信越トレイルという80キロ 行動編

今回の記事を書かせて頂くにあたり、あらためて信越トレイルのオフィシャルサイト()を見直していると、自分がインスタライブで話しをしていた内容に多くの間違いがある事に気がつく。

物凄く親切に書いて頂いているオフィシャルサイトも、計画段階の僕にとっては、地に足がついていない状態で見ていた為か、見落としている情報が物凄く多く、逆に一度歩いてから改めてサイトをチェックすると、信越トレイルの奥深さを更に実感する事が出来る。そんな事もあってか、既にもう一度歩きたい思っているわけで。

 


僕は大きな間違いをしていた!
信越トレイルはメインのトレイルが65km、アプローチを含めると80km。

僕は、インスタライブであたかもメインのトレイルが80キロあるかのように言っていたがコレは大きな間違い。(反省) 実際に、SUNNTOで自分の歩いたログを改めて見直し3日間の行動距離を足してみたが70キロ+α・・・・。

このブログを書くまでずっと80キロ+α歩いていた気でいたもんだから、恥ずかしいったらありゃしない。これまでのブログのタイトルもこっそり修正しようかと思ったけれど、自分への戒めとして修正するはやめておこう。

 


4泊5日の当初の予定と各セクションの感想

《参考資料》
オフィシャルサイトのセクション概要(→
Compassに記載されている信越トレイルのオンラインマップ(→
※少しわかりづらいかもしれませんが、上記の参考資料2つを見ながら以下の文章をお読み頂ければと思います。

DAY.1(10月5日)

■計画
斑尾高原ホテル(9:00)- 斑尾山頂 - 万坂峠 -  袴池 - 袴岳 - 赤池(14:00)→ 翌日7:00スタート

■実際
斑尾高原ホテル(9:45)- 斑尾山頂 - 万坂峠 -  袴池 - 袴岳 - 赤池(14:45)→ 翌日7:15スタート
行動時間:約5時間
距離:約12.6キロ
天気:雨時々曇り
気温:12~15℃ぐらい
風:あまり吹いていなかった。

テントサイト:赤池

 

斑尾高原ホテルの前からスタートをしてチロル登山口を経由しゲレンデ内を歩き斑尾山頂を目指し、そこから信越のメインルートがようやく始まる。

まずまずの霧の中、車で最後のパッキングを済ませて自分としてのスタート地点でもあるチロル登山口に向かう。ただ、チロル登山口付く頃には霧が更に濃くなり、ゲレンデ内ルートが少しわかりづらく、更には、雨まで降る始末。普段、森林限界内(森の中)であればレインを着ないような雨量でもレインをついつい着てしまう。ゲレンデ内歩行の為、雨を遮る木が頭上に無いということもあるが、これから5日間歩くという事に対して少しでも安全にという心理的な要素が強かったように思う。いやむしろ、やけにナイーブになっていたのかも知れない。実際に、初日はやたらと膝等になんとなく出る痛みにビクビクしていたような気がしたし、切り忘れた足の爪やちょっとした小石が気になって仕方がなかった。

斑尾山頂からは、霧で雰囲気たっぷりになったブナを中心とした広葉樹の中を歩く。足元には黄色い落ち葉が色鮮やかに散りばめられており、斑尾イエローの謂れを実感できた気がした。

霧と小雨の中を歩き、約5時間で本日のテントサイト「赤池」に到着するものの、濃霧のお陰で肝心の池が全くわからない。

寝不足の身体を休めるかのように、早々とBIG SKY|WISP 1P MV()中に逃げ込む。

お酒を飲みながら、明日以降の登山計画を再考するが、携帯の電波(ソフトバンク)が微弱の為、最新の天気予報が拾えないながらも、少し行程を巻いたほうが良いのではと考えていた。

この時点で、明日は朝の3時から動き出すことを考えていたが、前日までの寝不足の影響もあり、結局、全く起きる事が出来ず、予定通りの7時過ぎに二日目をスタートした。浅い眠りで少し寝ては起きてを繰り返しながら、お世辞にも質の良い睡眠では無かったものの、普段より長い時間寝れた事でかなり体力が回復。

 


DAY.2(10月6日)

■計画
赤池(7:00) - 毛無山登山口 - 毛無山 - 涌井 - 富倉峠 - 北峠 - 桂池キャンプサイト(予定:13時51分)→ 翌日7:00スタート

■実際
赤池(7:15)- 毛無山登山口 - 毛無山 - 涌井 - 富倉峠 - 北峠 - 桂池 - 仏ケ峰登山口 - とん平(約14:00)
行動時間:約6時間半
距離:約24.3キロ
天気:雨のち晴れ
気温:12℃ぐらい
風:あまり吹いていなかった。

