前回の私のブログ(コチラ■)にて、多用途に使えるパックとしてノースフェイスのFACTORをご紹介させて頂きました。

モノフィラメントの生地を使用することで保水しにくい機能を持たせた小型パックのファクターは、ライバルが多い容量の20ℓ前後でありながら、唯一無二の存在感を放つユニークなパック。
そして、今回ご紹介させて頂くパックであるSUMはファクター同様にモノフィラメントを使用したモデルなのですが、さらにキャラを濃くした変わり種アイテムと言えます。
THE NORTH FACE SUM 35&45 ■

製品名のSUMは、エクセル等で使われているあのSUM関数からインスピレーションを得ています。そうです、あの合計を算出する為のSUM(サム)です。なぜ、SUMのが冠されているのかというと、ノースフェイスが今まで開発してきたバックパックの技術の合計が集約されたパックでもあるからなのです。

まずメインボディーに使用されているこの半透明上の生地は、モノフィラメントをメッシュ状にしたもの。ファクターのブログでも綴らせて頂きましたが、モノフィラメントはその構造状、繊維自体が保水しない為、雨に打たれたりしてもパック自体が水分を含んで重くなってしまう事がありません。もともとこの生地は、トレランパックであるHUMEシリーズ■の為に開発されたもの。暑い時期のトレランでは大量に汗をかくのでパック自体が汗を吸って重くなってしまうのを防ぐ目的で作られました。そして、このモノフィラメントメッシュの生地は張りコシがしっかりしているのも特徴で、パッキングもしやすくパックの形が崩れにくいんです。もちろんSUMもモノメッシュが背面側にも使われているので、背中でかいた汗をパックの生地が保水してしまう事はありません。

ただ、張りコシが強い分、ロールトップ型のSUMはクルクルと丸める部分までモノメッシュにしてしまうと生地の硬さが悪さをしてしまう為、ロール部分はファクターに使用されている70Dモノフィラメントリップストップナイロンの生地に切り替えられており、ちゃんと生地特性を踏まえたうえで実用性を備えた作りとなっています。

そして、サイドポケットやショルダーに配されたボトルポケットにもファクターの技術が応用されており、スペクトラをリップストップで入れたストレッチナイロンの生地を採用。スペクトラを入れることで生地強度が増すと共に、大量に物を詰め込んだ際に生地が伸びすぎるのを防ぐ役割も果たしています。特にサイドポケットは写真の様に1.5ℓのナルゲンボトル■がスッポリと入る深さがあるので、濡れたテントのフライシート等をガボっと突っ込んでおくことも出来ます。

底面には左右の一部にモノメッシュを採用する事でサイドポケットやパック内に水が溜まらないようになっています。故に土砂降りの雨に降られたり、沢登の様なドボンするシチュエーションでもパック内に水が溜まったりして重さが増す事もありません。
ここまでは、ファクターで培われたモノフィラメントを用いた生地やスぺクトラリップのナイロン生地等が活かされていますが、SUM(合計)と冠されているからにはノースフェイスの他のパック技術も盛り込まれています。

フロント部分で止めるチェストストラップ。ここにはランニングパックで培われた技術が活用されており、如何に付け外しでストレス無くスムーズに操作出来るかが重視された作りになっています。

よくある差し込み型のバックルでは無く、磁石を用いたタイプでパーツ同士を近づけるだけで結合され、外すときはパーツ部分を捩じる事でロックが解除されます。一見簡単な構造に見えますが、左右への引っ張る力への抵抗力は非常に強い為、着用中に外れてしまう事はまずありません。

さらにこちらのショルダーに付いているポケット。500ml程度のボトル類や携帯電話を収納しやすいサイズ感になっており、付け外しが可能。

サイドポケット同様にスペクトラリップストップナイロン生地なのですが、注目すべきは付け外しの機構です。

よくあるバックル型のプラスチックパーツを使用する事無く、縫製でテープを特殊な形状にする事で固定できるようになっているのです。
これはノースフェイスのアルパインパックに採用されている機構で、装備の構造を単純化しパーツを減らす事で高山域でギアの故障リスクを減らす為に開発されたもの。結果的にパーツが減るので軽量化にもつながります。

