ヘビロテできる一着 patagonia Ithmas Utility Jacket

春先に色んなシーンで羽織れます

moderateの店頭では、春先に羽織れる軽めのアウターを探される方が増えています。話を聞かせて頂くと、完全防水のレインウェアを普段でもアウターとして着たい、といったイメージをお持ちの方が多い様に感じます。

大雨が降っていたり、その中を何時間も行動し続けるようなシビアなアウトドアシーンでは、完全防水のウェアは非常に頼りになります。しかし、普段着やキャンプなどの軽いアウトドア遊びのシーンで使うウェアに、そこまでのシビアな条件に耐えられるスペックが、どんな時でも必要とは一概には言えません。

例えば、普段着として着たり、天気がいい日のアウトドアシーンで気軽に着たりするようなアウターには、小雨程度なら弾いてしまう撥水機能が備わっていれば充分です。また、多少の傷みを気にせずガシガシ着れるようなジャケットが欲しい場合は、完全防水の機能であったり極端な軽量化が施されているよりも、生地が頑丈なことの方が求められます。それに加えて、財布やスマートフォンなどの小物が収納しやすいポケットが備わっていると、ちょっとした外出や軽いアウトドア遊びでも、使い勝手が良くなります。

今回はそんな欲求に答えてくれて、軽いアウトドアシーンを始め、普段着としてもヘビロテできる、patagonia Ithmas Utility Jacketをご紹介します。

この位置、サイズのポケットが使いやすい

Ithmas Utility Jacketの胸に付けられたポケットは、このジャケットの見た目において最大の特徴で、他にはない目を引くデザインが素直にカッコいいと感じます。実際の使い心地も良く、物を入れて座っても、邪魔にならない絶妙な配置です。

このポケットにはフラップが付けられており、マジックテープで開閉できるため、ジッパー付きのポケットと違って物の出し入れがスムーズに行えます。通常のジッパーやボタンの付いたポケットの場合、グローブをしていると、開閉が大変ですが、マジックテープならそれが容易にできるため、ナイフやライターなどの小物を頻繁に出し入れするような作業でも難なくこなせます。

また、ポケットはサイズが大きい為、中に携帯や財布を入れても余裕があります。更にはマチも付けられているため物でパンパンになりにくいので、手ブラで過ごしたい時に便利です。

スナップボタンで開閉が楽

ジッパーを隠すように付けられている前立はスナップボタンで開閉できるようになっています。室内に入ってアウターを脱ぎたい時や、暑くなってしまった際には、あらかじめジッパーを閉めずにスナップボタンだけで前を留めておけば、ボタンを外すだけですぐに前を開けて体温調節ができます。また、一番上と下のスナップボタン以外は、フラップの内側に隠れて見えないようになっているので、スッキリした見た目にもなっています。

ボタンやポケットの沢山付いたジャケットはアウトドアのシーンでは活躍しますが、普段着として着た場合には少々厳つく見えるかもしれません。Ithmas Utility Jacketなら、見た目の面でも着るシーンを選びません。

 

袖に関しても同様で、スナップボタンで絞れる仕様になっています。ボタンを完全に外すと、袖口はワイドになるので、腕まくりができます。手を洗ったり、キャンプでの洗い物の際、袖を濡らしたり、汚す心配もありません。

 

 

patagoniaの名作「SST Jacket」からヒントを得る

 patagonia「Ithmas Utility Jacket」


patagonia「SST jacket」

ここまでご紹介させて頂きましたが、このウエアの画像をひと目見てピンときた方はかなりのpatagoniaマニアかもしれません。「Ithmas Utility Jacket」は、patagoniaのロングセラーモデル「SST Jacket」のデザインからヒントを得たモデルになります。目を引く特徴的な位置の大きなポケットは、もともとは釣り用のウェアに使われるディテールです。

モデルとなった「SST Jacket」は「salmon、steelhead、trout」の頭文字から「SST」と名付けられている事から分かる通り、フライフィッシングの際などに、鳩尾くらいまでの長さがある防水パンツ、ウェーダーを履くシーンを想定して作られていた為、丈は短めの設定です。特徴的な、胸の部分に大きく二つ付けられているポケットも、釣りのアイテムが出し入れしやすいように考えられたものです。

そのため、特徴的なポケットの配置にはきちんと由来があり、実際のシーンでの使いやすさや、機能性を考えて作られたデザインになります。

 

使用している生地 netplus について

patagoniaは環境に配慮したウェアを製造していることは周知の通りですが。このIthmas Utility Jacketを始めとして、patagonia製品に採用され始めている「netplus」に関しては、あまり馴染みのない方も多いと思います。

以前までは、漁をする際に使われる漁網はその他に再利用できる使い道がないため、そのまま海に廃棄されることがほとんどだと言われていました。海を漂っている漁網によって、多くの海洋生物が生命を奪われたり、怪我をしていると推定されています。

そこで、昨年の2021年秋冬シーズンからpatagoniaは、「netplus」として使用済みになった漁網を仕分け、清浄し、カットするという手間のかかる工程を経て、帽子のつばやナイロン素材のウェアに再利用する取り組みを行っています。例えば、環境に配慮した大規模な取り組みに、個人で直接関わることは難しくても、一人ひとりが着る服や道具を選択することで、環境に対して小さなアクションを起こすことは可能です。

 

今回ご紹介したような、色んなシーンで着ることのできる、便利でお気に入りのウェアが一着あれば、同じものを大切に、長く使い続けることができるため、環境への負荷も減らすことが出来ます。Ithmas Utility Jacketは、少し暖かくなり始めたこのシーズンに着やすい一着をお探しの方にもおすすめです。自分の必要に足りるヘビロテ必至、なウェア選びをしてみてはいかがでしょうか。

投稿者:井戸田

 

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