鮮やかなグリーン。日本では中々見かけないカラーリング。今回ご紹介させて頂くFL Flight Trail Jacket■はUSAからの直輸入アイテムなんです。「ノースフェイスは元々アメリカのブランドでしょ?」と思われる方も多いと思いますが、実は日本のノースフェイスとアメリカのノースフェイスは少し違います。日本のノースフェイスは日本人のフィットに合わせて作られており(日本のノースフェイスのHP■)、アメリカのノースフェイス(HP■)とはアイテムのラインナップも異なります。そして、このFL Flight Trail Jacket■には本国のTHE NORTH FACEが造り出した最新素材が使用されているのです。
その名も「FUTURELIGHT」。雑誌等で既にご存知の方も多いとは思います。もの凄く簡単に言うと、防水透湿素材ならぬ防水通気素材。そう表現して良い程に透湿性(通気性)に優れた防水素材なのです。
原理としては、動画の途中シーンの様にとてつもなく細いポリウレタン繊維を何層にも吹き重ねてシート状にして作られる防水素材。ミクロ単位の細かな隙間を作り出す事によって水は通さず、空気は通す。ここで、お気づきの方も見えるかもしれません。実は、この防水素材の作り方の原理はポーラテックのネオシェルと同様なのです。しかし、ここで凄いのが一つのアウトドアブランドがそういった防水素材を自社で作り上げたということ。自分達で作っているから防水素材自体の厚さや耐水性、透湿性等の細かい部分が調整出来る。トレランで使うアイテムなら透湿性を最も重視したり、高山域で使うアイテムであれば耐水性や耐久性を重視したりとニーズに合ったアイテムを防水素材そのものから作り出せるのです。
【モデル身長:約163cm 体重:約54kg サイズ:USA XSサイズを着用】
そして今回、ご紹介させて頂くFL Flight Trail Jacket■はトレランやロードラン等の比較的強度の高い有酸素運動に適したモデル。USA規格なので私の体格では袖や着丈は若干あまってしまいますが、雨天の中での行動を考えるとこれぐらい余裕があった方が安心感があります。
身頃は、これぐらい余っているのでジャケットの中にトレランパックを背負って着れるのではないか…と思い試してみました。
7リットルのトレランパックを背負ってみたところ、意外といける。脇下に若干張る感じがあるものの、動きにくさを感じるぐらいではありません。ただ、パックの全面にハードボトルを付けると少々動きにくさを感じるので、この使い方をする時はハイドレーションの方がおススメです。
ジャケットの表側に入っている黒いライン。縫い目をシーム処理しているテープかと思いきやリフレクターなのです。着用写真をご覧頂くと分かりやすいのですが、360°どの角度から見てもこのテープが必ず視界に入るようになっています。トレランだけでなく、ナイトランの羽織り物としても活きる機能。
メインジッパーはYKKのVISLONファスナー。よく山の服に使われている事が多いのですが、金属のコイルファスナーは歯が欠けてしまうとジッパーが動かなくなってしまいます。しかし、VISLONは歯のパーツが欠けてもジッパーを閉める事が出来るので身体を守る為のギアである山の服に良く使われているのです。
細部の作りは至ってシンプル。袖口にはベルクロ等は無く、手首の下側でゴムが入っているのみ。
フードも頭の後ろにドローコードが配されているだけで、顔回りの締め具合は調整出来ません。
USA規格のフード、顔回りの微調整機能は無し….正直どうなんだろう…と思い試しに被ってみたところ、意外にフィット感が良い。後頭部のドローコードで絞めて上げればスッポ抜けるような心配もありません。ツバ部分があまり長くないので人によっては滴る水が気になるかもしれません。その場合は防水系のキャップかサンバイザーを下に挟んであげて下さい。
フードど裾のドローコードは、よくあるボタン式では無くS字のちょっと変わったタイプ。グラム単位での軽量化を図る目的だと思いますが、シンプルな作りの割にしっかりとコードが止まるんです。少し不安を感じる場合は、余ったコードを縛ってあげると安心できます。
腰元には止水ファスナーのポケット付き。ちょっとした小物を入れる事も出来るのですが、本体を収納する袋も兼ねています。
収納してみるとこの様な感じ。XSサイズで実測約223g、Sサイズで実測約225gとなっており、「スバ抜けて軽い!」というわけではありません。ただ、悪天の場合は着続ける事になるので、その時の快適性は秀でるものがありますよ。ちなみに、上の収納写真ですが、袋の中心に走る一本の紐。気になりませんか?USAのサイトで調べてみたところ、HPにこんな写真が…
手に持てるようになっているんです。ただ、私は手が小さいのであまりフィットしませんでした。サッと脱いだ後、直ぐにザックや鞄等に収納できるシチュエーションじゃない時は、ボトルの様に一時的に手に持って走る事が出来る仕様。もちろん、収納の時に紐でジャケット自体をグルっと止めてもOK。
そして、個人的に気に入ったポイントの一つが裏地の滑らかさ。表地や防水素材の関係もあるとは思いますが、生地がとても柔らかくてハードシェルとは思えないしなやかさがあるのです。
裏地を顕微鏡で覗いてみたところ、この様にニット状になっていました。表地や防水素材にストレッチ性能があっても裏地が伸びなければ意味がありません。セーターやニット帽の様に編むことによって伸縮性を出し、その縫い目を非常に細かくする事によって気持ちいい肌触りを出しているのです。
この様に全力で肩や肘回りを突っ張らせても生地がしっかり追従してくれます。これなら鈴鹿山系の様な時には手を使って攀じ登る急峻な山でもストレスを感じません。レースにはもちろんのこと、日常のラン、自転車等、汗を掻く運動にはFL Flight Trail Jacket■がおススメです。FUTURELIGHTの着心地を是非体験してみて下さい。
本日のブログは明日のOMMレースのパッキングがまだ終わっていない松下がお届けしました。