今年こそラインナップに加えてみては? アクティブインサレーションの中身だけ。

もうしばらくすると、低山でも少し冷たい空気の中、赤や黄色に色づいた山を見るのが楽しい季節がやってきます。また、個人的にはその先にある、落葉して明るくなった山の中を歩くのも非常に好きで、もし、まだ経験された事がない方は、是非、紅葉シーズンが終わった里山も楽しんで頂ければと思う。

兎に角、これから楽しくなる低山ハイクシーズンだが、実は、多くの方がレイヤリング問題で頭を悩ますシーズンでもあります。


レイヤリング問題を解決する為の考え方。

「私、寒がりの汗っかきなんです。」「僕は、秋冬でも大量の汗を掻くんです。」「ベースレイヤーの上に着る正解のアイテムがわからない?」と、人によって悩みの症状は様々ですが、根本的な問題点はオーバーヒートにあり、解決する方法は大きく分けて2つだと僕は思っています。

1つ目が「自分に適した心拍数で動く」そして、2つ目が「経験」


「心拍数」

このお話は、何かの文献やエビデンスを元に話しているのではなく、あくまでも個人的な感覚。

ただ、自分の経験から、高い心拍で動き続けるとオーバーヒートになり、そして、発汗量が上がると思っています。(心当たりがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?)

もし、トレーニングと題して山を登るのであれば、時に心拍数を上げて登る事も大事だと思う。だから、その時は、汗をしっかり掻く事は覚悟した方が良いと思う。ただ、トレーニングではなく楽しい山行が目的の場合は、無理にガンガンに心拍を上げる必要は無いと思う。特に、日常的に運動をされていない方は、山で歩く・登るなどの運動をするだけで、割りと高い心拍になりやすく、その結果、「大量に汗が出る」と、言った具合になっていると思っている。

あらためて、レイヤリング問題や悩みは、行動中にオーバーヒートにならない心拍で動くことがポイントであると思っています。

だからこそ、心拍が上がらない運動強度で動く事が大切だと考えるし、日頃から身体を動かしトレーニングを行う事で、低い心拍でもある程度に動けるカラダづくりが必要だと思う。その結果が、大きな意味で「体力がつく」と考える。


「経験」

レイヤリング問題の根本的な問題と思う「オーバーヒート」を解決する方法は、先に述べた心拍数もあるが、環境に対する多くの「経験」も必要だと思っています。

例えば、早朝に家を出発する時に少し肌寒く感じたとしても、車内との暖かさに慣れ、肌寒く感じたあの家を出た時の感覚は薄い記憶となり、登山口近くで車を降りた時には、標高が上がった事による気温低下も加わり「寒い!」と感じてしまう。その「寒い!」と思った感覚が「不安」となり、スタートする時についつい着込みすぎてしまう。その結果、酷い人は歩き出して10分後オーバーヒートとなり滝汗を掻いていしまう。そして、その先に濡れ冷えという第二波襲ってくる。

僕は、環境に対して適したレイヤリングを導き出すには多くの「経験」が必要になると思っている。しかも、温度計等を所持して、客観的に環境をしりながら。

今の気温に対して自分がどれぐらいのレイヤリングをすれば調子良く動けるのか、こればかりはGoogle先生に聞いても教えてくれないし、僕が言うことも、どこかのYOUTUBERの話すことも1つの参考程度にしかならない。兎に角、経験積みながら自分の中の正解を導き出しいくしかない。


そもそもアクティブインサレーションって何?

