山で使う為の包丁 EVERNEW 深山包丁

久しぶりに刃物のお話しです。EVERNEWからとても面白い刃物が登場しているのをご存知でしょうか。

 

EVERNEW 深山包丁

全長176mm、刃長97mm、刃物用ステンレス鋼を使用した山専用のコンパクトな包丁。ポイントとなるのは「山専用」である事。大きすぎればパッキングの際に邪魔になるし、小さ過ぎれば刃物としての機能性が落ちる。そこを試行錯誤して生み出された絶妙なサイジングになっています。

 

さらに、この独特なカーブを描いた刃の形状にもご注目。山では安定した場所で調理出来ない場合もあります。小さなまな板を膝の上に乗せて切ったり、または川原の石をまな板代わりにしたりと…そういったシチュエーションでも操作がしやすいような形状になっているので、気持ち良く食材をスパっと切る事ができます。また、刃付けの工程は包丁の刃付けを得意とする職人の手によって行われており、刃物の街である岐阜県関市で作られています。

 

でも、ここで一つの疑問が。

山に持っていくならナイフでいいんじゃない?
何でわざわざ包丁なの?

 

私の過去のブログでもナイフの機能性や魅力を沢山お伝えしてきております。それらを差し置いて山に持っていく刃物が包丁でいいのだろうか。

結論。食べ物を切るのであれば包丁でいいんです。
いや、食べ物を切るのであれば包丁がいいんです。

 

その理由となるのが、写真の部分。包丁は基本的に持ち手から刃にかけて段差があります。

 

それに比べてナイフは持ち手と刃の高さに殆ど差が無く、ほぼ一直線。この構造の差が使い勝手に大きく影響を及ぼします。

例えば、ナイフで食べ物を切ろうとした時。

先端をまな板につけて、そのまま刃をストンと降ろしてくると….

 

 

この様に持ち手を握っている指が邪魔をして刃がまな板から浮いてしまいます。故にナイフでまな板の上に置いた物を切る時は、先端をまな板に付けた状態で引く形で切る事になります。この切り方では細かい物を切る時には非常に非効率となってしまうところ。

 

それに比べて深山包丁は先端を付けた状態から….

 

ストンと降ろしてきても手が邪魔する事無く、刃全体を使って効率的に切る事が出来るのです。故に包丁は持ち手と刃の間に段差が付けられているという訳です。勿論、ナイフの方が優位に働く時もあります。フェザースティックを作ったり、バドニングをしたりと、力の必要な作業をする時はナイフの様なハンドルと刃が一直線上にある形状の方が使い勝手がよくなります。

 

そして、深山包丁のさらなる魅力ポイントがこの持ち手。軽量化の為に肉抜き加工が施されており、金属が剥き出し状態になっています。この形の最大の利点は軽量化だけではなく、魚を捌く時にあります。刃物の多くは持ち手に樹脂素材や木材等が使われているのですが、そういった素材の細かい隙間に魚の血が入ると非常に取り辛く、洗うのが大変なんです。故にこれぐらいシンプルな方がお手入れがとても楽ちん。渓流魚であれば十分捌けるサイズの刃長なので、沢登や沢歩きのお供にもおススメです。

 

シース(鞘)も含めて約34gと超軽量なので、ナイフとダブルで携帯しても殆ど負担になりません。

 

ちなみに、もっとミニマルなスタイルを追求されたい方は、さらに小さい深山小刀がおすすめ。こちらはシース(鞘)と合わせて約14gと驚く程の軽さになります。

 

軽い分、刃長が短くなるので使い手の力量が試されますが、そこも込で使いながら慣れて頂ければと思います。

 

私のプラスワンアイディアとしまして、極細の細引きマイクロコードをハンドルに付けてみました。調理の際に無くさないように首からかけておけるのと、使用する際にはコードをハンドルに巻き付けて使います。

 

この様にするだけでグリップ力が上がってより操作性が上がるんです。シンプルな作りであるが故に使い手の発想次第で、より使い勝手を良く出来るのも特徴と言えます。

山で積極的に調理される方には是非、使ってみて頂きたいアイテム。実物がmoderate3Fギアフロアに並んでいますので、気になる方は店頭で手に取ってご覧ください。

本日のブログは松下がお届けいたしました。

 

 

 

 

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