同様のシステムは腰ベルトにも採用されており、写真の様に腰ベルトは内側がモノメッシュで外側にスペクトラリップ生地のポケットが付いています。基本的にSUMは肩荷重メインで背負う作りなので、腰ベルトは添える程度のイメージとなっており、しっかり荷重させるというよりパックの安定感を確保する為の物。

この腰ベルトもテープを用いた固定機構の為、付け外しが簡単に行えます。

2本のテープを本体から外せば取り外せるので、旅行などで電車移動やバス移動の際にはスマートに使う事が出来ます。

また、35ℓと45ℓの両モデルで腰ベルトの高さが上中下の3段階で調整が可能です。最大で10cm程度位置が変えられるので、ご自身のしっくりくるポジションを選んで頂けます。

背面パッドは取り外し可能で、テント泊時のマットとしても使用が可能。

ファクター同様に二重構造で背中側(オレンジ側)は波状にすることで通気性を確保し、荷物側(グレー側)は硬くなっているので荷物の凹凸感を背面に伝えにくくなっています。

トップ部分を固定するコードはV字状になっており、クローズドセルマットを装着する事も可能なので、安眠派の方でもご安心ください。

そして、本ブログのタイトルでもある「二重気室構造」の要となるのが標準装備で付属する防水パックライナー。モノメッシュの生地は保水せずに水をツーツーに通すので濡らしたくない物を防水ライナーに入れておく必要があります。

故にこのライナーが標準装備として付属しているのです。ちゃんとパックの形状に沿った立体的な形状になっているので、パッキングした際に荷物の重心が取りやすく、見た目もキレイになります。

逆にライナーを使用しなければ、モノメッシュの生地は光を綺麗に通すので中身がしっかりと見えるんです。これがまた面白くて、このままパッキングすると外から丸見えパックが完成します。

こんな感じで、どこに何が入っているかめちゃくちゃ分かりやすいので物の出し入れがめっちゃ楽。また、お気に入りの柄の防水サックに小分けにしてパッキングするとオリジナルのカラーリングのパックに仕上がる楽しさもあるんです。パックって中々買い替えないのでウェアとの色合わせで困ってしまう事があります。
故に派手なカラーよりもブラックやグレー、白などの無彩色の色合わせがしやすい物を選びがちなのですが、SUMは中のスタッフサックで見た目のカラーを大きく変えられるので、ウェアに合わせてベストなカラーで楽しむ事が出来るんです。

また、パック自体が保水しないが故に防水ライナーを上手に使えば濡らしたく無い物と既に濡れてしまった物をパック内に一緒に入れておけます。この機能は沢遊びでは非常に有用的で、濡れたものを外付けしておくとドボンした際に外れて紛失してしまう恐れがある為、パック内に両方を入れておけるのは重要なんです。
水遊びシーンでは防水パックを使いがちですが、このSUMは新しい選択肢の一つとしてかなり重宝しそう。屋久島トレッキングの様な雨の中を歩く時でも水分によって重量が増し、身体の負担を増やしてしまう事もありません。
水に濡れないように外側で防水するのではなく、敢えて水を通して保水させず、中身で防水する新しい発想から生まれたSUM。その名の通りノースフェイスの培ってきた技術の合計とも言えるパックです。重量はSMサイズの35ℓで約875g(本体 約725g、パックライナー 約150g)、45ℓで約940g(本体 約770g、パックライナー 約170g)と、めちゃくちゃ軽いわけでは無いのですが、モノメッシュの見た目からか手に取ると数値ほどの重さを感じないのが不思議なところ。

背負うと分かるのですが、ヘッドスタビライザーが細いコードの割にしっかりと機能してくれてるので、ユニークな機能+ちゃんとした背負い心地もある今季注目の新作パックですよ!
GWの低山テント泊にもおススメな容量ですし、ウレタンコーティング等を施してないので製品寿命が長いのも魅力的!中型パックをお探しの方は是非チェックしてみてください!
本日のブログは松下がお届けいたしまsita
