ニュークラシックなバックパック macpac Kete

僕は、古い物やスタイルが結構好きです。タイル張りのお風呂の壁や古い看板。昔からあるような食堂にも心惹かれます。今住んでいるお家も築60年以上が経過して、古民家に片足突っ込んできている状態なのですが、ここ数年前から日本の山遊びの変貌にも興味を持ってきました。

 

お客様からお店へ寄贈頂いた数十年前発行の岳人や山と渓谷。自分が生まれる前の時代。一体どんな山道具が存在していて、当時の人達はどんなスタイルで山を楽しんでいたのだろう。興味をそそられない理由がありません。

 

その中でも、こちらの記事がずっと心に残っています。恩田善雄氏によるザックの記事で、母に縫って作ってもらった小型のキスリングザックで終戦の翌年に初めての北アルプスに登った話から、その後自らパックを何個か作った話。登山を始めて数十年後にフレーム入りパックを手に入れるまでの移ろいが記された内容。

 

 

他にも当時の最先端の情報が掲載されていたり、キスリングパックへの上手なパッキング方法のHow toが載っていたりと、私にとってはお宝の様な情報が詰まっています。

元々、ヘビーデューティー大好きな私はULとは真逆の登山スタイルでした。キスリングパックに憧れて、すこしでもあの質感に近づきたくて20代前半の時に初めて手に入れた大型パックはmacpacのグリセードクラシック。なぜmacpacを選んだのかと言うと、生地の質感がキスリングの綿帆布に似ていたから。

macpac独自のアズテックという生地は、コットンとポリエステルの混紡糸で高密度に織り上げたテキスタイルにワックス樹脂を染み込ませることで、耐水性と耐久性を併せ持たせた特殊な物。故にそれなりの重さがあり、グリセードクラシックは自重だけでも3kg以上ある重量級パックで、当時は荷物をパンパンに詰めてテント泊装備で20kg近くの重量に。

ULカルチャーが広まりつつあったあの頃。「1g削るよりも身体を鍛えて1g筋肉増やした方が良い」と本気で思っていた私は、macpacの質実剛健さに惚れ込んでいました。

そんなmacpacから日本限定アイテムが登場するというお話しを伺ったのが昨年のこと。しかも監修するのはハイカーズデポの土屋さん。これは面白い物が生まれそうな予感…とワクワクしてサンプルが出来上がるのを楽しみにしていました。

 

macpac ケテ

一目見て思いました。キスリングだ!形状こそ横長じゃないけど、質感と雰囲気はまさにキスリング。メーカー担当者の方へ「キスリングみたいでめっちゃ格好良いです!」とお伝えしたところ、まさに開発の意図はそこから始まっている…とお話しを伺い、もうこれは運命でしかないな…と思い購入を決意しました。笑

 

とは言え、実際の使い勝手はどうなのかと気になるところだと思います。率直に申し上げまして、超シンプルです。収納は本体のメイン気室と両サイドのポケットのみ。

 

そして、サイドコンプレッションコードが左右に2本と、その位置を変えられるように配されたデイジーチェーン。

 

いたってシンプルな作りですが、裏を返せばこれは使い手を試してくるパックなんです。細かい便利機能を削いで、シンプルにする事で自分好みの改造がしやすく、一つの目的にフォーカスしていなが故に使い手次第であらゆる遊びで活躍させる事が出来る。

一見、可愛い見た目をしていて誰でも使いやすそうな雰囲気を醸し出していますが、その本当の魅力や機能性を感じれるのは、しっかり遊びこんでいる人であるというシンプルだけど見えないトコロに癖が隠れているパックでもあると思っています。

 

上部を伸ばせば40ℓぐらいは軽く入りますし、この吹き流し部分にもウレタン系コーティングを施していないので永くも使える。きっと付き合いが永くなるほど、このパックはこんな時にも使えるのか…と魅力も深まっていくと思います。

 

頑丈 × シンプル = 可能性無限大

ケテは、ほぼ全ての外遊びに対応できるのではないかと考えています。そして、その際の快適性を左右するのは、使い手の技術次第。装備品の選定、パッキングの仕方、荷物の外付けバランス等々、自分にとってのベストを探りながら使いこなしていってください。

シンプルな道具に本気で向き合う事は、自分自身の本質的な考え方を知る良い機会にもなります。

Simple is Best

 

かなり個人的な趣味趣向満載の内容となってしまいましたが、率直にケテは良いパックです。

 

本日のブログは松下がお届けいたしました。

 

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