1600年の歴史を持つ南部鉄器OIGEN

キャンプに欠かせない調理器具と言っても過言では無い「鋳物」。優れた耐熱性と蓄熱性は、焚き火の炎でも安心して使用が可能で素材の旨味を引き出してくれます。代表的なモノでスレットやダッジオーブン等がありますが、本日はそんな鋳物をご紹介させて頂きます。

 

 

優れた鋳物を求めて

私が鋳物に求めること。基本的な機能は勿論、愛着を持ち永く使えることが重要。自分の代で使い終わるような物では無く、次の世代へと受け継ぐ事が出来る。そんな物を求めていました。今の時代、街中の色々なお店で鋳物製品が販売されています。スキレットも安価に手に入れる事が出来るようになりました。でも、その鋳物がどのような人達がどのような気持ちを持って作っているのかは分かりません。私が求める「愛着を持って永く使う」には、そこが非常に重要なのです。

 

 

辿り着いたのがOIGEN

鋳物の事を色々と調べているうちに知ったのが日本の優れた鋳物文化。特に気になったのが岩手県の南部鉄器。鉄瓶のイメージが強かった南部鉄器ですが、その中でもひと際目を引いたメーカーがOIGENでした。創業から1600年の歴史を持つ超老舗。「より多く、より安く」という大量生産・大量消費の流れに乗ることなく、実直に本当に良い物を作り続けている姿勢に心打たれました。

 

スイッチ一つで出来あがる物では無く、一つ一つの行程に職人(スペシャリスト)が関わっています。溶かした鋳物を流し込む「砂」一つにとっても気温や湿度によって微妙な乾燥具合が変化してしまいます。職人さん達は一日に何度も砂を握りしめ、丁度良い塩梅を確かめるのです。機械では測る事が出来ない感覚は全て「人の手」に担われています。また、一言に鋳物と言っても大きさ、厚みもそれぞれ違います。製品の特長に合わせて鉄の温度を200℃程度下げる事もあります。長年の経験から適切な温度を見極めて作り上げる。歴史があるからこそ成せる事と言えます。

 

 

「鉄と砂」に実直に向き合ってきたからこそ、この美しい表面が出来上がります。ネイキッドフィニッシュと呼ばれるこの表面は、言葉のまま「裸の仕上げ」となっています。通常、砂から取り出した鋳物は鼠色で湿気によってすぐに錆てしまうデリケートなもの。多くの鋳物メーカーは、その上から食用油を塗る等して最初の段階で錆にくいよう加工を施しています。しかし、OIGENは鉄器をさらに900℃という高温で焼き上げる事で鉄自体の組成を変化させ錆びにくくしているのです。故に、テカリが少ない素肌の様な表面仕上げとなっています。

「裸」の状態から使用がスタートするので、使いこむ程にオリジナルの黒さへと変わっていきます。この工程を愉しむ事も鋳物の魅力の一つ。今回、moderateにはOIGENのアイテムが数点入荷していますので、それぞれご紹介させて頂きます。

 

 

OIGEN|ピアット24cm

シンプルな見た目ながら実用性に優れた鉄フライパン。焚き火での使用は勿論の事、IHにも対応しているのでシチュエーションを選ばずご利用頂けます。

 

 

ハンドルは簡単に着脱できるのでフライパン自体をオーブンの中に入れる事も出来ます。野菜に目玉焼き、ピザにブロック肉まで、幅広い調理で使う事が可能です。

 

 

そこまで深さが無いので、そのままお皿として使うものOK。出来上がった料理を乗せて食卓や、テントサイトへドンっと置くのもワイルドで格好良いと思います。

 

 

OIGEN|ちょこっと鍋2個セット

直火はもちろん、トースターや魚焼きグリルにも入るお手軽なサイズの「ちょこっと鍋」。こちらも持ち手は取り外しが可能なので、一つの鍋に玉子焼きとウィンナーを焼いて朝食として出したり、スタッキングも出来るので収納スペースにも困る事はありません。

 

 

二つを合わせればこの様に蓋が出来るので小さなパンを焼いたりする事も出来ますよ。こちらは、IHには対応していませんのでご注意下さい。

 

 

付属している冊子には、ちょっとしたレシピも載っています。どれも美味しそうで気になる物ばかり。お家での料理にも幅を出すことが出来そうです。

 

 

OIGEN|ダッチオーブン天火 22cm両手

岩手発の本格ダッチオーブン。ズッシリとした分厚い鉄蓋は、重みもしっかりあるので気密性が非常に高くなっています。食材の旨味を逃さず、短時間で芯まで火を通す事が可能で足が付いていないので家庭用のコンロでも使用が可能です。こちらは、IH対応なのでお家で炊飯等にも使って頂けます。

 

 

本体、蓋合わせて重量が約6.2kgと女性が扱うには重いかもしれませんが、食材をより美味しくしてくれる事は間違いありませんよ。

 

 

OIGEN|ダッチオーブン天火 24cm 片手グリルスキレット

ダッチオーブン、スキレット、グリルパンの3通りの使い方が出来る優れもの。この状態で上下から加熱してあげればオーブンとして機能し…..

 

 

本体と蓋を分離すると、この様に。本体は深さのあるスキレット、蓋は凹凸のあるグリルパンとして使う事ができます。一つあるだけで、煮込み料理から焼き料理まで何でもこなせる便利アイテム。グリルパンで豪快にお肉を焼いた時の綺麗な焼き目を想像するだけでお腹が空いてきます。

 

私の自論ですが、キャンプで使う道具は日常から使える方が良い。キャンプの度に物置や押し入れから出し入れするのも面倒ですし、久しぶりに使うとホコリを被っていたりするので、綺麗にするところからスタートしなければいけません。日常的に使用していればそんな手間も無く、帰ってきた時に、もとあった場所へドンっと戻すだけ。鋳物に関しては、手入れとか面倒くさそう…と思われるかもしてませんが、タワシ等でゴシゴシして焦げを取ったら油を塗るだけ。(場合によっては加熱して水分を飛ばしてから油を塗ります。)むしろ、日常的に使っていると油が勝手に染みていくので、それほど気を遣う事もありません。

育てる調理器具である鋳物。アウトドアシーンだけでなく日常のライフスタイルに是非加えてみては如何でしょうか。

本日のブログは松下がお届け致しました。

 

 

 

 

 

 

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