もう少し。もう少し涼しくなったら焚き火が楽しい季節。火遊び好きにはたまらない、最高の季節がやってきます。一言に「焚き火」と言っても楽しみ方は人それぞれ。大きな炎を皆で囲み、豪快に料理を楽しんだり。小さな揺らめく炎を一人でのんびり眺めたり。十人十色の楽しみ方があります。
そして、私のおススメは「着火」から楽しむ事。薪に火を付ける際、着火剤やライターを用いれば簡単に作業が出来ます。それはそれで、らくちんで良いのですが、せっかくならスタート時点から楽しみたいところ。ナイフで薪を割って、フェザースティックを作ってメタルマッチで着火する。この一連の流れがまた楽しいんです。勿論、慣れないと苦労しますが、大変なおもいをして出来た焚き火は一際美しく見えるもの。
本日のブログでは、そんな焚き火シーンを楽しむのに役立つJOKERのナイフをご紹介させて頂くのですが、当店では3つのラインナップを揃えております。
この記事の概略として
moderateのJOKERラインナップ
上から順番にノマド ■ 、エンバー■ 、リンクス■ 、となっております。どれもスペイン生まれのナイフメーカーJOKERを代表するモデル。ここ最近、シースナイフ(鞘付きナイフ)を探してご来店頂く多くの方が「どれを選んだらいいのか分からない。」とおっしゃられます。それもその筈。人生でナイフを買うなんてこと、そうそうありませんから。
そこで、今回のブログではこの3モデル達がどう違うのか。また、どういう基準で選べば良いのかを解説させて頂きます。まずは、それぞれのモデルの特徴を…
JOKER|ノマド ウォールナット ■
全長:250 mm、刃長:127 mm、刃厚:5 mmと全体的に大き目な作りをしたブッシュクラフトナイフ。見た目だけでなく、タフな使い方も出来るので薪を割るバトニングは勿論、チョッピングに使う事も可能です。ハンドルにはウォールナットを使用しており、使い込む程に味がでてきます。
ブレードの形状は、薪割をしやすいコンベックスグラインドとなっており、手に持った時のずっしり感と相まって非常に安心感のあるナイフです。ただ、刃が長めなのと刃厚がしっかりとられているので初めてナイフを使う方は、慣れるまで取り回しに苦労するかもしれません。
JOKER|エンバー ウォールナット ■
全長:223 mm、刃長:105 mm、刃厚:3.7 mmのブッシュクラフトナイフ。ノマドと比べると小さく感じますが、扱いやすいサイズ感となっており、ハンドアックスとや鉈等と2本使いする時には使い勝手の良いタイプ。ハンドルはノマド同様ウォールナット製。
刃の形状はスカンジグラインドなので、フェザースティック等の削る作業の操作性も高いのが特徴。勿論バトニングも可能。刃の長さが扱いやすいサイズ感なので多くの方に人気のモデルです。
JOKER|リンクス ■
全長:225 mm、刃長:105 mm、刃厚:4 mmのブッシュクラフトナイフで先に紹介した2モデルと違い持ち手がキャンバスマイカルタのタイプ。生地素材を何層も重ねて作るキャンバスマイカルタは、天然木よりも水濡れに強い特性を持っています。
ブレードの形状はセーバーグラインド(フラットグラインド)なので、今回ご紹介している3モデルの中では最も食材を切りやすいタイプと言えます。刃厚4mmのフルタング構造なので、こちらもバトニングOKです。
ブレードの形状とサイズに注目
ざっとここまで基本的な特徴をご紹介させて頂いたのですが、最も注視して頂きたいのがブレードの形状。左からセーバーグラインド(リンクス)、スカンジグラインド(エンバー)、コンベックスグラインド(ノマド)という形状で並んでいます。そして、最も左のセーバーグラインドが食材を切るのに適しており、最も右のコンベックスグラインドが薪割に適しているのです。勿論、コンベックスでも食材を切る事は出来ます。しかし、ブレードの側面に丸みも持たせてあるので、ニンジンやジャガイモ等の目が詰まった食材を切ろうとすると、食材自体がパカっと割れてしまう事があります。
ブレードの形状によって得手不得手があるのは分かるけれど、今一イメージが掴みにくい…。そんな方は下記のブレード断面図のイラストをご覧下さい。先日店頭で開催頂きましたスタッフ向けのナイフ講習会でメーカー様より、とても分かりやすい資料を頂いたので活用させて頂きます。
ブレード断面図
今回、ご紹介させて頂いてるリンクスが左から2つめの形状(フラット又はセーバー)、ノマドが右から2つめの形状(コンベックス)、エンバーが最も右の形状(スカンジ)となっています。それでは、それぞれの形状のイメージが出来たところでもう少し掘ってみましょう。
フラットグラインド (リンクス■)
包丁に似たフラットな形状なので刃先のコントロールがし易くなっています。故に食材カットがしやすいので、調理にも積極的に用いる事が可能。刃厚がしっかりあればバトニングも出来るのでリンクスは料理好きなブッシュクラフターにおススメです。
コンベックスグラインド(ノマド■)
蛤刃とも呼ばれる形状で、ブレードの背中から刃に向かって緩やかにRを描き丸みを帯びている形状です。斧や鉈等の薪割の道具に用いられている形状で優れた強度を持っていますが、研ぎ直しにテクニックが必要です。また、先に記した通り、ニンジンやジャガイモ等をカットすると食材が割れてしまう事があるので、調理専用ナイフには向きません。故に、ナイフ一本で焚き火をしたり、枝を払ってタープを立てるポールを作ったりとタフな用途で使いたい本格的なブッシュクラフター向きと言えます。
スカンジグラインド(エンバー■)
古くから北欧で用いられている形状で、モーラナイフがこの形状をしています。食材カットにはやや不向き(コンベックス程では無い)ですが、割る・削る等の基本的な作業はこなしやすいオールマイティータイプと言えます。また、研ぎ直しも簡単に行えるので、初めての一本にはおススメなタイプです。
ブレードの形状や刃の長さ、タングの構造等、様々要素を加味すると自分の用途に合った一本が見えるようになってきます。勿論、最初の一本を選ぶのは難しいと思うので、店頭でご相談下さい。おススメのモデルをご提案させて頂きます。
何度もブログでもお話しさせて頂いているのですが、ナイフは中途半端な刃物です。包丁ほど食材は切りやすくないし、斧や鉈の様にサクサク薪が割れるわけでもありません。ただ、包丁で薪を削ったり、割る事は出来ませんし、斧で食材を切るのも難しい。その両者の中間として機能するのがナイフなのです。一本あれば非常に便利。使い手の技術次第では包丁も斧も出番を無くしてしまう事もあります。まだ、ナイフを使った事が無い方。是非、チャレンジしてみて下さい。思っている以上にナイフ
本日のブログは松下がお届けいたしました。