2020年3月に販売させて頂きました「アグラスカート+松阪木綿」。AXESQUIN協力のもと、弊社にて展開する三重県の伝統工芸や地場産業を用いてファッションやアウトドア関連の商品開発をしている「mimie」とのコラボ品という形で実現する事ができました。前回の販売分はお蔭様で殆ど完売状態となり、その後もお問合せを多く頂いておりました。そんな声にお応えさせて頂くべく、再販させて頂きます。
過去のブログからの抜粋になりますが、アグラスカート+松阪木綿の開発経緯や製品の特長、mimieのことも改めてご説明させて頂きます。
mimieとは
「mimie(ミミエ)」とは、1993年以来、三重県四日市市においてファッションやサブカルチャーにフォーカスした事業を展開して来た弊社「株式会社たまや」が、三重県の伝統工芸・地域産業資源とのコラボレーションをブランド化するプロジェクト。私たちが全国に誇りを持ってご紹介できる三重県の伝統工芸や地域産業資源を、私たちのフィルターを通して、伝統を守りつつも独自のアイデアを加え、新たなアプローチで全国に向けて発信して行くことで、少しでも伝統工芸・地域産業資源の普及および維持に貢献することを目的としています。
そして、今回は三重県の伝統工芸品である「松阪木綿」をアグラスカートにプラス。なぜ、松阪木綿を使用したのか。それは私の使い方への拘りが理由。元々、女性もアグラをかいて座れるように作られているアグラスカート。中綿素材入りなのでヌクヌクと過ごせるのが特徴。
しかし、化学繊維を用いた生地は熱に弱く焚火やネイチャーストーブから飛んだ火の粉が付着すると小さな穴が開いてしまいます。そこで化学繊維よりも熱に強い松阪木綿を前面に配する事を思いつきました。
松阪木綿自体、実はとても歴史がある物で江戸時代に江戸の街で大流行していました。当時の江戸の人口が約100万人と言われていたところ年間50数万反を売り上げたという人気ぶり。そして、その人気の裏側には「倹約令」の存在がありました。華美な着物を堂々と着られなくなっていた為、遠目から見ると無地のように見えて近づいてみると、様々な縞柄模様が入っている松阪木綿が粋でおしゃれだとして、江戸っ子の間で大流行したのです。今回、使用した松阪木綿は工場見学をさせて頂いた御糸織物様で織られた物。
染、織、その様々な工程に永年蓄積された伝統技術が根付いています。そんな伝統的な素材を使ってアウトドアウェアを作りたい。その想いから生まれたのがアグラスカート+松阪木綿。今回も松阪木綿の柄を3パターン作成。元々、アグラスカートはリバーシブルに使用出来ますが、今回のアイテムは柄事に裏地のカラーリングを変えているので、それぞれ表情が異なる物に仕上がりました。
松阪木綿 柄A ■
【着用モデル 身長:約163cm 体重:約55kg サイズ:Mサイズを着用】
細かなギンガムチェック調の柄。裏地のカラーはサンドベージュで柔らかい印象を受ける。今回の柄パターンの中では最もハッキリと柄目が出ており、トップスとのコーディートを楽しめるタイプ。前回の販売時には女性の方からの人気も非常に高かった柄です。
松阪木綿 柄B ■
【着用モデル 身長:約163cm 体重:約55kg サイズ:Mサイズを着用】
縦に細かく走るストライプ柄。遠目に見たら藍染めの紺色。近づくと柄が見えてくる最も松阪木綿らしいのがこちらのモデルと言えます。この繊細な柄を江戸っ子達は「粋」と評しました。裏地はカーキグリーンの生地を採用し、落ち着いたトーンで着こなせるので男女問わず着用して頂けます。
松阪木綿 柄C ■
【着用モデル 身長:約163cm 体重:約55kg サイズ:Mサイズを着用】
縦横に走る格子状の柄。裏地は淡いアズキ色で渋い印象を受けますラインナップの中では柄と裏地の組み合わせが最もシックで大人向けなモデル。
付属のベルトで縛って頂けばコンパクトに収納可能。木綿を使用している分、元のアグラスカートより重くはなってしまいますが火の粉に気を遣う事無く穿く事が出来ます。
【着用モデル 身長:154cm サイズ:M 柄:B を着用】
松阪木綿が配されているのは火の粉を受けやすい前側のみで、他の生地は東レのポリエステル糸で織られた国産高密度生地を使用。パーテックス程の軽量さはないが、生地厚がしっかりしているのでハードな使用にも耐えてくれます。
座敷や座布団の上でアグラをかくのは勿論の事、イスの上でアグラをかいても生地が張って動きにくさを感じる事はありません。
アグラをかける程のゆとりがあるので、しゃがみながらの作業も難なくこなす事も。
これからの寒い季節。パンツの上からアグラスカートを穿けば暖を取りながら冬の澄んだ空気を気持ちよく感じられます。
私が個人的に使いたいのが「アウトドアフィールド(非日常)」+「普段の生活(日常)」。寒さが日に日に厳しくなるこれからの季節。ストーブを付けても暖まるのは部屋の上の方から。朝なんて部屋全体が暖かくなった頃には仕事に出掛けるなんて事も良くあります。サッと穿けて、直ぐに温まれて、出掛ける時には直ぐに脱げる。キッチンなんてコンロで火を使うと上半身は暑いけど、下半身が寒いから特に良いんです。故に、生地は軽量さよりもしっかり感を優先しました。
勿論、火の傍でも穿いて欲しいです。パチッと薪がはぜて火の粉が上がっても気にしない。細かい事は気にしない。江戸っ子になった気分で火を感じて下さい。
でも、木綿と言えど難燃素材ではありません。大きな火の粉が付けば穴が開きます。そんな時は、付属の松阪木綿の生地(製造上のあまり生地)でパッチワークの様に縫って下さい。
製造工程で沢山生まれる生地の端切れ。このまま捨てるのは勿体ないので穴開きの補修パーツとして付属させて頂きます。永く穿いて頂くと、藍の色も良い感じに落ちて来ます。穴が開いて直した分だけオリジナルに仕上がります。江戸の倹約の気持ちはエコに通じるトコロがあるので、そういった部分も感じて永く穿いて頂ければ嬉しい限りです。
【※写真はサンプルの為、ベルトのカラーが異なります。】
今と昔を繋げる松阪木綿。そんな素材を日常と非日常を繋げるアグラスカートに使用したのが「アグラスカート+松阪木綿」。前回の販売は春先となってしまいましたが、今回は冬本番前に間に合いました。今週末10月23日(土)より店頭販売を開始させて頂きます。通販に関しましては、準備が整い次第開始させて頂きますので、今しばらくお待ちください。
本日のブログは松下がお届け致しました。
ちなみに私は柄Bを愛用しております。