グラデーションを楽しむ

11月下旬とは思えない気温。暗闇の中、ご来光を見る為にヘッドランプを使い山頂を目指しトレイルを歩き始める。今この瞬間だけ考えれば、この気温は非常にありがたいが、冬の事を考えるとただただ不安でしかない。

そう思った次の瞬間に僕は自分の身勝手な思考に気が付く。

そう、いつだって自然は自分の等身大の姿を映し出してくれる。それは、体力面や適応力といった身体的な部分もあれば、自身の考えや気持ちなど内面的な部分でも言える。

山を歩き見て感じた事に対して直接的に思考を進める時もあれば、その事を切欠に日常に思う事について考える事や、時に瞑想をしているかのように無意識の領域の整える。そして、それらを客観的に観て、その行為を繰り返し等身大の自分を確認する。

一人で行動している時は、一人なりの映し出された自分を受け止め、時に、誰かと一緒に歩いている時は、それが掛け合わされて見え始める新たな自分を感じ、気持ちや思考の変化を楽しむ。

 

街の灯りを消すように東の空が少しずつ色づき出しては、少し前まで街と夜空を分けていた境界線がなくなりグラデーションしていく。

しっかりと東の空が明るくなり頭上を越えて朝の空色に染まりきった頃、西の地平線では朝焼けのフィナーレを飾るように淡いグラデーションが楽しめる。

今まで朝焼けのピークに気を取られ、その瞬間に西の空をわざわざ見ていなかったが、こういう発見も1つの切欠と視点の変化で知る事が出来る。

急激な変化も時には大事だが、ゆっくり変わって行くことと、それを、楽しむ事はとても大切だ。

 

 

投稿者:飯田

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