マニアックな物造りでコア層から支持を得ているKlattarmusen 。過去のブログで紹介させて頂きました(コチラ■)Fjorm Back Packの様に軽さと強度を高いレベルで両立させる事も得意としているメーカーです。本日のブログでは、雪山で使用出来るKlattarmusenのパックをご紹介させて頂きます。
Ull Backpack 30L ■
半日~ワンデイ程度のスキーツーリングやBCツアー、雪山登山を想定した軽量なパック。最も目を引くのは、一目でそれと分かるデザイン性の高さ。ロゴが無くてもクレッタルムーセンのパックだと一目で分かる独特の作りをしています。勿論、見た目だけではありません、メイン素材として使用されている 210 デニールリップストップ生地は、メーカーオリジナルの素材で耐水圧 10,000mm の防水性を持っています。
このオリジナル生地は「Retina®, Econyl® 210D」と名付けられており、50%がポストコンシューマー・リサイクル(消費者によって使用された物を回収したリサイクル素材)、50%がプレコンシューマー・リサイクル(生産過程で発生するリサイクル素材)のポリアミド(ナイロン)から作られた糸です。つまりは、廃棄された工業用の漁網や着古した衣服等と生産過程の余り生地等、リサイクル出来る物は全て使用して作られているという訳です。その分、生産工程が複雑になってしまい、商品の価格は上がってしまうのですが、クレッタルムーセンは2009年、アウトドア企業として初めて、バックパックの全製品にリサイクルポリアミドを採用するぐらい環境意識が高いメーカーでもあります。
さらに底面にはアラミド繊維と弾性繊維を織り交ぜたケブラーファブリックを使用する事で耐久性を高めています。軽さも求めるけれど、耐久性は落とさない。このスタンスがブレないところも個人的にとても好きなポイントです。また、パック全体にループウェビングが取り付けられているのもクレッタルらしい作り。工夫次第で様々なギアを取り付ける事が出来るので用途に合わせてカスタマイズがしやすくなっています。
トップは一本のドローコードで開閉するシンプルな構造。サイドベルトだけでなく、上部からもコンプレッションする事が出来るので荷物の容量が少ない時でもしっかりと内容物のブレを防ぐ事が出来ます。
片手で開閉できるクロージャー・システムを採用しているので、ポールを握ったり、ギアを持って片手が塞がった状態でも開け閉めがしやすくなっています。特に雪山シーンでは「もしもの時」に素早くギアの出し入れをする事が求められます。そういった時に複雑な構造ではなく、シンプルなタイプの方が扱いやすいのも事実。
パック内部にはプローブやショベル等のアバランチギアを収納するポケットも付いており、奇抜な見た目ながらも雪山での使用をしっかり考えた作りとなっています。アバランチギアを持ち歩く程では無い時には荷物整理用のポケットとしても活用出来ます。
ちょっとした小物を出し入れしたい時にはサイドファスナーを使います。グローブやゴーグル、ネックウォーマーにバラクラバ等、行動中に出し入れしたい物は以外と沢山。ちょこちょこ出しの時にトップ部を開けて閉めて…の繰り返しでストレスを感じたくないですからね。
サイドコンプレッションのベルトはスキー板をAフレームで取り付けた際に、エッジで摩耗しにくいようエッジガードが部分的に縫い付けられています。
腰ベルトのバックルは頑丈な金属製。プラスチック製の物と比べると重量は増えてしまいますが、耐久性や耐用年数の面では金属が勝ります。ここもクレッタルムーセンの拘りポイントで「永く使える」というのも重視しています。実際にスウェーデンでは非常に古いクレッタルムーセンのアイテムを愛用している人も少なくありません。製造過程で環境負荷を減らすのも重要ですが、永く使用出来る事も環境を配慮するうえで非常に重要なポイントでもあるのです。
背面パッドは雪が付着しにくいようになっており、ショルダーはクライミング時の動きを妨げないようS字型の形状となっています。
チェストストラップは4点のポイントで固定する形状になっており、好みのポジションで止める事が出来るようになっています。フックで止めるタイプなのでグローブをしたままでも操作は簡単。ループが沢山付いているので時計た温度計等を取り付けておくにも使う事が出来ます。
腰ベルトはパネル型でありながらも下半身の自由度を妨げない作りで、ハイクアップやライディングの時にもしっかりと身体に追従してくれます。
北海道の山岳ガイド佐々木翔平氏も実際にフィールドで使用されており、843 gと重量でありながら現場のハードユースにも耐えられるのが実証されています。軽さ、耐久性、使い勝手、全てのバランスが取れた雪山用のパックが欲しい…という我儘な要求に応えてくれるのがUll 30L■と言えます。また、あまり人が使っていないマニアックなアイテムが好きな方にもクレッタルムーセンのアイテムはおススメですよ。
気になる方は、是非店頭で背負ってみて下さい。荷物のパッキングの仕方にもよるところではありますが、見た目以上にしっかりと背負えるパックですよ。
本日のブログは松下がお届けいたしました。