インサレーションパンツ~ロングパンツ編~

先日の週末は、鈴鹿の雪山を楽しまれた後のお客様に沢山ご来店頂きました。昨シーズンとは違い、かなり雪の期待が出来る今シーズン。鈴鹿山脈でも吹き溜まりは腰程の積雪があったようです。

 

私も早く雪山に行きたくてウズウズ。昨シーズンの写真を眺めながら、装備品の事やレイヤリングの事等、あれこれ考えてワクワクしております。そして、本日のブログでは冬山で活躍するヌクヌクインサレーションパンツをご紹介させて頂きます。当店は数ブランドお取り扱いがあるので、内容が少々長くなってしまいますが最後までお付き合い頂ければ幸いです。

 

 

ARC’TERYX Proton Pant

行動中に着用出来るインサレーション、「アクティブインサレーション」のジャンルであるアークテリクスのプロトンシリーズ。同シリーズから出ているプロトンパンツは表生地に耐摩耗性に優れたFortius Air 40を中綿にはOcta Loftを使用しています。完全に風をブロックするのではなく、ある程度は通気して衣服内の蒸れを排出。冬山でオーバーヒートしないように考慮して作られています。

 

 

裾元にはドローコード等は配されていません。上からハードシェル等を重ね穿きした際にごわつかない様、極力シンプルな作りとなっています。

 

 

ウェストは内側に配されたドローコードで絞れる作り。コードには滑り止め加工が施されており、結び目が解けにくくなっています。また、裏地がメッシュになっているので汗ばんだ際の汗処理能力にも優れており、肌に張りついて動きにくさを感じる事もありません。

 

 

インナーパンツとして考えられているのでデザインは極力シンプルに。ポケットは右足の太腿部分に一つだけ。丁度携帯電話が入る程度のサイズ感。普段穿いたりしようとすると、もう少しポケットが欲しいところですが車の運転時等には使いやすいポケットポジションでもあります。

 

 

【着用イメージ】


【着用モデル 身長:約163cm  体重:約55kg  Size:XS/RegLeg を着用】

 

 

プロトンパンツは、私も愛用しているアイテムで昨年のOMMレースでは二日目の早朝の寒い気温下で穿いたまま行動していました。体温が上がるまでの間穿き続けており、笹薮をガサガサと藪漕ぎしたりとハードな使い方をしたのですが生地がヘタレる事は一切無し。非常に耐摩耗性が高い事を実証してくれました。普段穿きとしても使っており、仕事中に店頭でも穿いているのですが、優れた通気性も持っているので風が強い日に一枚で穿くとスースーして少し寒く感じます。その分、汗蒸れ間は感じにくいので冬山のアクティブインサレーションや室内で穿くパンツとしては非常に優秀なアイテムです。

 

 

patagonia Men’s Nano-Air Pants 

アークのプロトンシリーズに並び、人気のアクティブインサレーションシリーズ、パタゴニアのナノエア。店頭でもプロトンにしようかナノエアにしようか、どちらにしようか迷われる方が多く見えます。パッと見でプロトンパンツとの違いはポケットが両サイドに配されているところで行動中に着続けられる通気性等は同様なのですが、細かな部分で他にも違いが沢山あります。

 

 

ナノエアパンツの一番の特徴はその形。まず裾は足首に向かって細くなる形をしており、伸縮性に優れ耐裂性を備えたストレッチニット素材を採用。ハイカットのアルパインブーツやスキー・スノーボードブーツ等と干渉しにくくなっており、魚釣り等の際に履く長靴や防寒ブーツとも相性が良いんです。

 

 

ウェスト部分は裾同様のストレッチニット素材を使用しており、平たく面で身体にフィットするので長時間の着用でも擦れて痛くなりにくい仕様。ドローコード等は配されておらず、様々な衣服やハーネス、バックパックのヒップベルトに対応出来るように作られています。

 

 

【着用イメージ】


【着用モデル 身長:約163cm  体重:約55kg  Size:XS を着用】

 

 

私の体格でXSサイズがジャスト。穿く時にお尻回りが少し通しづらいですが、穿いてしまえば問題無し。全体的に体にフィットする形で、動きにくさが全くありません。立体的にカットされている事もあるのですが、表地・裏地・中綿の全てが4方向にストレッチする事でパンツの可動域が恐ろしく広くなっています。ハードシェルの下に穿いた時に、動きやすさは非常に重要。特に雪の中での行動となれば足元や装備全般が重たくなるので衣服の動きやすさが体力の消耗度に直結します。とにかく動きやすいインサレーションパンツをお探しの方におススメです。

