あっという間に桜の季節も終わり、GWが目前に迫ってきました。店頭でお話しをさせて頂くお客様の中にも連休を利用して山遊びを楽しむ予定を立てられているが多くいらっしゃいます。遠出をするとなると、気になるのが天気の問題。連休中、ずっと晴れていれば良いのですが、時には雨天の中を行動しなくてはいけない時もあります。
そんな時に重要になってくるのがレインウェアの機能性。衣服の中に水を入れない防水性は勿論のこと、蒸れを軽減してくれる透湿性も非常に重要。しかし、いくら高スペックのウェアを身に纏っていてもちゃんと手入れをしないと、その機能を活かす事は出来ません。
如何に高い透湿量性能を持っていても、生地の表面の撥水力が落ちてしまい、表地が水を吸ってしまえば透湿性が一気に落ちてしまいます。故に、ハイスペックなレインウェアを使いこなすにはマメなお手入れが必須となるのです。
お手入れ方法~何故、柔軟剤NGなのか~
レインウェアのお手入れ方法は何となく分かっているつもりだけど、実のところ合っているかどうか自信が無いんだよね…という方。ご安心ください。patagoniaが非常に分かりやすく動画で配信してくれています。
お手入れ方法の中でポイントになってくるのが、洗剤の種類。柔軟剤や蛍光剤、漂白剤等はNGとなります。何故ダメなのかと言うと、柔軟剤等は水ですすいでも落ちにくく、生地に留まる事でその機能(生地を柔らかくする)を発揮します。生地が柔らかくなる分には気心地や肌当たりが良くなるので良いのですが、柔軟剤等はその性質上、水分や油分を寄せ付けやすい特性を持っているのです。故に水分や皮脂等を寄せつけてしまい、撥水機能を低下させてしまいます。
また、皮脂汚れは防水素材の劣化を早めてしまう為、製品の寿命を縮めてしまう事にも繋がりかねません。
アウトドアフィールドでしっかり着用した場合は、皮脂汚れが付きやすい場所を入念に洗う事をおススメします。例えば肌と直接触れやすい襟元。多くのメーカーさんは、首と生地が直接触れにくいように生地を当ててくれています。この生地は、肌当たりを良くする目的だけでなく皮脂汚れを防ぐ為の物でもあるのです。
そして、意外と知られていないのが袖口の内側。手首部分も肌と直接触れる事が多いので入念に洗って頂きたいポイントです。ちなみに洗う頻度ですが、山でしっかり着たら洗ってあげてください。「防水系ウェアは、あまり洗わない方が良い。」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、先述の通りアウトドアウェアにとっては、皮脂汚れがよろしくないのでマメなお洗濯が製品寿命を延ばすコツとなります。
どのような洗剤を使うべきか
ずばり一番のおススメは、アウトドアウェア専用の洗剤です。生地へのダメージ等を考慮して作られているのは勿論ですが、環境への配慮もしっかりしてくれています。写真の洗剤はSTORMなのですが、マイクロプラスチック汚染に配慮して、容器をアルミボトルにしており、環境汚染の原因となるPFC(過フッ素化合物類)を使用していない地球に優しい洗剤となっているのです。
そして、マニアックな話になってしまうのですが個人的にはSTORMの撥水剤の分子構造にに注目しています。
こちらはイメージ図になるのですが、STORMの撥水剤は細かく枝分かれしたハイパーブランチ分子構造をしているので、外側の細かい枝部分が衣服の繊維や撥水分子同士の結合部分を増やしてくれることで、非常に耐久性の優れた撥水力を発揮してくれます。正直、撥水剤もそこそこのお値段するので、機能が長持ちするに越した事はありません。
また、STORMの洗剤と撥水剤は店頭にて量り売りも行っております。容器によるゴミの削減が出来ると共に、パッケージが無い分、少しお得な価格となっております。STORMの空容器は勿論の事、ご自宅で空いているビンやボトル等を持参頂けば100ml単位で販売させて頂きます。必要な時に、必要な分だけをご購入頂ければ、お財布にも環境にも優しく出来ますからね。
お洗濯や道具のお手入れって結構面倒くさいのですが、私は少しでも楽しい気持ちで作業をする為に、その日の山行を思い出して、頭の中であれやこれや想像しながら手を動かしています。そういう時にハッと気づく事があって装備の見直しが図れたり、レイヤリングの改善点が見つかったりするんです。私と同じ面倒くさい派の方は、作業しながら妄想にふけるルーティーンを是非取り入れてみて下さい。思わぬ気付きがあるかもしれませんよ!
本日のブログは松下がお届けいたしました。