身体は運動をする事で私たちは自家発電し熱を生み出します。

秋冬シーズンは、寒さから身を守る為に保温着(フリースだったり中綿・ダウン)等を着る事が増えます。ただし、それらを着た状態で動き続けると、自家発電で生み出された「熱」を保温着が保持しすぎて、オーバーヒートの原因にもなります。

アクティブインサレーションとは、適度に保温しながらも無駄な熱や蒸れを放出する能力が高い化繊中綿インサレーション。故に、停滞時は少し寒く感じる事もありますが、動くと丁度イイが生まれます。

そんなアクティブインサレーションですが、世の中に登場した時は、薄い化繊中綿アイテムとして多くのブランドが作り、時には一般的な化繊中綿のインサレーションと同じような作りで作られ、ウィンドシェルの裏側に配されたりと、「ナイロン素材のシェル」+「アクティブインサレーション素材」で形成されているパターンが主でした。ただ、数シーズン程前よりシェル等を一切に使わずに中身だけを使って製品化するブランドが急に増えました。

因みに、今までは、化繊中綿の中身の素材(綿素材)として認識されていたものが、中身だけで製品化された事により、その見た目から綿素材というよりも「通気性に優れたフリース」と、言った位置づけに皆様の認識も変わってきました。

moderateが扱うアクティブインサレーション素材として代表的なモノは以下の3つになります。

・POLARTECのALPHA
・TEIJINのOcta
・PRIMALOFTのACTIVE


アクティブインサレーションは魔法のアイテムではない!

因みに、何故冒頭にをダラダラと「レイヤリング問題を解決する為の考え方」を書いたと言うと、ご紹介しているアクティブインサレーションと言われるアイテムが、なんとなく一人歩きし、「アクティブインサレーションは、軽くて・暖かくて・蒸れない魔法のアイテムだ!」みたいになってしまっていると感じているから。

僕は今回のBLOGを通じて、一人でも多くの方に、本当の意味でのアクティブインサレーションの素晴らしさを知ってもらいたく、その為にも、先に書いた2つ(心拍と経験)が非常に大切だと思っている。

魔法のアイテムを手に入れる事は簡単です。ただ、その手に入れたアイテムが魔法のアイテムに昇華出来るかどうかは、使い手次第という事を理解して頂ければと思う。


「美味しいクリームパンのクリームだけ」

ってどういうこと?

以前、インスタで『and wanderのalpha direct pullover(■)』をご紹介した時にも書かせて頂いた内容ですが、例えば、and wanderのalpha direct pulloverの場合、元々、アクティブインサレーションの中身の素材として使われるPOLARTEC社のALPHAという素材を使ったアイテム。

本来Alphaは、この素材の外側にウィンドシェル等を用いて製品を作る事が多いのですが、この「alpha direct」は単体で製品化出来る優れた素材。故に、覆うものが無い分、熱や蒸れが通常のAlpha製品に比べて更に抜ける良いアイテム。よって、and wanderのalpha direct pulloverがあれば単体で着用する事も出来るし、ウィンドシェルやソフトシェル等とレイヤリングする事で、自分だけのアクティブインサレーションを作る事も可能。

ほら、美味しいクリームパンの中身だけを食べることも出来れば、クッキーやビスケットにクリームをのせてオリジナルとして楽しむことも出来る。回りくどいけど、そんな感じのアイテムです。


今年こそラインナップに加えてみては?

アクティブインサレーションの中身だけで作られた製品を1つ持つことで、単体で使用して「高通気のフリース」として使う事が出来れば、ウィンドシェルやソフトシェル、時には、ハードシェルを重ねる事で、オリジナルのインサレーションアイテムを作り出す事も出来ます。また、人によっては寒い(冷涼)な環境でのベースレイヤーとしてお使いになられる方もいらっしゃれば、夏山のフリースとして持ち出す方も!


THE NORTH FACE / Karside Grid Hoodie



STATIC / ADRIFTシリーズ 

もう一度、言います!本来、製品の中身の素材として使われるアイテムが今や単体で製品化されています。アクティブインサレーションの中身だけは、使うシーンからレイヤリングの仕方など、使用される方の経験とアイデアで様々なシーンやシーズンでお使い頂けるアイテムとなっています。

是非、自分だけのオリジナルの使い方を探究し、最高のレイヤリングを完成させてみては如何でしょうか。

投稿者:飯田

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