テントサイト:とん平

赤池のテントサイトで一晩過ごし目を覚ますと、テントが濃霧?雨?の影響でインナーまでベショベショに濡れる始末。昨晩消費した食料とお酒分を軽く超える水分をテントが保水する羽目に・・・。そんな事もり、なるべく荷物を軽くしたいという心理からか、行動中に飲む水をボトルに600ml残し、また、途中(桶井)で水場があると地図に記載されていた為、ウォーターパックに入れておいた1リットルの水をテン場で捨て行動を開始する。

この日もスタートから雨が降り、毛無山山頂付近までレインウェアー(上のみ)を着用して行動をする。レインウェアーを着て行動をすると、多少なりとも発汗量が上がる。また、昨晩飲んだお酒の影響もあり、やたらと喉の乾きを感じ無計画にボトルの水を消費した為、早々に水の残量に黄色信号が灯る。さらには、途中で水を汲むはずだった桶井の正しい水場が確認出来ず(小走りをしていたので見落とした?)、しっかり探す事を怠った事が最大の仇となり、この後かなり水に悩まされる事ととなった。

結果的に水は、その先にある太郎清水で汲む事が出来たが、どうも、ここの水よりも桶井の水のが美味しいと後で知り、ただただ後悔しかなった。(ちなみに、夏場は太郎清水の水が枯れている事もあるとか。)

ただ、その太郎清水で水を補給出来た事と、少し長め休憩をとった事で体力も随分回復し、更には、雨も上り天気が回復し始めるた事もあり気分的にも乗ってきたので、当初予定していた桂井池キャンプサイトをパスして、次のキャンプサイト「とん平」を目指す事にした。

この辺りから植生も少しずつかわり、トレイルを覆うように木が横に生え、その木たちを潜ったりと無駄にスクワットをさせられ足を少しずつ蝕まれていった。

とん平キャンプサイトは、戸狩ゲレンデ内にある仏ヶ峰登山口より約0.7キロ下った所にあるテントサイトで、ゲレンデのレストハウス横に併設するサイトだけあって非常に綺麗であったが、信越トレイルの本ルートから少し離れる事を考えると、本ルート脇にテントサイトがある桂池でも良かったのではと思えるが、ゲレンデという立地から携帯の電波も入りやすく、個人的にはアドバンテージが少しあるのかと感じた。(もしかしあら、桂池でも電波は入るかも。)

綺麗な芝生のサイトと程よい日差し。靴を脱いで裸足で歩き回りながらのリラックスタイム。濡れたテントやレインを一気に乾かすことが出来、最高のカタチで2日目の終了を迎えることが出来た。

ただ、この時点に天気予報を見ると、明日の3日目(水曜日)は天気が持つが4日目(木曜日)に大きく崩れ、5日目(金曜日)に回復するとの予報。

この天気予報を元に、地図を見ながら色々な行動パターンを考えて、自分が最も安全と思えるプランを再考した。その結果、明日の3日目は早朝から動き出し、一気に天水山のゴールを目指す事。また、その場合のエスケープパターンとして、ゴールまでに足が売り切れる、または、時間的に厳しいと判断した場合は、野々海高原テントサイトへ行くパターンにした。また、この計画で行けば、小沢峠付近のブナ林や、妙高・火打山のビューポイント等を晴天時に通過し楽しめるという点が、予定を早める判断要素のヒトツでもあった。

 


DAY.3(10月7日)

■計画
桂池キャンプサイト(7:00) - グリーンパル光原荘  or  野々海峠キャンプサイト(14:00)

■実際
とん平(5:30)小沢峠 - 鍋倉山 - 関田峠 - 牧峠 - 宇津ノ俣峠 - 幻の池 - 伏野峠 - 須川峠 - 野々海峠 - 深坂峠 - 天水山 - 栄村口 - 森宮野原駅(16:45)
行動時間:約11時間15分
距離:約33.54キロ
天気:晴れ時々曇り
気温:12~15℃ぐらい
風:あまり吹いていなかった。

ゆっくりのんびりと信越トレイルを歩くという当初の予定が、ここからは急に巻きスタイルでの山行となった。

3日目の朝起きると、夜露の影響もなくテントは非常にドライな状態。ここまでの2日分の食料とお酒がバックから消えて、更にテントもレインもドライな状態に復活しかなりの軽量化が進んでんの3日目となるハズだった。しかし、昨晩予定を再考した結果、この3日目で一気に天水山を目指す事にした為、約2日分の距離をこのDay.3の1日で歩くという事になり、また、水があまり効率良く汲むことが出来なさそうな事と、Day.2の水不足を再度経験するのはキツいと判断し、ボトルに600ml+ウォーターパックに1.8リットル積むことなり、結果、ほぼ、スタートと同じ重量での行動となった。(インスタライブでは1.5リットルと言っていたが、後でGoProを確認したところ、1.8と自分で喋っていた(笑))

