今回ご紹介するATOM SL HOODYは、僕自身が2016年の秋頃に手にし、そこから色々なシーンで使用した経験を元に、moderate BLOGで何回もご紹介させて頂いているアイテム。
使い始めた2016年当時は、「アクティブインサレーション」という言葉もなく、その良さを伝えるのに少し苦労した事を記憶しています。また、 その苦労は、この商品が実はメーカーからは春夏シーズンにしか発売されておらず、日本で活躍する秋冬シーズンになると、メーカーの商品紹介ページからは削除されている点ありました。まさにココがポイントで、よほどメーカーさんのHPをしっかりチェックしている人でないと、このATOM SL HOODYという存在を知るチャンスが非常に少ないというわけなのです。
しかも、春夏シーズンにしか発売されない商品を、当店のように「秋冬にも使えるから1年分オーダーしよう!」というお店さんもその当時は少なく、結果的に取扱店も少ない為、他の小売店様からの商品紹介等で目にする機会も少ないアイテム。
それから年月も経ち、インサレーションカテゴリーに「アクティブインサレーション」という言葉(キーワード)が生まれ、そして、多くの方に、そのキーワードを切っ掛けに冬の行動着を見直して頂いているのですが、その見直す製品達の中心的な素材になったのが、ポーラテック アルファやオクタでした。
ARC’TERYXからも、アクティブインサレーションの代表的なアイテムとして「PROTONシリーズ」が発売され、多くの方にお使い頂き、そして、高い評価を頂き、今年の冬はほぼ完売となる人気っぷり。その一方で、春夏シーズンにしか出てこないATOM SL HOODYは、PROTONシリーズの影に隠れながらも、コアユーザーの目に少しずつ止まるようになり日の目を見るようになってきました。
今回のBLOGでは、あらためてそのATOM SL HOODY(→■)をご紹介させて頂きます。
ちなみに、過去のBLOGもよければ合わせてご確認下さい。
- 中途半端に感じた部分が「絶妙」に変わる ARC’TERYX Atom SL Hoody(掲載:2018年4月20日)
- 春夏シーズンにしか販売されない限定的なアイテム の ARC’TERYX Atom SL Hoody(掲載:2020年3月6日 )
寒い時期の行動着として。
ARC’TERYX ATOM SL HOODYという選択肢(→■)
ARC’TERYXの中では静的保温着の位置に属すると言っても過言ではないATOMシリーズ。その中で最も綿量が少ないのが、今回ご紹介させて頂いているATOM SL HOODY。
そのATOM SL HOODYに使われているARC’TERYXのオリジナル綿素材「コアロフト コンパクト」は、それまで他のATOMシリーズで使われていた「コアロフト」というオリジナルの綿素材に、更にシリコン処理を施す事で濡れに強くなっており、その結果、高い透湿性を実現。また、高捲縮のマルチデニールの繊維で作られたその素材は、同じ素材量で温かさをおとす事なく、綿の厚さを 50% まで減らす事が出来、軽量でありながら通気性と熱効率をもちつつ圧縮性に優れた素材なのです。
※白い綿がコアロフト コンパクトになります。
→ 私が使用するのATOM SL HOODYの肩口が破れ為、中からコアロフト コンパクトが見えてる状態となっています。
そのコアロフト コンパクトを、40g/m2という綿量でボディーのみに使用し効率よく体幹を温めつつ、肩口から袖に掛けてはその綿を省くこと軽量化を実現。また、手首・袖下・脇・脇下に掛けては軽量フリースパネルにする事で、無駄な熱を溜めないようなデザインに。
それらが分かりやすく見えるように、下の写真ではあえて、ATOM SL HOODYを裏返して着用し、マッピング部分を見やすいようにしました。
※ATOM SL HOODY旧カラー着用。(飯田使用アイテム)
※手首~脇下~脇腹にかけて、明るい水色の部分は極薄のフリース
※肩口から袖上部は、メッシュ生地を裏地として使用
これらの結果、一般的に「アクティブインサレーション(動的保温着)」によく使用されている「ポーラテック アルファ」や「オクタ」とは違う素材でも、その綿量と使用場所限定的にする事で、ATOMの名を持ちながらも、寒い時期の行動着として、非常に活躍してくれるアイテムとなっているのです。
アクティブインサレーションが苦手とするコンパクト性を持っています。
アクティブインサレーションの多くは、基本的に着続ける事を目的としている為、行動中に暑くて着なくなったから小さく畳んでバックにしまう為のコンパクト性にかけるアイテムもあります。
一方、ATOM SL HOODYは、元からコンパクト性に優れた綿を使用している為、一般的なアクティブインサレーションよりも小さく畳むことが出来、また、それは重量にも多少差が出てきます。
(左:ATOM SL HOODY / 右:PROTON FL HOODY)
Atom SL HOODY
(Mサイズの実測計:255g)
Proton FL Hoody
(Mサイズの実測計:319g)
ようするに!
軽量・コンパクトに持ち運びが出来つつも、寒い環境では着ながら行動することが可能なアイテムという事!まさに、動的保温着と静的保温着のハイブリットなのが、ATOM SL HOODYなのではないでしょうか。
(179cm / 67kg / Mサイズ着用)※ATOM SL HOODY旧カラー(飯田使用アイテム)
既に、Mサイズは完売していますが、冬の行動着としてお悩みの方は、是非、ご検討頂ければと思います。
投稿者:飯田