Teton Bros. の代名詞とも言えるTsurugiシリーズ。深く入ったフロントの斜めファスナーは、一目でそれと分かる特徴的なデザインで元々はアイスクライマーの足元の視認性を良くする為のもの。そして、当初から防水通気素材であるポーラテックネオシェルを使用しておりましたが、2021年から東レのタズマへと変更されました。Tsurugiシリーズも新しくなっているのです。
Teton Bros. Tsurugi Light Jacket ■
Tsurugiシリーズの中では無雪期の山行に向いているTsurugi Light Jacket。Mサイズで約240gという軽さでありながら、通気性を併せ持つテクニカルシェル。先述の通り、斜めファスナーの印象が強いアイテムですが、ソフトシェルの様な快適な着心地も人気の一つでもあります。
また、雨天の中での行動ではフードを被りっぱなしになるので、その際の快適性も重視しています。フード着用時、重要になってくるのが視界の確保。ツルギライトのフードのツバ部分には固めのワイヤー状の素材が配されています。
それにより、フードを着用した際、ツバ部分が落ちてくることなく広い視界が確保されるのです。また、ツバがしっかりと機能することにより水滴の滴りが顔に落ちてくる事も防げます。
フードを着用するシーンは雨天の時だけでなく、防寒性を必要とする時もあります。例えば、ご来光を待っている間は夏の高山域でもインサレーションは必須。それでも寒い時は、上からハードシェルを着てフードも被ってじっと待つ。そんな時にもフードの機能性が体感温度に影響します。
殆どのハードシェルのフードにはドローコードが配されており、それを絞る事で顔回りのフィット感を上げます。そしてツルギライトのフードのコードはフラップの内側に配されているので、絞る事で顔のラインにピッタリとフィットするのです。これにより冷たい空気の流入を防げるので頭回りを効率的に防寒する事が出来ます。
フード後部に付いているベルクロで被り具合を調整出来るので、頭が小さめの方でも被りが深くなり過ぎる事もありません。尚、ツルギライトのフードはヘルメットの上から被る想定はしていません。ヘルメットを着用する際は、フードを被った上からヘルメットを着用する形となります。
フード一つにしても、色々と作り込まれているのですが、個人的におススメしたいのがフロントポケットの使い方。
斜めに走るフロントファスナーと並行して付いているポケットなのですが、内側はメッシュになっているのでベンチレーションとしての機能も備えています。
ここに、AXESQUINのカルフワタオル■を入れておくと、停滞時にお腹周りを効率的に保温出来ます。勿論、カイロでも良いのですが、カルフワタオルはその名の通り、汗拭き用のタオルとしても使えて腹巻にもなって、マフラーとして使える…一つで何役もこなせる便利アイテム。また重量も55gと非常に軽いので自らの発熱機能を求めなければ、カイロよりも優秀なんです。
【着用モデル 身長:163cm 体重:55kg Size:S Color:Brown1】
プルオーバーであるが故に、脱ぎ着に不便さを感じる方も見えるかもしれませんが、慣れてしまえばそれ程ストレスには感じません。また、生地が柔らかく防水通気素材であるが故にソフトシェル感覚で着用し続けられるので、汗を大量にかく様なペースや湿度や温度の高い気温下での山行でなければベンチレーションを上手く活用する事で脱ぎ着の頻度を減らす事が出来ます。
フロントファスナーはダブルジッパー仕様になっているので、中にサコッシュを付けたまま着用した際でも濡らす事なく上手に物の出し入れが出来ます。晴天時の防寒着として着用している時には、フロントポケット以上の大きなベンチレーションとしても機能するので、体温調整がしやすくなっているもう一つのポイントです。
Teton Bros.の特徴の一つである色味は、着物や和服から着想を得ています。日本人にフィットしやすい日本の色を採用しているので、アースカラー系のくすんだ色目が多いのです。
山だけでなく、音楽フェスやキャンプの際にも使いたいという方からも人気のアイテムとなて
そして、今期からmoderateで取り扱いの始まったモデルがこちら。
Teton Bros. Yari Jacket ■
プルオーバーのツルギライトに対して、スタンダードなフルジップタイプがヤリジャケット。防水素材は同じくタズマを使用しているので、生地の柔らかさや通気性による気心地はツルギ同等。汎用性を上げる為に登場したのがこちらのモデルとなります。
自分は汗っかきだから、いくら防水通気素材と言えどマメに脱ぎ着をして体温調整したい。
山でも着るし、日常の羽織としても着用したい。
プルオーバーは格好良いけど、やっぱり前から着ているスタンダードなタイプで買い替えたい。
そんな方達におススメなのがヤリジャケットになります。
パックの腰ベルトに干渉せず、ショルダーストラップに邪魔されない絶妙な位置に配されたポケットはダブルファスナー仕様で、内側メッシュのベンチレーション機能を備えています。
ツルギライト同様の視界確保性を備えたフードは一カ所のドローコードで顔回りと後頭部、縦横2方向の調整が可能となっており、フードはアルパインヘルメットを着用したままでも被れる大き目の作りとなっています。
また、袖口もツルギライトが手首にフィットするコールゴム仕様(写真右)となっているのに対し、ヤリジャケットはグローブのカフを入れ込みやすいベルクロ仕様(写真左)となっています。
【着用モデル 身長:163cm 体重:55kg Size:S Color:Olive】
身幅はツルギライトジャケットよりややゆったりとられているので、レイヤリングの嵩が増えてしまう様なシーンでも着用しやすくなっています。最初に汎用性という表現を使わせて頂いたのですが、言い換えればより広範囲で使えるように作られたジャケットでもあります。生地の強度や防寒力をしっかりと把握し、ちゃんとしたバックアップを用意したうえであれば、低山の雪山でも使用する事は出来ると思います。
重量はMサイズで約305gとツルギライトより重くはなってしまいますが、一着で色々と使い勝手が効くハードシェルは欲しい方にチェック頂きたいアイテム
どちらも人気商品なので、色によっては早くもサイズ欠けがおきています。気になっている方は。お早めに店頭でご試着してみて下さい。
本日のブログは松下がお届けいたしました。