妥協の無いモノづくりへの姿勢で数々の名品を世に送り出しているARC’TERYX。こと、シューズに限っては様々なプロダクトの中でも後発で登場しているのですが、ブランドネームに負けないレベルの作り込みが施されています。本日は、その中でもトレイルランニング向けのシューズとして登場しているNorvan SL2をご紹介させて頂きます。
Norvan SL 2 Shoe ■
新登場!と言う訳では無く、Norvan SL2 Shoeは今年の春夏モデルとして登場していました。しかし、待望のBLACKカラーが遂に登場したのです。正式なカラー名は「Black/Light Tatsu」で黒ベースのカラーの中にカーキグリーンが織り交ぜられている配色。一目見た時から思ったのは、純粋に格好良い。ランニングシューズやスポーツシューズの野暮ったさを全く感じさせないデザイン性はARC’TERYXだからこそ。
シューズ自体の基本的な機能性は、ご存知の方も多いかもしれませんがおさらいさせて頂きます。
極限まで減らされた縫製
シューズやウェアを作る過程で必ず必要になってくる縫製。しかし、縫製の仕方によってはシューズの中で当たりを生み出してしまい、ピンポイントで痛みを発生させてしまう事もあります。そこをARC’TERYXの得意とする圧着で仕上げる事によりシューズ全体が非常に滑らかな出来となり、マットな見た目もさることながら足を入れた時の快適さにも繋がっています。個人的な感覚になるのですが、長距離での使用で無ければ裸足で履いても良いぐらい滑らかに感じます。
抜群に優れた通気性
アッパーのメッシュ素材はニットの様な厚みのある物では無く、中に履いているソックスが見える程の薄い仕様となっています。これによりシューズ自体の通気性が抜群に高くなっているのです。メッシュの目は非常に細かいので小石が入ってくる事は無いのですが、砂埃等の浸入は若干あります。
その反面、通気性だけでなく排水性も抜群に高いんです。実際に沢歩きでテストさせて頂いたのですが、水から上がった後のシューズ内の水は歩く度に排水されていきます。タン素材も薄く、足にフィットするタイプなのでシューズ自体の保水量も少なくなっています。走っている最中に水溜まりも気にする事なくガンガン突っ込めるタイプのシューズと言えます。ドライマックスの様な疎水性素材を用いたソックスと合わせればより効果的です。
ビブラムメガグリップを全張りしたアウトソール
アウトソールには高いグリップ性能を誇るビブラムメガグリップを採用。注目すべきは、メガグリップを全張りしているところ。部分的に使用しているのではく、全面に配する事で表面が凸凹した岩場でのグリップ性能が非常に良くなっています。
さらにフィールドテストで実感したポイントが、アウトソールのブロック間隔が丁度良いというところ。細かなパターンでは無く、ブロック形状のパターンで間隔が広めに取られているのです。
この間隔が重要で、小石が挟まってしまう事が無いんです。細かいパターンでブロックの間に小石が挟まると足裏に異物感を感じるだけでなく、ソール本来のグリップ性能を低下させてしまう事もあります。
また、四角に区切られたソール形状は岩面との設置面積が広いので濡れた岩でも勢い良くズルっと滑る事が少なく、ズルズル~っとゆっくり滑る事が多かったので非常にバランスがとりやすかったです。ただ、ヌルヌルの苔が生えた岩の上では、さすがに滑りやすいのでご注意を。
デザイン性、足入れ感、グリップ力、通気性に排水性と非常に優れた機能を持ち合わせながら重量は27cmで約169g(実測値に為、若干の誤差があります。)と超軽量。履いている事を忘れてしまうぐらい軽いので、沢登りやクライミング等のアプローチシューズとしても最適です。軽い分、耐久性が気になるところですが普通にトレランやハイク、沢歩きで使用する分には問題ありません。ただ鋭利に尖った岩などがアッパーに強く当たると破損してしまう可能性があるのでご注意下さい。
おススメポイントを語らせて頂きましたが、シューズなので足形によっては合う合わないがあると思います。気になる方は是非店頭でご試着してみて下さい。今ならサイズが揃っていますよ!
本日のブログは、松下がお届け致しました。