このブログは、前回私(飯田)が書いた「雪の藤原岳 ~山の魅力を一言でいうならば~(■)」の記事を書いた時の、藤原岳でのレイヤリングについて書かせていただきます。
尚、温かい・寒い等の体感は個人差があり、また、寒さを感じやすい部位やストレスに感じる部分も人それぞれです。常に、僕も自分なりの正解を探しながらレイヤリングを考えて山を楽しんでいます。
今回のブログも、皆様にとって1つの参考になれば幸いです。
この記事の概略として
気温4℃+風の中のレイヤリング
AM 6:00過ぎ、駐車場を出る時に手元の温度計を見ると気温が4℃。
体感的にはもう少し寒いと思い、少し変な期待をしながら温度計を見たのだが表示は体感程低くなく、そよ風程度の風がそうさせていると知る。
色々悩んだ結果、今回の予想気温・風速・天気・行動スタイル等を加味して以下のレイヤリングを行った。
《ベースレイヤー》
僕は、冬のベースレイヤーと言えば必ずウール製品を着用するのだが、今回は洗濯の都合で全て出払っており、ARC’TERYX Motus AR シリーズ(■)をチョイス。
(写真:ARC’TERYX / Motus AR シリーズ)
《ミッドレイヤー》
色々持っているアクティブインサレーションの中でSTATICのADRFIT CREW(■)にした。ただ、そのままでは通気性が高すぎるので上に重ねるウィンドシェルを着るのだが、そのウィンドシェルを、自身が所持する中で一番通気度の高いpatagoniaのAirshed Pro Running Pulloverに。(■)
(写真:STATIC / ADRFITシリーズ)
(肌面にくる絶妙な毛足と全体的にスカスカとも表現したくなるような通気性の高さがポイント。)
理由としては、天気予報では風速が強めだったが、藤原岳の山頂付近までは風がそこまで影響無いと考えたこと。また、その状況で、昨晩の降雪の影響でラッセルに近いシーンが続くと運動量が多くなるので、その時でもオーバーヒートしにくい、または、暑くなりすぎた時に、インサレーションとウィンドシェルがセパレートしている方が便利だと考えた為。
(写真:patagonia / Airshed Pro Running Pullover)
因みに、今回のレイヤリングは個人的にはストライクだった。
7合目を超えた辺りから、ヒップソリルートを使うなどで割と直登ルートを選び、キックステップが続くシーンが多くなり運動量も上がったが、Airshed Pro Running Pulloverの胸のジッパーを下から開けてベンチレーションとして機能させる事で十分に温度管理が出来た。また、この商品は、肘から袖に書けてがウィンドシェル素材ではなく、あくまでも薄手のベースレイヤーの為、暑さに耐えかねて袖まくりをするという事もなかった。
山頂付近で少し風が強くなるシーンがあったが、バラクラバを装着し首元の保温性をアップする程度ですんだ。お陰で、必要以上の汗もかかず、その事で濡れ冷えの心配もなかった。
結果的に、このレイヤリングで駐車場を出発してから山頂の小屋までの行動中は脱ぎ足しをする事がなく、非常に快適に過ごせた。ただし、山頂近くの山小屋では早々とARC’TERYX Nuclei FL Jacketを着用し、更には下腹部の冷え対策に patagoniaのalplight down pulloverを腰に巻いていた。ただし、休憩が終わり山頂へ行くときは、もう一度スタート時と同じ格好になり、その後は下山するまで一切レイヤリングは変えていない。
STATICのADRFIT CREWとpatagoniaのAirshed Pro Running Pulloverのセットアップは今後も登場シーンは多そう。
行動中のウェアー
ベース:ARC’TERYX / Motus AR ZIP
ミッドレイヤー:STATIC / ADRFIT CREW
ウィンドシェル:patagonia / Men’s Airshed Pro Running Pullover
パンツ:Teton Bros. / SERAC PANT
タイツ:Point6 / Base Layer Mid-Weight Bottoms
グローブ:ARC’TERYX / 薄手のレザーグローブ(廃盤品)
ソックス:FITS / ヘビー エクスペディションブーツ
その他:Point6 / Single Layer Long Gaiter
バックアップで携行したアイテム
シェル:ARC’TERYX / 廃盤品
インサレーション : ARC’TERYX / Nuclei FL Jacket
インサレーション : ARC’TERYX / Atom LT VEST
インサレーション : patagonia / alplight down pullover
因みに、インサレーションが多いのは、今回は自身がアテンドを務めるという事もあり、同行者を含めた不測の事態を考えた保険の為。
レイヤリングを悩まれている方へ
温度計を持ち歩こう
先ずは、必ず山へ行く時に最低でも温度計を所持しましょう。
自分が実際に感じた体感温度と実際の気温をしっかり把握する。また、その温度計が表示する温度に対して自身がどう感じたのか。これを知ることが一番大切。
店頭でのご相談時のポイント
レイヤリングについては店頭でもご相談を受け付けております。その際のポイントとして以下をご参考下さい。
ポイント1
前回、ご自身で歩いた時や走った時の具体的な情報を教えて下さい。気温は?何を着用した?など、また、その時に感じたストレスも教えて頂けると助かります。もし、初めて山を歩かれる方であれば、ご自身が寒がりか暑がり、汗っかきかそうでないかだけで構いません。
ポイント2
ご自身が着用しようと思う、または、これ着用出来る?という、レイヤリングの候補となるウェアーをお持ち下さい。勿論、当店でご購入頂いたモノ以外の持ち込みもOKです。
僕たちは、お客様がどのような製品をお持ちなのか知る事で、適切なアドバイスが出来ると考えています。
逆に、所持している製品がわからないと、同じようなアイテムを進めてしまう事もあり、それは、お買い物としてはちょっと残念な結果になる事もあります。
「こんなモノ持っていったら恥ずかしいかも・・・」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、山を楽しく遊ぶなら大切な一歩です。
まだまだ続く冬を、快適なレイヤリングで楽しみましょう。
投稿者:飯田