 

 

AXESQUIN  フユガレ

表地と裏地にはPERTEX QUANTUM AIRを使用し、通気性とストレッチ性を確保。中綿にもストレッチする化学繊維を用いています。アクティブインサレーションの使い方として、雪山でハードシェルの下に穿く事が多いのですがフユガレは少し違います。細かなアップダウンが連続する低山域では一枚での着用が意外と使いやすいんです。

 

 

ウェストはドローコード一本で調整。ポケットは地形図やコンパス等を入れやすいサイズ感になっており、腕を下した際に使いやすいポジション。ザックのヒップベルトと干渉しないポジションでもあるので荷物の出し入れにまごつく事もありません。

 

 

【着用イメージ】


【着用モデル 身長:約163cm  体重:約55kg  Size:S  Color:褐色を着用】

 

 

大正から昭和初期にかけての山仕事にも使われた股引やモンペのデザインをヒントに形造られており、深い股下で動きやすくなっています。裾に向かってテーパードしており、足元の視認性を上げているので足元が悪い場所を歩く際でも積極的に活用出来るパンツ。アルパインのような動きではなく、気持ちよく低山を歩く。そんなスタイルで冬山を楽しむかたにおススメです。勿論、日常からお家でゴロゴロする時にも気持ちよく穿いて頂けますよ。

 

 

Teton Bros Hybrid Down Pant

先にご紹介させて頂いたパンツ達は「行動中に穿く」タイプで通気性があるモデル。ティートンブロスのハイブリッドダウンパンツは反対に「動かない時に穿く」タイプとなります。故に生地には耐風性のある12Dナイロンを採用、中綿は1000fill 撥水ダウンと化学繊維のThermo Max によるハイブリッド仕様となっており、湿度の影響によるロフトの低下を最小限に防いでくれます。

 

 

動かない時に穿く「静的保温」の為の機能は生地や中綿素材だけではありません。裾元をすぼめる事で冷気の侵入を防いで効率的に保温してくれます。

 

 

また、停滞中は穿いて・行動時は脱いでという脱ぎ穿きをする為、ジッパーフライやフロントにスナップボタン等が付いて着脱がしやすくなっています。スナップボタンにはグローブを付けたままでも外しやすい様に黒いタブが付いており非常に実用的。

 

 

勿論、持ち運ぶ事は想定済み。付属のスタッフサックに詰め込めばご覧の通り。重量は実測値でXSサイズ/約245g、Sサイズ/約254g、Mサイズ/約266g、Lサイズ/282g となっています。中綿に化学繊維が混ぜてある割には純分軽量で収納サイズも申し分ありません。これでロフトの軽減が最小に抑えられるなら、嬉しいポイントです。

 

 

ポケットが両サイドに配されているのですが、軽くするならポケット無くしてもいいのに…と思ってしまうところ。しかし、雪中キャンプや小屋泊等でダウンパンツ一枚で過ごす時、携帯電話や小物類等を収納しておく場所が欲しいんです。トップスのポケットがあるからいいでしょ…と、またまた思ってしまうところですが日常的にパンツのポケットを使っていると無意識のうちに携帯電話をパンツのポケットに入れようとするんですよね。そういう時にポケットが無いと小さなストレスを感じてしまう。長期の山行になれば尚更。それに雪山へ行く道中にもポケットがあった方が穿きやすいですしね。

 

 

【着用イメージ】


【着用モデル 身長:約163cm  体重:約55kg  Size:S  を着用】

 

 

ツルツル系の生地感でタイツやソフトシェル等の上から穿いても摩擦による抵抗がありません。風を通さない安心感があるので低温下でテントからトイレに行くまでの間に体温をガッツリ奪われてしまう心配も無し。私の体格でXSサイズとSサイズの両方が穿けるのですが、オーバーパンツとして考えるとSサイズを選びます。ユニセックスの仕様なので女性の方であればXS~M程度まででお選び頂ければと思います。

 

 

雪山でのテント泊や小屋泊は勿論なのですが、個人的におススメの組み合わせがコチラ。コットンのパンツやオーバーオールの下に穿いて頂くパターン。シチュエーションとしては冬のキャンプでの焚き火シーン。昨年はプロトンパンツをコットンパンツの下に穿いていたのですが、やはり風が吹くと暖気が逃げてしまい少し寒く感じました。その点、ハイブリッドダウンパンツなら耐風性があるので心配無し。年末から年越しまでの連続したキャンプでもロフトの減少を気にする事無くお使い頂けます。冬の寒い中でもお泊りスタイルで遊ばれる方におススメの一本です。

 

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