ノースフェイスのダウンジャケットと言えば、ヌプシやバルトロライト、マウンテンダウンジャケット等が有名なところ。でも、個人的なお気に入りアイテムを上げるとしたら、このThunder Roundneck Jacket (■)です。
ノースフェイスは今まで様々な薄手、中厚手のダウンジャケットを世に送り出してきました。アコンカグアジャケットやライトヒートジャケット、ローツェジャケット等々。世の中で「ウルトラライトダウン」という表現が一般的に認知されるずっと前からアウトドア業界では軽量ダウンジャケットが人気を博していたのです。その中で数年前に突如現れたのがThunderシリーズ。
一番の特徴は、この膨らみを生み出している中綿素材にあります。当時、中綿素材は軽量コンパクト性重視のダウン素材と湿気に強い化学繊維とで完全に二極化していました。そんな中、ダウンと化学繊維を混ぜ合わせて両者の良いとこどりをしたのがこのThunderシリーズだったのです。商品が発表された当時、凄い物が出て来た!とテンションが上がったと同時に、「羽毛と化学繊維がちゃんと混ざるのか?」という疑問もありました。
異なる素材を混ぜると水と油の様に分離してしまう場合もあります。実は、羽毛と化繊も同様に単純に混ぜただけでは衣服内で分離してしまう事もあるのです。そこを、開発担当者の方々が工夫を凝らして解決し、商品化に辿り着いたのがThunderシリーズというわけなのです。
そして、あまり知られてないのですが、日本のノースフェイスのダウン製品の羽毛は、ここ三重県で洗浄されています。三重県多気郡明和町にある河田フェザー (■)。羽毛の洗浄にとてつもない拘りと情熱を持って取り組まれているメーカー様です。羽毛洗浄の事を書きだすと、とんでもなく長いブログになってしまうので、興味のある方はメーカーHPをごらんください。
さらに、綺麗に洗浄した羽毛に光電子も混ぜ合わせています。光電子素材は、身体から出ている微弱な遠赤外線を輻射してくれるので、空気の層を作るだけでなくじんわりと直接的に身体を温めてくれるのです。
【着用モデル 身長:163cm 体重:55kg Size:S Color:K を着用】
【着用モデル 身長:163cm 体重:55kg Size:M Color:UN を着用】
【着用モデル 身長:163cm 体重:55kg Size:M Color:DT を着用】
私の体格では、SサイズがジャストでMが少しゆったりめ。今季、当店でのThunderシリーズの取り扱いはラウンドネックタイプのみとなっております。普段着で着用した時に襟付きシャツとの相性が良い事や、室内でカーディガン代わりで着用した時に、立て襟が無い事でカジュアル着として合わせやすい等のメリットもあるのですが、最も大きなポイントがレイヤリングの襟元渋滞を避けたいから。
ベースレイヤーに薄手のフリース、インサレーションにハードシェル….と重ね着をするにつれて襟回りに生地が重なっていきます。勿論、保温する為のポイントである「首」を守る事は非常に重要なのですが、その重なりがゴワゴワ感や首の動かしにくさ、暑くなった時の体温調整のしにくさを生んでしまう事も。
それなら、ネックウォーマーやマフラー、バラクラバ等の付け外しが出来るアイテムで首回りをカバーした方が良いのではないか…と思うのです。ただ、厳冬期の高山域等の極めて低温化で着用する場合には襟付きやフード付きが勝る場合もあります。
ラウンドネックが向いているシーンとしては、春秋冬の低山、夏の高山域、街の中、と言った具合。特にフード付きのベースレイヤーや薄手フリースとの相性は良いので山と道のメリノフーディーやpatagoniaのR1フーディー等と重ねて使いやすいアイテムですよ。
気になる重量も化学繊維が混ざっているからと言って、重くなっているわけではありません。実測値でSサイズ(213g)、Mサイズ(224g)、Lサイズ(237g)、XLサイズ(251g)と軽量で胸元のポケットに収納すれば500mlボトル程度のサイズとなります。この収納力であれば山だけでなく旅行の際にカバンへ忍ばせておくこともできます。
ラウンドネックダウンの活躍の場は山から街へ、そしてフォーマルシーンにも広がってきています。真のビジネファッションとしては賛否両論あるところですが、スタイルとして広がるのには「便利である」という理由がちゃんと裏打ちされています。薄手ダウンを検討されている方は、是非Thunder Roundneck Jacket (■)を候補の一つにしてみて下さい。
本日のブログは松下がお届けいたしました。