言わずと知れた防水透湿素材「GORETEX」。皆様、ゴアテックスに対してどの様なイメージをお持ちでしょうか。「値段が高い」というイメージもあるかもしれませんが「完全防水」や「蒸れにくい」と言ったキーワードも思い浮かぶと思います。私の中でゴアテックスに対して最も強いイメージが「絶対的信頼感」です。その理由は、ゴアテックスを使用したアイテムには厳しいテストが課せられているから。
防水性能はもちろんの事、耐摩耗性や耐久性、そして洗濯の環境まで徹底的に検証が行われゴア社の厳しい基準をクリアしたアイテムが商品として世の中に送り出されます。故にゴアテックスのマークは信頼の証と言えるのです。しかしその反面、ゴアテックスを使用したハードシェルは「パリッ」とした生地感の物が多く、ゴワゴワ感を感じてしまうことも。雪山用のシェルであればそのしっかりした生地感が安心感に繋がるのですが、無雪期にはオーバースペックに感じてしまうことも。しかし、ゴアテックスの優れた防水機能と信頼感はそのままに軽量でしなやかなモデルが登場したのです。
ARC’TERYX Zeta FL Jacket ■
先日のブログ■にてご紹介させて頂きましたZeta SL Jacket■と同じZetaシリーズのアイテム。しかしSLよりもさらに軽量化が図られています。
重量は実測値でSサイズ(約196g)、Mサイズ(約203g)となっておりゴアテックスを使用したジャケットの中ではかなり軽量。使用されているゴアテックスは最新プロダクトのパックライトプラス。従来のパックライトモデルよりも耐久性や着心地が格段にアップしています。
フードはヘルメット非対応。アルパイン等では無くハイカーに向けたモデルです。アルパイン向けのジャケットよりもフードが小さくなるのでg単位での軽量化が図れます。そしてフードの高等部にドローコードとは別でボタンの様な小さなパーツが付いているのにお気づきでしょうか。
ジャケット裏側にも同様のパーツが付いており、このボタンはバイク等で使用する時には嬉しい機能。
この様にフードを襟状に立てる事が出来るので、風でバタつく事もなく首元だけを効率的に防風出来るのです。
袖口も軽量化の為にベルクロは無し。ベルクロが無いと脱ぎ着の時に腕時計が引っかかってしまう事があるのですが絞りをいれるのを袖の下側にすることで少しでもかかりにくいようになっています。
ポケットは使いやすいポジションに2つ。軽さに振り切るならばポケットを無くしてしまうという選択肢もあったはず。そこを敢えてポケットを付けてきたのは、幅広いアクティビティーで使いやすくする為だと思われます。ハイクはもちろん、バックパッキングやファストパッキング、バイクパッキングにキャンプetc…。一着で色々こなそうとすると振り切り過ぎないデザインの方が使い勝手が良いんです。
【着用イメージ】
【モデル身長163cm、体重55kg 、サイズ:S、カラー:Lampyreを着用】
サイズ感は私の体格では正直Sサイズはちょっと大きく感じます。XSサイズでピッタリめなので走ったりスピーディーに行動するならばXSサイズ。(XSサイズは展開が無いので残念…。)ノンビリハイクなら中に着込めるようにSサイズを選ぶところ。裾口に関しては、ドローコード等は無く伸縮性のあるヘム仕様。何よりも、最初に袖を通した時に「これ本当にゴアテックス!?」と思ってしまう程生地が柔らかいんです。表地が薄いのもあるのですが、やはりアークが誇る1.6mm幅の極細シームテープの技術があってこそ。
軽いからと立体裁断を犠牲にしたりしていません。腕の上げ下げやフードを被って首を動かしても動きづらさは感じません。「防水性」、「軽量」、「着心地」を高い基準で成り立たせている。さすがARC’TERYXと言えます。色は好みになりますが、街での着用を想定するなら合わせやすいブラック。
でも、山で一番キレイに見えるのはアークらしいカラフルなカラー。写真は、御在所でクライミングを体験させて頂いた時の物。お客様のM様はアークのPsiphon sl pullover(現Sigma SL Anorak■)を着用されていました。岩場でのカラーがまた映えるんです。アークは山で着た時が一番格好よく見えるんだ。そう実感した一コマ。
もう10年以上も前。私が初めて手に入れたレインウェアもゴアテックスを使用した物。学生の当時、今よりもとても高価に感じたのを覚えています。購入したその週に敢えて雨の日に友人と御在所岳に登りに行きました。私達意外登っている人は見当たらず、唯一すれ違ったのは訓練中の自衛隊員の方達だけ。笑
今となっては日帰りで山に入るときは、他素材の軽量レインウェアを携帯する事が多いのですがZeta FL Jacket ■ならその代役を十分に果たしてくれそう。そして日帰りよりも山々を縦走する際、長期に渡って山に入る際にはレインウェアへの「信頼度」がとても大切。自分の大切な命を守ってくれるギアの一つ。その一つにゴアテックスプロダクトを加えてみては如何でしょうか。
本日のブログは最近、近所の公園のトレイルを走りながらプチ凌ぎポイントを探している松下がお届けしました。