とん平を出発し小沢峠付近のブナ林に癒やされつつも、そこからは、約8つの峠をクリアしていかなくてはならない。保険に保険をかけて持った1.8リットルの水は、バックの中でしっかりと安心という重みになり身体を啄んでいく。身体的な疲労は少しずつ確実現れてきているが、それでも、ここまで信越トレイルを歩いてきて、ハイカーの為に整地された綺麗なテントサイトや、ルートをロストしないように細かく取り付けれらたトレイルの標識、そして、歩きやすいようにと整備の行き届いたルートを歩いていると、本当に良い文化が根付こうとしていると感じた。そして、途中、伏野峠に降りた時に、ボランティアの方が用意してくれているクーラーボックスに入ったペットボトルの水を見つけた時に、更に、信越トレイルの素晴らしさを感じる事が出来た。

とは言いつつも、この時点で朝から動き出して約6時間ほど。確実に天水山に近づいているにも関わらず、残りのコースタイムや距離を知る度に、「マジかぁ~」とつい言葉をはきながら足を進めながら、約2~3m程の細かいアップダウンが続くトレイルを歩き、これが最後の登りかな?なんて思いながら歩いていると不意にゴールの天水山の山頂に辿り着いた。

勿論、そこには「信越トレイルのゴール(スタート)!」なんて表記もあるわけでもなく、ひっそり信越トレイルの案内板があるのみ。それが当たり前の光景なのだけど、あまりにもこれまで歩いてきた山頂と同じのように目の前に現れ、そして、それと同時にここから下山して森宮野原駅が自身のゴールでもあった為、思いの外、あっさりと天水山を通過していった。

 


兎に角、走った天水山~森宮野原駅

天水山を後にした僕は、最終ゴール地点でもある森宮野原駅を目指す。そして、電車に乗り最低でも飯山駅まで戻れば宿やお風呂やご飯にはありつけるし、運が良ければ斑尾高原ホテルまでバスで行きスタート地点に戻れれば車を回収する事が出来る。

恥ずかしい話し、下山さえしてしまえば後ははどうにでもなるだろうと、あまり細かいスケジュールを管理していなかった。

その時点では自分が現時点でおかれている状況をしっかり把握出来てはいないにも関わらず、兎に角、目の前に現れる気持ちの良いトレイルのダウンヒルがあるからと言う理由だけで、そのセクションを楽しむように走りまくった。久々にポールを使いながらのダウンヒルを本当に最高だった!

天水山から栄村口という登山口までコースタイムで約2時間半の下りを楽しんだ後に、ようやく舗装路に出た所で携帯の電波を繋げて色々調べると、スタート地点の斑尾高原ホテルに置いてある車を回収する為に乗車しなくてはならな最終電車にギリギリ間に合いそうな状況である事がわかる。

走りながら、Googleマップで登山口から駅までの距離を調べると約3.5キロ・徒歩で40分と表示される。走ればギリギリ間に合いそうなな時間を提示してくれるもんだから、再度、スイッチを入れ直して嫌なロードの下りを走ることにした。

登山口から森宮野原駅まで車が走りやすいようにと綺麗に舗装された道路は、疲れた僕の身体にとってはなかなかの硬さを感じさせる。途中、僕を追い越して行く車を横目に、「兄ちゃん乗っていくか?」そんな声を掛けられないかなと変な期待をしたり、農作業をするお婆さんにも「がんばれ~!」と応援を頂きながら兎に角走った。

その結果、車を回収する事が出来る最終電車にギリギリ間に合うという小さな奇跡を呼びこんだ。そして、この小さな奇跡が切っ掛けで、このあとの飯山駅周辺で僕好みの良いお宿泊まれ、更には、翌日に良い観光が出来る事になるとは、この時は勿論知る由もなく、ただただ、汚い身体で電車に乗車する事に申し訳なさを感じながら、身体を小さくして電車の座席に腰掛けていた。

僕は、疲労と安心感と達成感につつまれながら電車では泥のように爆睡すると思っていたら、どうもアドレナリンが出まくったせいか睡魔に襲われる事無く、更には、車を回収しお風呂に入り街で食事をして宿でお酒を飲んだ後にも目がバチバチに冴えるほど。4日ぶりの布団に潜り込み寝なくてはと目を瞑るが、この3日間でみてきた信越トレイルが瞼の裏で回想する。

久々に、独りで山を楽しんで自分と向き合った3日間。もう既に、次の山遊びが楽しみで仕方がないし、次はゆっくりと信越トレイルを楽しめればと思っている。

もし、こんなブログを読んで、信越を歩いみたいと思う方がいらっしゃれば、是非、店頭にて色々とご相談にのりますので、お気軽にお問合せ頂ければと思う。

 

だらだらと締まりのないブログを最後までお読み頂きありがとうございました。そして、こんな旅をする時間を作ってくれた、会社のスタッフと家族、そして、信越トレイルを支える方々に感謝致します。

ありがとうございました。

 

投稿者:飯田

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