Run With Octaはオーバーヒートしないのか。

ここ最近、Teton Brosのアクティブインサレーション Run with Octa ■Breath Runner ■を求めて多くのお客様にご来店頂きます。そして、よく耳にするのが「これってオーバーヒートしないんですよね?」という内容や「登山中にずっと着続けられるんですよね?」というご質問。

結論から申しますと、レイヤリングやシチュエーションによってはオーバーヒートしますし、着続ける事が出来ない場合も大いにあります。

ご質問頂いた方に聞くと、ネットでそういった情報を得て商品を見に来て頂いた方が多く、実際にネットで検索して確認したところ「オーバーヒートしない」というワードや「山で着続けられる」という内容の発信が散見されました。そういった情報が独り歩きしてしまい、語弊を招いてしまっているようです。

 

Run with Octaは行動中に着用する為のインサレーションの為、Octaの裏起毛素材を前面や腕の上部等、風の影響を受けやすい部分に配置しており、パックを背負う背中側や脇下等は起毛させない事で体温の上昇を防ぐ仕様になっている為、「着続けること」を目的に作られているのには違いありません。

 

使われているOctaの配置具合や袖口の作り、ベンチレーションを兼ねたフロント斜めジッパーとポケット等の機能面は非常に優秀。ただ、使う側が誤った認識を持ってしまっていては機能性を十分に発揮出来ません。

オーバーヒートせず、快適に山で着続けるにはシチュエーションに合わせた適切なレイヤリングと行動ペースの調整が必要です。

例えば、雪山で着る場合。

BCスキーやスノーボードの様なシーンでは、雪深い場所を行動するので、フィールドの気温域は必然的に低くなります。

 

逆に低山の雪山となった場合、先程のBCシーン程の気温低下は想定されません。この2つのシチュエーションでRun with Octaを着用する場合、ベースレイヤーの選択が非常に重要となります。

 

ベースレイヤーの生地厚によって保温力が変わりますし、素材(化繊orウール)によって汗処理能力や濡れ戻りの感じやすさが変わります。また、ドライレイヤーは挟むのかどうか。挟むのであればその生地厚はどれぐらいの物を選ぶのか…適切な選択をする事が非常に大切なのです。

暑さ寒さの感じ方は個人差が非常に大きく「これを着れば間違いないよ!」なんて表現は非常に危険。自身の身体に合ったレイヤリングをしてあげなければウェアの機能は発揮されません。また、行動ペースも汗だくになってしまう様なペースで登り続ければ体温が上がり過ぎてアクティブインサレーションを着ていられません。故に、Run with Octaの様なウェアを使いこなすには自身を知る事が重要な要素になってきます。

今、自分が行動している温度域で、どれぐらいのウェアを着れば気持ちよく動き続けられるのか。それを知る事が出来れば、Run with Octaに合わせるレイヤリングの組み合わせの精度が高くなっていきます。最初は小さな温度計をパックに付けておき、気温を確認するところから始めてみてください。面倒くさく感じるかもしれませんが、これが外遊びの醍醐味でもあります。

街中で生活していると、暑いときや寒いときはエアコンのスイッチ一つで解決してしまいます。でも、ひとたび山に入ればそうはいきません。携帯している装備品で全て対応しなくてはいけないのです。そんな時に、自身の事を知らなければ何も出来ません。快適に安全に外遊び楽しむには自身を知る事が第一歩なのです。

 

積極的に情報発信をしている我々が、この様な事を記述するのも違和感があるかもしれませんが、ネットの発達により情報が入手しやすくなっている昨今。ウェアやギアだけでなくフィールドの情報も簡単に入手出来ます。しかし、その情報は発信者の主観に基づいたものである事を忘れてはいけません。今回のブログも私の価値観というフィルターを通して発信しています。故に、自身にとって本当に有益な情報であるかどうか、情報発信者に責任感があるかどうかをしっかりと判断して下さい。

山で着る衣服や使用する道具は、フィールドで命を守る為の道具でもあります。私達は、そういった物を扱っているプロショップとして、誤った情報や語弊を招くような表現をしないように気をつ付けています。インターネットだけで商売が行える時代に店を構えて店頭での接客に拘っているのも、誤った認識の方がみえれば「危ない」とお伝えしたいし、肌感覚でしか伝えられない商品の緻密な部分の良さまでしっかりとお伝えしたいから。

長々とえらそうな事を書きましたが、安全に楽しく外遊びを楽しむ為にも、情報と判断について考えて頂ければと思います。

本日のブログは松下がお届けいたしました。

 

 

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