ついにOMM JAPAN2018が来週まで迫ってきました。昨年程の冷え込みは無いにしても、やはり夜間から早朝は氷点下まで冷え込みそうです。着る物をどうするか。眠る装備はどうするか。自分の寒さに対しての耐性を考慮して装備を考える。この「考える」時間が凄く面白いんです。そして、今年はさらに装備の選択を面白くしてくれるアイテムが登場しています。
OMM Mountain Raid Pant ■
もの凄く簡単に言うと、OMMが作った綿(化繊)パンツ。もちろん使用されている中綿は高い保温力、軽量性、収納力を備えたプリマロフトゴールド。生地にはOMM独自素材のポイントゼロを採用する事で外からの風をシャットアウトしてくれます。
前立てファスナー付きで利便性も追求。ただ単純に寒さを凌ぎ軽さを求めるのであれば必要の無い機能と言えます。しかし、OMMレースはオーバーナイトで行われるレース。一日中動き回って疲れ切った身体でキャンプ地に到着。しかし、テント設営をしたりスリーピングシステムを整えたり、夕食を作ったり….。まだまだやらなきゃいけない事があります。そんな中でちょっとお手洗いに行く時。そんな時に、この小さなファスナーがストレスを軽減してくれるんです。特に雨の中でMountain Raid Pantの上からレインパンツを履いている時には「ファスナーあってよかった!!」と絶対に感じるはずです。
そして、一番の注目ポイントはパンツの両足内側に走ったこの2本のオレンジファスナー。この作り込みによってパンツ以外に2通りの使い方が出来るようになるのです。
スカートとして
両方のファスナーをガバっと開きます。そして左右それぞれで接続していたファスナーを前後へと切り替えて接続。
するとご覧の通り。あっという間にスカートに大変身。動き回る時にはパンツとして使用した方が便利ですが、低温化でじっとしている時には両足をくっつけられた方が効率的に保温が出来ます。OMMレースだけでなく冬場のスポーツ観戦や魚釣り等々、自発的に動いて体温を上げないシチュエーションにはバッチリの使い方。シューズを脱がなくても容易に着脱出来るのが何よりも魅力的です。
シュラフとして
写真は別売りのMountain Raid Foot Pod ■です。このアイテムを使用する事によってパンツがシュラフ(ハーフサイズ)へと変身してしまいます。中綿はパンツ同様にプリマロフトゴールドを使用。(パンツよりも少々厚みのある物を使用しています。)
使用方法はいたって簡単。Mountain Raid PantとMountain Raid Foot Podのそれぞれに付いている接続パーツ(4つ)をパチっと付けるだけ。作業時間にしてものの十数秒。たったこれだけの作業で変身します。
Mountain Raid Foot Podを写真の様に接続する事で下半身を効率的に保温できます。もちろん同様のシステムを用いてMountain Raid Jacketとパンツを接続することも可能。レースの様なストイックな環境ではこのセットで一晩を明かしても良いのですが、雪山での雪中キャンプの際にはシュラフの中にこのセットを入れてしまえばブーストとしても使えます。気温の低下が心配される時にはお守りとして装備にプラスしても良いのではないでしょうか。
着用イメージ
【モデル身長164cm 体重54kg サイズXSサイズを着用】
ウェスト回りはヒモやベルトは装備されおらず、シンプルにゴムのみで固定されます。故に中にどれぐらいのパンツを履かれるかによってウェスト回りのフィット感が変わってきます。私の場合はOMMレースの様なシーンでは薄手のラン系パンツの上から、他のシーンで履くとしたらウールや化繊のタイツの上から履く想定なのでピッタリめのXSサイズを選びました。登山用のソフトシェルパンツ等、厚みのある物の上から履く際にはSサイズが良いのですが丈が余ってしまいゴワゴワ感が出てしまいました。
重量と収納力
【写真左からクリンカンティーン16ozボトル、OMM Mountain Raid Pant XS、S、M、L】
付属する専用スタッフサックへ収納すればボトルより一回り大きいくらいのサイズ。このサイズ感であればザックの外ポケットへ押し込んでしまうことも出来ます。OMMレースの2日目のスタート時。自分達のチームのスタートまで列に並んで待つ事になります。この時間が本当に寒い!!インサレーションを着込めば良いのですがスタートすれば直ぐに体温が上がって暑くなることも。スタートギリギリまで着込んでいると自分達の順番直前に脱いで収納してとバタバタしてしまいます。しかし、このMountain Raid Pantならスタートギリギリまで履いていても大丈夫。順番が近づいてきたら素早くファスナーをガバっと開けて脱ぎ、相方にザックのポケットへギュギュっと押し込んでもらえばOK!待っている間も快適そのもの!温まった状態でスタート出来るので身体への負担も減らせます。
実測値で重量は(付属スタッフサック込み)、XSサイズ(約243g)、Sサイズ(約259g)、Mサイズ(約274g)、Lサイズ(約287g)となっています。(若干の個体差があります。)シュラフとインサレーションパンツの兼用と考えれば、かなり軽量です。シュラフを別で携帯するとしても汎用性の高さを考えれば携帯性、重量共に申し分ないと思います。
ちなみにMountain Raid Foot Podにも付属のスタッフサックがあります。収納すると写真の通り、野球ボールより少し大きいぐらいのサイズ感。重量も実測値で約74g(スタッフサック込み)でMountain Raid Pantと合わせても300g前半と非常に軽量。今の自信の装備と比較しても良いトコロだらけの組み合わせです。
個人的に嬉しかったのが、この膝回りの立体裁断。これがあるのと無いのとでは使い勝手の幅がかなり変わってくるんです。と言うのも、これからの時期にキャンプでも着れないかな~と考えていました。さすがにこのままでは焚火の火の粉で穴が開いてしまうので、上からちょっと大きめのオーバーオールを履いたりすれば冬のキャンプでもぬくぬく過ごせそう。
焚火の火をいじる時。ガスバーナーを地面に置いて調理する時。この姿勢になる事が多々あります。こんな時に膝回りの立体裁断がとてもありがたい。生地が張ってストレスを感じたり動き辛さを感じないんです。私の中ではかなりの高得点ポイント!直近に控えるレースに直ぐにでも導入!…と言いたいところですが、そこはお財布と相談です。(汗)
OMMレースのスリーピングシステムでお悩みの方は、是非店頭で履いてみて下さい。着脱の容易さもさることながら、履いたそばから「あ、温かい…。」となりますよ。
本日のブログは急ピッチで腰を治している松下がお届けしました。