いつもの8月は何処にいってしまったのでしょうか。
梅雨や秋雨を思わせるような天候が続く毎日。毎年であれば、朝から鈴鹿の川へ遊びに行き、ヒグラシの鳴く声を聞きながら涼を楽しむ。帰宅後は、ピークを過ぎた夏の暑さを感じながら、高校球児の熱戦を観つつビールを飲むことが楽しみの1つなのに、今年は、この雨の影響で全くそれが出来ていない。
決定的な原因があるわけではないけれど、塵も積もれば(チリツモ)的な、小さな要因の積み重ねが原因で気候変動が起きており、その結果のヒトツとして、季節外れの長雨やゲリラ豪雨があるのではないでしょうか。
先日、ふっと見た夕方のテレビのニュースで夏野菜の高騰が報道されていました。皆、なんとなく分かってはいるけど、マスコミや表面的なネット情報によってチリツモの「塵」の部分は目を閉じて、積もって起きてしまった事だけをフォーカスしてしまう。
もう少しすると、夏休みの終わりを告げる24時間のTV番組が放送される。
人にフォーカスした事も大事だけど、そろそろ、環境問題にフォーカスした24時間番組とやればいいのに。スポンサー企業が嫌がるかもしれないけど。
この記事の概略として
海洋ゴミから作られた山のソフトシェルパンツ
STATIC FORGE PANT(スタティック フォージ パンツ)
ここ数年で耳にするようになった海に漂うマイクロプラスチックの問題。これも事を知り考える必要がある問題だけど、それよりも以前から問題になっているのが、ゴーストネットと言われる漁網・漁具のゴミ問題。
故意に捨てられた、あるいは誤って流された漁網や漁具は、人が回収しない限り半永久的に海洋を漂う。その回収に至っては、想像通り陸地よりも難しい。
地球の約70パーセントを占める海。ある場所は、太平洋ゴミベルト(世界で最も多くのゴミが集まる海域)と言われ、調べによるとその海域で漂うゴミの46%は漁網とも言われている。
(写真:ECONYL HPより)
このようなゴーストネットが与える影響は、海の中に生きる動物たちに直接的に影響をあたえてしまいます。そして、これが巡り巡っていずれ我々の生活も脅かす事になると思います。(いや、チリツモの考えで言えば、既に原因のヒトツでしょう。)
実は、そんな海洋のゴミを使って作られたのが、今回ご紹介するSTATIC のFORGE PANT(→■)となります。
海洋ゴミ100%のナイロン糸「ECONYL」を使ったSchoeller社「dryskin」
FORGE PANTの本体生地には、海洋ゴミから再生されたナイロン糸ECONYLを100%使ったSchoeller社の「dryskin」が使用されています。
このECONYLというナイロン糸は、その30%が漁網からつくられ、残りの70%はその他の海洋ゴミから作られています。そのECONYL糸を使い、質実剛健な生地を作るのが得意なShoeller社が生地を作ることで、素材面で地球に優しく、製品後は高い耐久性から長く使える「dryskin」という生地が出来上がりました。そして、STATICは、そのdryskinをメイン素材に使いソフトシェルパンツを作り、それがFORGE PANTとなるわけです!
ちなみに、気になる生地厚は・・・
そこまで厚くない生地厚。冬の雪山を除く3シーズンで着用可能で、山行と着用される人によっては秋の深まった時期は、薄いタイツを穿きたいと思われる方もいるぐらいの厚さ。
使用するパーツも徹底的に拘っていますが・・・。
ウエストベルトは、パンツ本体と同じECONYL糸100%のベルトテープを使用(ドイツ製)。また、ベルトのエンド部分をプラスティック製品にするのではなく、シリコーン素材を採用。ただ、ベルト部分で一番大事なパーツ「バックル」に関しては、通常のプラスティック性を採用。
これに至っては、リサクル素材のモノもテストされたそうですが、クオリティー面で問題があり採用が難しかったとの事。問題視されたクオリティー面がどの部分にあたるかは公表されていませんが、これが仮に強度面であったり、製品の「角の面取り部分等」であれば、バックルの破損やウエストベルトのホツレにもなりかねないので、長く使える製品を目指した場合、ここは信頼のおけるモノを使用するがベターなのかもしれませんね。
因みに、ウエスト部分で使用しているスナップボタンも通常のプラスティック製(日本製)を使用していますが、350を超える有害化学物質が対象となる厳しい分析試験にクリアした製品だけに与えられる、世界最高水準の安全な繊維製品の証でもある「エコ・テックス100規格認定」のモノを使用するという拘り。
全てにジッパーが採用された5つのポケット
ベンチレーションとしても使用可能なメッシュの裏地を使ったフロント面のハンドポケットが2つ。右太ももに配された横型ポケットが1つ。
そして、ちょっと珍しいヒップの縦型タイプのポケットが2つ。ちなみに、このヒップの縦型ポケットに採用されているジッパーは、一般的なコイル式のファスナーではなく、ジッパーが目立たないよう仕上げる事が出来るコンシールファスナーを採用。これにより、非常にスッキリとしたデザインに仕上がっています。が!、そのポケットの収納力は非常に高く、地図やスマートフォン等も余裕で入る、見た目以上に出来るヤツ。
(上の写真、スマートフォンが入っているポケットと同じモノが左側にも配されていますが、コンシールファスナーを使用している為、ジッパーに全く気づかないと思います。)
サイズとシルエット
身長179cm / 体重65kg 海外ブランド(ARC’TERYX,patagonia)は、トップスで言えば殆どがMサイズ、パンツサイズは、ウエストは余るけど32インチもしくは、Mサイズを選ぶ私で、MサイズとLサイズを穿いて比較してみました。
《Mサイズ》
《Lサイズ》
前方向からの写真ですと各サイズに差が感じられにくいかもしれませんが、横方向から見比べるとシルエットの差が少し分かりやすいかと思います。
(左:Mサイズ / 右:Lサイズ)
素材自体がしっかりストレッチするので、シルエット重視でMサイズでも良さそうですが、個人的にはLサイズを選びますかね。
海から山へ、そして、山から未来へ
こんな事を書くと大事になってしまいますね。もしかしたら、「パンツ1本で一体に何が出来るんだ!」って思われる方もいるかもしれません。でも、チリツモで良いんです。海洋ゴミを資源にした山パンツを使って、今度は山を綺麗にする。この、小さなアクションが次の世代が遊ぶ場所や環境の為に向かう良い塵となれば。
3シーズン用のソフトシェルパンツをお探しの方は、是非、一度ご検討下さい。
投稿者:飯田