。自然の中で遊ぶのだから、少しでも自然の事を気にとめませんか?…という作り手の気持ちを感じます。

 


163cm / 54kg / Size : S

ランニング系のシェルなので、中に沢山着込む想定はしておらず、ゆとりが大きくあるデザインではありませんが、腕振りを計算して作られた肩回りは走る動きを妨げず快適に行動し続けられます。

 

また、アルプスの岩稜帯になると鎖場や梯子場も多く、腕を大きく上げる事も多々あるのですがそういった際に裾のずり上がりが非常に少ないんです。このあたりは、流石ノースフェイス。ランニングウェアだけでなくアルパインウェア作りのノウハウを持っているからこそ出来る作り込みです。

 

また、フードの立体裁断も非常に優秀。ツバ部分にはワイヤーが入っているのでお好みの形状に変えることが出来ます。

 

特にフードの上からヘルメットを被った際に微妙なツバの形調整が出来るのはありがたいところ。視覚の広さは動きのスピード感や安心感に直結するので、こういった実際に使用しないと分からない機能性が非常に重要。

 

そして、ありそうであまり無いのが袖口のベルクロ。ランニング系や軽量系の防水ジャケットは軽さに特化させる為に袖口はシャーリング仕様の物が多いのですが、ストックを使ったり腕を上げたりすると袖口から雨水が入ってしまう事があります。その点、ベルクロはしっかりと閉じる事が出来るので、長時間の行動や天気が変わりやすい高山帯での使用には嬉しい機能なのです。

 

 

パンツの特徴

パラボラパンツもジャケット同様にランニング向けの形なので、裾に向かってテーパードがしっかりときかせてあり、足さばきの邪魔にならない細さになっています。

 

サイドファスナーがフルオープンに開くのでシューズを履いたまま、雪渓であれば軽アイゼンを着けたままでも脱ぎ履きが出来ます。しかし、ここで一つ感じるのが、この手のパンツは実際に穿く時にどっちが前か、どことどこのジッパーを合わせればよいのかが一瞬分からなくなるんです。

夏シーズンになればザっと雨に降られる事もあるので、出来るだけ早く防水ウェアを着たいところ。そんな時にマゴマゴしていては防水パンツの裏地も雨で濡れてしまいます。

 

そんな問題を解決すべく搭載されたのが、このウェスト部分の細いコード。穿く際には、まずこの二本のコードを手に取ります。

 

そして、ウェスト部分でパチンとコードを止めます。

 

引きで見るとこんな感じ。どうです?これでパンツの後ろ前、左右が一目瞭然。これならば「こっちが右側で、こっちが左で、ジッパーを止めて…穿いてみたら前後逆!?」なんて事も起こりません。

 

後は両サイドのファスナーを合わせてジッパーを閉めるだけ。何も考えず、感覚的に穿く事が出来る画期的な機能です。特に長時間動いて頭が回らない時なんかには、こういった単純だけど分かりやすい機能が生きてきます。

パンツも約140g(Lサイズ)という軽さを実現しており、サイドフルオープンでこの軽さは驚きです。勿論、FUTURELIGHTを使用しているので、防水素材にありがちなガサガサ感も無く柔らかい穿き心地なので長時間の着用でもストレスが非常に少ないのも特徴。

 

どのようなシーンに向いているのか

私が20代そこそこの頃、とにかく山の経験が積みたくてアルプス級の山をランスタイルで登っていました。当時は、今ほど軽量化の波は来ておらずファストパッキング向けのパックも限られていてMacpacの物をずっと愛用していて山でトレランシューズを履いている人もまだまだ少数派。トレランシューズで山に入る事を注意されることも時折ありました。そんな時なので、軽量防水ウェアの選択肢も狭く中々自分の遊び方にハマる一着がありませんでした。欲しかったのは岩との擦れに気を使わず、軽くて携行性の高い防水ウェア。まさにパラボラジャケット&パンツがドンピシャなんです。

アルプス級の山だけでなくても、ランからハイク、ファストパッキング等、色々なアウトドア遊びを包括的に楽しまれている方にもおススメです。遊びの幅が広がるとそれぞれの用途に合わせた防水シェルが必要になるのですが、予算的にも全てを揃えるのは難しいところ。軽さを重視すると強度の不安が出てしまう、でも強度を取ると重量が気になる…そんな悩みを解決してくれるアイテムであります。強度を重視しているのは、部分的ではあるのでそこは理解したうえで着用しなくてはいけませんが、一着で色々な遊びで使いたい方や地元の低山からアルプスの高山域等幅広いひょうこうをスピーディーに動きたい方にピッタリハマるアイテムと言えます。

かなりマニアックなウェアですが、気になる方は是非店頭でご試着してみてください。見た目はちょっといかつく見えるかもしませんが、手に取るとその軽さに、着てみると柔らかさに驚く事間違い無しですよ!

本日のブログは松下がお届けいたしました

 

 

 

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